死者・行方不明者最多は「水泳」ではなく「釣り」
着衣時の事故に備える知識と技術を普及
夏休みを前に、海や河川でのレジャー機会が増えるなか、水難事故への注意が求められています。日本赤十字社(本社:東京都港区、社長:清家篤、以下「日赤」)では、水難事故から命を守るための知識と技術を学ぶ「水上安全法」を全国で展開しています。
令和7年夏期の水難事故による死者・行方不明者は全国で241人にのぼり、「海」と「河川」における事故が全体の8割以上を占めています。事故発生時の行為については、1位が「魚とり・釣り」の21.6%で、「水遊び」や「水泳」よりも高い結果となりました(警察庁「令和7年夏期における水難の概況」による)。これらの結果から、水遊びや水泳など、水着を着た状態よりも、衣服を着たままの状態で海や河川などに落ちる事故の方が多いことが分かります。
令和7年 場所別(左)・行為別(右)死者・行方不明者数
※「令和7年夏期における水難の概況」(警察庁)(
https://www.npa.go.jp/publications/statistics/safetylife/chiiki/r7_kaki_suinan.pdf ) をもとに日本赤十字社作成
| 「水上安全法」とは ※詳細は参考資料をご参照ください |
水難事故を防ぐためには、危険な場所や行為を知ることに加え、いつ自分の身に起こるかわからないことを認識し、事故が起きた時の対処法など、一人一人が命を守る知識と技術を身に着けおくことが必要不可欠です。
「水上安全法」は、安全に水と親しむための、事故防止や泳ぎの基本と自己保全。また、水難事故に遭った際の救助や手当の方法などの知識と技術のことを指します。
衣服を着たまま水に落ちたときの対応
まずは「泳ぐ」ではなく「浮く」。いかに着衣状態で呼吸を確保するかが大切です。また、水中で衣服や靴を脱ぐ行為は危険です。ペットボトルなど浮力を得られる身近なもので浮くことも覚えておきましょう。
水難者を見つけたときの対応
119番(海の場合は118番)へすぐに通報することが大切です。一人よりも複数人で、水に入らず陸上からペットボトルなどの浮き具の代わりになるものを渡して落ち着かせ、可能な場合は長い棒などの道具を用いて陸に引き寄せて救出しましょう。
事故を未然に防ぐための知識・準備
確認すべきは水量・気象情報だけではありません。海や河川など、それぞれの自然環境の特徴を理解し、危険な場所や行為を知っておきましょう。※【図1・2】参照
日赤には、水上安全法の指導員資格を持つ職員やボランティアが多数在籍しており、コメント提供やインタビュー(オンライン可)、素材提供などのご協力が可能です。
また、着衣泳講習の取材をご希望の場合も、ぜひお問い合わせください。
赤十字水上安全法講師 内田直人(神奈川県支部 事業部 救護課)
大学時代からライフセーバーとして、海やプール、オリンピックや各種水辺スポーツなどで、監視・救助活動を続けています。水上安全法の講師としては17年の経験があり、これまでに100回以上にわたり講習で指導してきました。
水辺の事故の多くは、危険性や事故が起きた時の対処法について知らないケースが主な原因となり発生しています。自然に対して謙虚な姿勢をもち、事前に気象情報を入手するなど事故防止に努めるとともに、自己過信しないようにしてください。また、水辺で遊ぶ際は、必ずライフジャケットを着用するよう心がけてください。着用時の生存率は非着用時の2倍近く高くなります。ぜひマイライフジャケットを所有し、水辺で安全に楽しんでください。
着衣泳講習の取材可能日程
都内近郊にて以下の日程で開催予定です。取材をご希望の場合は広報室へお問い合わせください。
■東京都
7月8日(水)8時55分~ 葛飾区立東金町小学校
7月9日(木)8時40分~ 板橋区立板橋第一小学校
7月9日(木)15時20分~ 板橋区立板橋第一小学校 ※教員対象
7月11日(土)10時00分~ カヌー・スラロームセンター ※親子対象
■神奈川県
7月14日(火)8時50分~ 横浜市立平戸台小学校
7月15日(水)9時00分~ 11時00分~ 横浜市立屛風浦小学校
7月16日(木)8時45分~ 10時50分~ 横浜市立間門小学校
※上記地域のほか、取材をご希望される都道府県がございましたらお問い合わせください。
提供可能素材
■日赤公式YouTube
着衣泳の方法や、講習の様子などを公開しています。
▼着衣泳の方法
https://youtu.be/myo9QMhAiS8?si=vm2d3Fa6k47M6haO
■赤十字水上安全法講習教本などのデータ
「海や川の危険な場所」をまとめて紹介しています。他にもご要望に応じて提供いたします。
【図1】 【図2】
<参考資料>「水上安全法」の詳細
水に落ちても慌てず、まずは浮いて助けを待つことが大切です。
・顔や目線は真上を向ける
・体の力を抜いて、腕・両脚を伸ばした姿勢になる
・空気をたくさん吸い込み、少しずつ呼吸する
・怖がって腰を引かない
・衣服や靴は脱がない
浮力を得られるものを知っておくことで、溺れている人がより長く浮き続ける助けになります。
・ペットボトル
・クーラーボックス ・バケツ
・サッカーボール
・ポテトチップス(未開封、大袋だと望ましい)
現場の状況を正確に把握し、的確な判断の上、より安全に確実に迅速な行動を心がけましょう。
・おぼれた人に声をかけ、落ち着かせる
・浮身の姿勢を指示し、励ます
・長い棒や自分の服を差し出しゆっくり引き寄せる
・浮力のあるものを渡す
自身の健康状態や、危険をきちんと認識したうえで行動しましょう。
・睡眠不足ではないか
・飲酒していないか、二日酔いの症状がないか
・全身に疲労を感じていないか
・空腹ではないか
・食事直後ではないか
ライフジャケットの着用は尊い命を守るために欠かせません。
着用時の生存率は非着用時の2倍近く増加します。※【図3】参照
水辺で身体を浮かせ、体温を保ち、ぶつかったときの衝撃をやわらげてくれるので、水遊びや釣り、ボート船舶など、水辺で活動する際は必ず身につけることが大切です。
・自分のサイズにあったものを使用する
・ベルトや股下のストラップ、チャックなどをしっかりしめる
・目立つ色を選ぶ
・ホイッスルが付いたものがよい
【図3】※赤十字水上安全法講習教本より