京都産業大学(京都市北区/学長:在間敬子)ギャラリーでは、9月18日から10月10日まで、ミニ展示「京蒔絵の美―下出祐太郎の継承と挑戦―」を開催しました。京都産業大学文化学部名誉教授であり、下出蒔絵司所三代目の下出氏の現在に至るまでの一連の作品の展示を行いました。関連イベントでは、ギャラリートーク「蒔絵と螺鈿(らでん)の多彩な表現」、講演会「蒔絵が紐解く日本文化の神髄」を開催、蒔絵や漆について解説しました。
漆で絵を描き、その上に金粉や銀粉など金属粉を蒔きつけ加工し、模様を浮き上がらせる蒔絵。中でも繊細で優美な「京蒔絵」は8世紀以降、都となった京都で発展し、日本を代表する伝統工芸になりました。
1912年に開業した下出蒔絵司所の三代目である下出 祐太郎氏は、優れた蒔絵作品を世に送り出す傍ら、2015年より本学の文化学部京都文化学科で教鞭をとり、漆や蒔絵に関する研究や教育活動に注力してきました。
本展示では、2024年度で本学を退職する下出氏の活動を記念し、教授が手掛けた蒔絵作品を通して、継承される京蒔絵の美と技能の粋を紹介します。
また、関連イベントとして9月28日(土)にはむすびわざ館ホールにて、講演会「蒔絵が紐解く日本文化の神髄」を開催しました。下出氏が蒔絵や漆の歴史について講演、特に日本が世界でも有数の漆文化を持つ由来や、蒔絵の超絶技巧が支える文化について語りました。参加者からは「京都の伝統に裏打ちされた美意識として高度な技法・技術に驚きと感動を覚えた」、「漆の世界を知れて良かった」などの感想が寄せられました。
10月5日(土)にはギャラリートーク「蒔絵と螺鈿の多彩な表現」を開催しました。日本各地にはさまざまな漆器加飾が存在しますが、京都の代表的な漆器加飾は蒔絵と螺鈿です。本展もこの二つの技法を中心に展開しており、下出氏が現物を前にして作品を支える具体的な技術法や制作時のエピソードを折り混ぜながら解説しました。「蒔絵について理解を深めることができた」、「実際に蒔絵を作っているところを見たい」など、蒔絵の世界の奥深さについて感想を述べる参加者が目立ちました。
むすんで、うみだす。 上賀茂・神山 京都産業大学
<関連リンク>
・2024(令和6)年度ミニ展示「京蒔絵の美--下出祐太郎の継承と挑戦--」(9月18日~10月10日)
https://www.kyoto-su.ac.jp/events/20240918_869_makie.html
・講演会「蒔絵が紐解く日本文化の神髄」を開催しました
https://www.kyoto-su.ac.jp/news/20240928_869_kyomakie1.html
・ギャラリートーク「蒔絵と螺鈿の多彩な表現」を開催しました
https://www.kyoto-su.ac.jp/news/20241005_869_kyomakie2.html
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