シュローダー マクロ経済見通し(2022年4-6月期)

シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社

基本シナリオ

【米国】
国内需要は堅調となったものの、2022年1-3月期の国内総生産(GDP)成長率は低下しており、今後についてはインフレが経済成長を減速させると考えています。2022年の米国経済成長率は2.6%、2023年については1.5%を見込んでいます。スタグフレーションが懸念される中、米連邦準備制度理事会(FRB)は、ある程度アグレッシブな金融引き締めを継続することが見込まれます。政策金利は2022年10-12月期までに3%に達し、インフレ率は、2030年には2.8%に抑制されると考えています。ただし、FRBは金融緩和への転換が必要になることが見込まれ、2023年に0.5%の利下げを予想しており、その後も利下げが継続されると考えています。


【ユーロ圏】
ロシア・ウクライナ情勢に収束の気配がないなか、ユーロ圏経済は低迷が予想されることから、2022年のユーロ圏の経済成長率見通しは2.5%、2023年には1.9%への低下を見込んでいます。インフレ率については、2022年の6.6%から、2023年には2.4% に低下すると考えています。ただし、ロシア産原油の禁輸措置の実施いかんで変わってきます。コアインフレ率の上昇を背景に、欧州中央銀行(ECB)は、2022年7月から利上げを開始すると考えており、2022年末までに中銀預金金利を0.50%、リファイナンス金利を1.00%まで引き上げると考えています。


【英国】
年初は堅調となりましたが、2022年4-6月期のGDPは、縮小を見込んでおり、その後は食品・エネルギー価格の高騰が家計を圧迫することから、低迷が見込まれます。2022年の英国の経済成長率見通しは3.5%、2023年は0.9%を見込んでいます。インフレ率は2022年の8.4%から落ち着いていくと考えますが、広範にみられるインフレ圧力により、2023年はイングランド銀行(BOE)の物価目標の2%を上回って推移すると見込まれます。BOEは政策金利を2023年1-3月期までに2.25%に引き上げると考えています。


【エマージング諸国】
中国のゼロコロナ政策を受けたロックダウンは、経済活動を低迷させています。経済活動は、制限が緩和されるに伴い回復が見込まれますが、2022年の中国の経済成長率見通しを3.5%に引き下げており、2023年については5.5%を見込んでいます。他のエマージング諸国については、食品価格の高騰から経済成長の減速が見込まれます。また、世界輸出需要の低迷や、ブラジルなどにおけるアグレッシブな金融引き締めも重しとなります。


今後想定される他のシナリオ
基本シナリオ以外で今後想定される景気シナリオについて、最も可能性の高いリスクシナリオとしては、デフレーションシナリオの「消費者サイドのリセッション」、次いで、スタグフレーションシナリオの「供給サイドによるインフレ」を想定しています。
そのほか、スタグフレーションシナリオの「ロシア・ウクライナ情勢がもたらすダウンサイド」や「中国によるロックダウンの継続」を想定しており、総括してスタグフレーションのリスクに傾斜しています。


世界の実質GDP成長率見通し



シュローダー・エコノミクス・チームによる見通し(基本シナリオ)



【本資料に関するご留意事項】
  • 本資料は、情報提供を目的として、シュローダー・インベストメント・マネージメント・リミテッド(以下、「作成者」といます。)が作成した資料を、シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社(以下「弊社」といいます。)が和訳および編集したものであり、いかなる有価証券の売買の申し込み、その他勧誘を目的とするものではありません。英語原文と本資料の内容に相違がある場合には、原文が優先します。
  • 本レポートは、Schroders Investment Management Limitedが海外の機関投資家向けに作成した資料を、シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社が翻訳・編集したものです。本レポートは、シュローダーのグローバルベースの一般的な取り組み・考え方をご紹介する目的で作成しており、日本の投資者を対象としない内容を含む場合があります。
  • 本資料に示されている運用実績、データ等は過去のものであり、将来の投資成果等を示唆あるいは保証するものではありません。投資資産および投資によりもたらされる収益の価値は上方にも下方にも変動し、投資元本を毀損する場合があります。また外貨建て資産の場合は、為替レートの変動により投資価値が変動します。
  • 本資料は、作成時点において弊社が信頼できると判断した情報に基づいて作成されておりますが、弊社はその内容の正確性あるいは完全性について、これを保証するものではありません。
  • 本資料中に記載されたシュローダーの見解は、策定時点で知りうる範囲内の妥当な前提に基づく所見や展望を示すものであり、将来の動向や予測の実現を保証するものではありません。市場環境やその他の状況等によって将来予告なく変更する場合があります。
  • 本資料中に個別銘柄についての言及がある場合は例示を目的とするものであり、当該個別銘柄等の購入、売却などいかなる投資推奨を目的とするものではありません。また当該銘柄の株価の上昇または下落等を示唆するものでもありません。
  • 本資料に記載された予測値は、様々な仮定を元にした統計モデルにより導出された結果です。予測値は将来の経済や市場の要因に関する高い不確実性により変動し、将来の投資成果に影響を与える可能性があります。これらの予測値は、本資料使用時点における情報提供を目的とするものです。今後、経済や市場の状況が変化するのに伴い、予測値の前提となっている仮定が変わり、その結果予測値が大きく変動する場合があります。シュローダーは予測値、前提となる仮定、経済および市場状況の変化、予測モデルその他に関する変更や更新について情報提供を行う義務を有しません。
  • 本資料中に含まれる第三者機関提供のデータは、データ提供者の同意なく再製、抽出、あるいは使用することが禁じられている場合があります。第三者機関提供データはいかなる保証も提供いたしません。第三者提供データに関して、本資料の作成者あるいは提供者はいかなる責任を負うものではありません。
  • シュローダー/Schroders とは、シュローダー plcおよびシュローダー・グループに属する同社の子会社および関連会社等を意味します。
  • 本資料を弊社の許諾なく複製、転用、配布することを禁じます。

その他のリリース

話題のリリース

機能と特徴

お知らせ