YouTubeはテレビでどう見られているのか? 世界初の試みで既存データでは見えない個人の視聴実態を具現化
テレビでYouTubeを見ている人は2,000万人以上(Google、日本、2021年3月*)となりました。テレビで動画コンテンツを視聴している人についても、サイバーコミュニケーションズの調査で23%(2020年6月)と増加しています。今後さらに視聴人口が増えると予測される動画ストリーミングサービスが、テレビを通してどう見られているのかを知ることは重要と考えたため、今回の調査を行いました。なお、今回の調査に用いられた、人体認識データ+YouTube視聴履歴を組み合わせた調査は、世界初の試みとなります(当社調べ)。
* https://www.thinkwithgoogle.com/intl/ja-jp/marketing-strategies/video/yt-ctv/
「同一アカウントを複数ユーザーで利用」という視聴実態を初めて具現化
一般家庭では、「1人のアカウントでログインしていても、アカウント保持者ではなく、同居者が視聴する」ということがよくあります。これまでのアカウント・データでは、1人のアカウントの先にいる「ほんとうの視聴者が誰なのか?」を特定するのはとても困難でした。
その課題を解決し、あるべき「データ」を明瞭化します。具体的には、アカウント・データと、TVISIONでしか取れない「誰が、どれぐらい見た」データを組み合わせることによって、ストリーミングサービスの視聴実態を明らかにします。
母親はほんとうにゲームに興味をもっているのか?
上図左のように、この世帯では、母親のアカウントでYouTubeを視聴しており、アカウント・データからは、「アニメからドラマ、ゲームへと、幅広い興味を持つ視聴者」というログが取れます。
しかし、このログをTVISIONの視聴データと組み合わせると、その実態は「アニメは好きだけど、TVドラマはながら視聴程度の母親」と「ゲーム実況大好きな子ども」という2人の組み合わせであることがわかりました。
上記は一例ですが、アカウント・データだけではなく、テレビの前にいる個人の「視ている」データと掛け合わせて把握することで、ストリーミングサービスのコンテンツ、またはそこに投じる広告の投下精度を大幅に上げる可能性を秘めています。
YouTubeをテレビで視聴したとき、テレビの前には平均1.5人の視聴者
また今回の調査では、テレビスクリーンを通じて、YouTubeを視聴している人は平均1.5人でした*。スマホやタブレットを通しての視聴はほぼ1人と考えられていますので、テレビスクリーンならではの複数人視聴の多さを浮き彫りにした結果となりました。
今後のストリーミングサービスにおける広告活用の精緻化のために、こうした分析結果も、継続的に取得・提供してまいります。
*平均視聴人数1.5人 = 複数人世帯において、視聴されたコンテンツごとの1秒以上視聴者の和 / 視聴されたコンテンツの総数となります。例えば、コンテンツが2つあり、コンテンツAの1秒以上視聴者 = 1人、コンテンツBの1秒以上視聴者 = 3人のとき、この場合の平均視聴人数は(1+3) / 2 = 2人となります。
今後の展望
テレビスクリーンを通して、YouTubeを中心としたストリーミングサービスの視聴傾向を取得し、広告を出稿されている企業様に提供していきます。
現在、既に複数の広告主とトライアルが進行しております。そこでの検証を経て、2022年にはデータの提供開始を予定しております。
調査詳細
期間: 2021年2月1日~5月15日
対象: TVISION関東パネルデータ + 対象パネルのうち、410アカウント(うちOTT視聴96アカウント)のYouTube視聴履歴を取得。なお本調査は、TVISIONの既存パネルに対して追加で調査を行っており、パネルより事前に調査への明確な協力・データ利用許諾を取っております。
【TVISION INSIGHTS株式会社について】
TVISION INSIGHTS株式会社は人体認識技術によってテレビ番組・CMの視聴態勢データを取得し、BtoB 向け視聴分析サービスを提供しています。 ご家庭のテレビに、TVISIONが独自に開発した人体認識技術を搭載した調査機器を設置し、調査参加者 の視聴態勢を毎秒で自動的に取得。「誰がテレビの前にいて、ちゃんと見ているか」というTVISION独 自のアテンションデータを広告主・広告会社・放送局など国内累計100社以上のクライアントにご活用い ただいています。現在、国内では関東エリアの1,000世帯・関西エリア100世帯、地上波/MX/BSの全番組 を計測しています。TVISIONでは「新しいデータによってメディアマーケットを圧倒的に進化させる」 というミッションのもと、テレビの価値をアテンションデータによって顕在化しています。