CNG Holdings、「アイデンティティファースト」の不正検知でサードパーティおよび合成アイデンティティ詐欺を撃退

SAS Institute Japan株式会社

シンシナティを拠点とするレンディング・リーシング会社が
SAS Identity 360 on Microsoft Azureによる不正対策を実行し
カスタマージャーニー全体を通じた意思決定力を強化



アナリティクスのリーディング・カンパニーである米国SAS Institute Inc.(以下 SAS)は、CNG Holdings(https://www.sas.com/en_us/customers/cng-holdings.html)がSASのクラウドベースの不正対策プラットフォームを拡張し、同社のオンラインリテール事業におけるサードパーティおよび合成ID詐欺のほぼすべての排除を実現したことを発表しました。CNG Holdingsは、Allied Cash Advance、Check ‘n Go、Xact等のブランドを傘下に持つ消費者向け金融サービス会社であり、先ごろリース事業部門であるSmartPayでSAS® Identity 360 on Microsoft Azure(https://www.sas.com/en_us/software/identity-360.html)の利用を開始しました。

2019年に初めてソフトウェア・アズ・ア・サービス(SaaS)を導入して以来、CNGでは現在までに目を見張るような、以下の成果を挙げています。
  • 誤検知をほぼゼロに:CNG Holdingsの不正対策・ID管理担当バイスプレジデント、リック・クーニー(Rick Cooney)氏によると、CNGでは不正検知の誤検知率をわずか0.8%まで低減しています。「当社では不正検知における誤検知はほぼ存在しないと言えます」
  • 大幅に効率化された、極めて精度の高い不正調査:「かつて2~3時間かかっていた調査が、今では2~3分で行えます」(クーニー氏)
  • 大幅なコスト削減:CNGは、いくつもの高額かつ非効率なツールをつなぎ合わせた不正対策をSASの統合型防御に入れ替えることによって、不正対策プログラムにかかるコストを30%以上削減することができたと、クーニー氏は推定しています。
SASの不正対策およびセキュリティ・インテリジェンス担当シニアバイスプレジデントであるスチュ・ブラッドリー(Stu Bradley)は、次のように述べています。「結果がすべてを物語っています。CNGのアプローチは称賛すべきものであり、業界全体を通じて見習うべきものです」

IDアナリティクスで「ホームアドバンテージ」を実現
金融サービス業界で40年近く、不正行為対策の最前線に立ってきたクーニー氏は、不正行為との戦いをモグラ叩きゲームに例えます。1つの道をふさいでも、詐欺師たちはまた新たな脆弱性を見つけ出してそれを悪用するからです。

「私が入社した4年前、CNGはすでに幾度も大規模な詐欺攻撃の被害を受けており、その時に浮かんだのが、このような『不正行為ゲーム』をやめて、『アイデンティティゲーム』を始めたらどうか、というアイデアでした。詐欺師たちを私たちの土俵に連れ込み、そこでゲームをさせるということです。デジタル不正問題の解消に向けて、焦点をデジタルアイデンティティ(https://www.sas.com/ja_jp/solutions/fraud-security-intelligence/solutions/identity-digital-fraud-analytics.html)に絞り込むことで、私たちがホームアドバンテージを得るべきなのです」

CNGはいくつかのベンダーを評価した後に、クラス最高の不正アナリティクスと機械学習機能、強固な意思決定エンジンに加えて圧倒的なスピードを持つSASを採用しました。契約締結後数か月で、ソリューションによってCNGのオンラインレンディング事業と約1,000の小売店のために、IDベースの不正判定が実行されるようになりました。その結果は驚くべきものでした。SASによって7つの情報源のデータを集約することで、90日間のうちにサードパーティの不正行為を80%以上削減することができました。多要素認証、バイオメトリックサポート、データエンリッチメントと導入を拡大するにつれて、CNGの不正検知率はさらに高まりました。

現在の状況について、クーニー氏は、「CNGは事実上、サードパーティおよび合成ID詐欺をほぼ排除し、もはやビジネス上の課題ではなくなっています」と述べています。

一例として、2か月間にわたってシステムに何千件もの不正なクレジット申請を送り込んできた、ある組織犯罪グループの攻撃事例を挙げました。8,500回の企てのうち、SASの多層防御を打ち破ったのはわずか3回にすぎず、しかもソーシャルエンジニアリングの手口が用いられたその3回についても、CNGの不正対策チームが即座に特定して是正措置を取っています。

このソリューションは、IDの不正利用やデータ不一致の可能性にフラグを立てることで、ファーストパーティの不正行為も阻止しています。クーニー氏は、CNGが不正対策において大きな成功を収められたのはSAS Identity 360 on Microsoft Azureのおかげだとして、次のように述べています。「SASは当社の管制塔です。当社ではすべてのアプリケーションが、SASが開発したアイデンティティプラットフォームを通過するようにしており、デジタルIDの観点からアプリケーションのプロセスに必要なあらゆるデータソースやベンダーがリンクしています」

不正検知や不正対策の枠を超え、カスタマージャーニーを通じた意思決定支援
CNGはまず、実店舗のロケーションとオンラインレンディング事業、さらにはリース事業部門との間でのサイロ化を解消することで、不正対策に全社的に取り組み、より大きな利益を生み出しました。オムニチャネルハブの基盤が構築されたことによって、CNGは自社のあらゆるブランドを通じた顧客とのリレーション管理を強化することができます。

当初、新規顧客のみだったプラットフォームの対象をリピート客にも拡大し、オリジネーションからアカウント管理、クレジットリスク分析など、クラウド上ですべてを網羅するオールインワンの統合システムを構築しています。

「当社ではリアルタイムレスポンスをクレジットシステムだけでなくバックエンドにも送信します。Azureを利用することで、こうしたリアルタイムレスポンスを自社のデータレイクを通じて創出できるようになったことで、アプリケーションのデータに瞬時にアクセスできるようになりました」(クーニー氏)

CNG全社を通じて構築されつつあるのは、カスタマージャーニー全体を連携する包括的な意思決定プラットフォームであり、これは実際の企業の意思決定に非常にうまく用いられている事例だと言えます。

金融サービス業界では一般的に、多様な機能ごとに事業部門が特化し、組織としての意思決定やそれを支えるデータやテクノロジーがサイロ化されているため、こうした戦略は非常に注目されるテーマとなっています。データフレームワークだけの共有でも、意思決定アーキテクチャも併せた共有でも、こうした各部門を連携することによって、複雑なプロセスが合理化され、より迅速で的確な意思決定の推進につながります。

SASのブラッドリーは、次のように述べています。「CNGが作ろうとしているのは、単一の技術アーキテクチャ上で同じデータソースと一貫したモデルやアナリティクスが使えるようにするという、まさに多くの金融機関が目指している形です。テクノロジー基盤を効率化してコストを削減するだけでなく、こうした改善の成果によって、CNGは自社のあらゆるブランドや製品全体で、差別化した顧客エクスペリエンスを提供しています」


*2023年6月13日に米国SAS Institute Inc.より発表されたプレスリリース(https://www.sas.com/en_us/news/press-releases/2023/june/cng-holdings-zaps-fraud.html)の抄訳です。
本原稿はSAS本社プレスリリースの原稿を抄訳したものです。本記事の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語を優先します。


SASについて
SASは、アナリティクスのリーディング・カンパニーです。SASは、革新的なソフトウェアとサービスを通じて、世界中の顧客に対し、データをインテリジェンスに変換するためのパワーとインスピレーションを届けています。SASは「The Power to Know®(知る力)」をお届けします。

*SASとその他の製品は米国とその他の国における米国SAS Institute Inc.の商標または登録商標です。その他の会社名ならびに製品名は、各社の商標または登録商標です。

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