【東芝エネルギーシステムズ】当社が徳島津田バイオマス発電所に納入した運転高度化システムの運用が開始
東芝エネルギーシステムズ株式会社
運転高度化システムの運用が開始
~プラント監視ソフトウェア「EtaPRO™」を活用し、
発電所全体の稼働率・効率向上に貢献~
当社が徳島津田バイオマス発電所(徳島県徳島市)に納入した発電事業者向けプラント監視ソフトウェア「EtaPRO™注1(エタプロ)」を活用した運転高度化システム(以下、本システム)の運用がこのたび開始されました。
徳島津田バイオマス発電所は、株式会社レノバ(以下、レノバ)などが出資する徳島津田バイオマス発電所合同会社が運営する、主に、木質ペレットとパーム椰子殻(PKS)を燃料とした出力74.8MWの発電所で、2023年12月に運転が開始されました。
EtaPRO™はプラントの熱効率や運転状態を監視し、劣化や異常兆候を検出することにより発電所の運営効率向上に寄与するソフトウェアで、火力・水力・風力・太陽光など多くの発電事業者への納入実績があります。EtaPRO™を活用した本システムは、クラウド上で活用できる、当社のエネルギーIoTサービス「TOSHIBA SPINEX for Energy注2」上で構築しており、膨大な運転データをクラウド上で収集・可視化できる「ダッシュボード機能」、帳票作成機能などを提供する「AX-VIEW注3基本機能」、EtaPRO™による発電所構成設備の「異常予兆機能」およびプラントの「性能評価機能」に加え、これらのデータを生かし発電所の運用改善につなげる「分析機能」で構成されています。本システムの活用により、ボイラ・タービンを中心とする発電所全体の稼働率・効率向上を図ることができます。
また、本システムで収集した各種データは、発電所を監視するレノバの本社・他発電所・関連会社などで同じ情報を共有することが可能となります。
本システムは、発電所全体の稼働率・効率向上を図りたいレノバのニーズに合致し、さらには当社のEtaPRO™の実績が評価され、徳島津田バイオマス発電所への導入にいたりました。当社は国内ではEtaPRO™を主に大手発電事業者の火力発電所向けに納入してきましたが、本件は国内のバイオマス発電所向けにシステム構築した初めての案件となります。
当社は、これまで培ってきたエネルギー分野における製造およびメンテナンスの技術と、CPS注4テクノロジーとを融合させ、EtaPRO™をはじめとする「TOSHIBA SPINEX for Energy」を積極的に展開し、発電所などの効率的な運営に貢献していきます。
注1 EtaPRO™
発電事業者向けプラント監視ソフト。30年以上にわたって火力・水力・風力・太陽光などの発電事業者など60カ国、約700GW分の発電所に導入実績がある。東芝ESSが2021年10月に本ソフトウェアに関する事業部門を米国のジーピー・ストラテジーズ・コーポレーション(GP Strategies Corporation)より買収している。
https://www.global.toshiba/jp/news/energy/2021/05/news-20210511-01.html
注2 TOSHIBA SPINEX for Energy
当社で開発しているエネルギーIoTサービス。2019年、東芝グループ「TOSHIBA SPINEX」のサービスとして、社会インフラ・エネルギー・製造・物流の4分野24種類のうち、エネルギーを中心としたサービス12種類を構築。「東芝IoTリファレンスアーキテクチャー」に準拠したサービスを展開中。幅広い領域でサービスを活用できるよう、新サービスとして2024年2月にSaaS版の「TOSHIBA SPINEX for Energy」の提供を開始した。
https://www.global.toshiba/jp/news/energy/2024/02/news-20240201-01.html
注3 AX-VIEW
TOSHIBA SPINEX for Energyのサービスの1つでビッグデータを取り出して表示するためのUI機能。ダッシュボードから展開される機能の1つ。
注4 CPS(Cyber Physical Systems)
現実に存在するプラント設備(フィジカル)のデータを収集し、コンピュータなどによる仮想空間上でデジタル技術などを用いて分析したり、活用しやすい情報や知識とし、それをフィジカル側にフィードバックすることで、付加価値を創造する仕組み。
徳島津田バイオマス発電所外観
運用高度化システム構成図
■「TOSHIBA SPINEX for Energy」Webサイト