昭和大学の研究チームが、老化物質AGEが精子数の減少と運動機能の低下に関わることを実証

昭和大学

昭和大学(東京都品川区/学長:久光正)の森雄作准教授(医学部内科学講座糖尿病・代謝・内分泌内科学部門)と山岸昌一教授(同)らの研究チームは、老化物質AGEの作用を阻害する核酸医薬品(AGEアプタマー)を用いることで、糖尿病モデル動物の精子数の減少や運動機能の低下が抑えられることを世界で初めて明らかにしました。 本研究成果は、論文引用頻度の極めて高い科学誌「International Journal of Molecular Sciences」に掲載されました。 【研究の背景・目的】  少子高齢化が進行するわが国において、増加する不妊症への対策は重要な課題となっています。不妊症では30%以上が男性側の要因に起因していますが、原因不明のケースが約半数を占めています。近年、肥満や糖尿病の患者さんでは精子数の減少や運動機能の低下などが報告されており、男性不妊の原因の一つと考えられています。  一方、肥満や糖尿病では、食習慣の乱れも加わって体内で老化物質であるAGE(終末糖化産物)が過剰に蓄積されていきます。 【研究成果の概要】  今回、糖尿病モデル動物の精巣にはAGEが蓄積されており、過剰な酸化ストレスによって炎症が引き起こされていることが分かりました。そして、AGEの作用を阻害する核酸医薬品(AGEアプタマー)が、糖尿病モデル動物の精巣での炎症を防ぎ、精子数の減少や運動機能の低下を抑えることを世界で初めて明らかにしました。 【今後の展望】  AGEを標的とした食事・療養指導が、男性不妊に対する新しい治療手段になりうると期待されます。 【論文情報】 ・雑誌名: International Journal of Molecular Sciences(impact factor 2024:4.9) ・論文名: DNA Aptamer Raised against Advanced Glycation End Products Improves Sperm Concentration, Motility, and Viability by Suppressing Receptors for Advanced Glycation End Product-Induced Oxidative Stress and Inflammation in the Testes of Diabetic Mice ・著者名: Yusaku Mori, Michishige Terasaki, Naoya Osaka, Tomoki Fujikawa, Hironori Yashima, Tomomi Saito, Yurie Kataoka, Makoto Ohara, Yuichiro Higashimoto, Takanori Matsui, Sho-Ichi Yamagishi ・掲載日: 2024年5月29日 ・DOI: 10.3390/ijms25115947 ▼本件に関する問い合わせ先  昭和大学 医学部抗糖化寄付講座  准教授  (医学部内科学講座 糖尿病・代謝・内分泌内科学部門 兼任)  森 雄作  TEL: 03-3784-8685  E-mail: u-mori@med.showa-u.ac.jp ▼本件リリース元  学校法人 昭和大学 総務部 総務課 大学広報係  TEL: 03-3784-8059  E-mail: press@ofc.showa-u.ac.jp 【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

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