シュローダー、アジア・パシフィック地域の顧客向けカンファレンス 「APAC インベストメント・カンファレンス」をオンライン開催
「ゼロ時代」の資産運用について討論
シュローダー(本社:英国 ロンドン)は、6月29日と30日の2日間、アジア・パシフィック地域のお客様を対象としたAPACインベストメント・カンファレンスをオンライン開催しました。金融業界の専門家やビジネスリーダーを招き、#TheZeroをテーマに、世界的な超低金利そして温室効果ガス排出量実質ゼロ「ネットゼロ」を目指すという「ゼロ時代」においてサステナブル投資を推進するため、投資家にはどのような選択肢があるのかについて議論しました。特に、プライベート・マーケット、中国経済、テーマ型投資、エネルギー転換、気候変動に焦点を当て、意見を交わしました。初日のパネルディスカッションでは、シュローダー・チャイナの会長であるセバスチャン・ウッドが、シュローダー CIO兼マルチアセット・グローバル・ヘッドのヨハナ・カークランド、サステナビリティ・ストラテジー・ヘッドのハンナ・シモンズとともに、著名なゲストを迎え、投資家は「ゼロ時代」における課題をどのように解決できるのか、また、投資リターンを求める上でアクティブ運用とサステナビリティはどのような役割を果たすのか、などについて議論を行いました。パネリストは、「ゼロ時代」において投資家の指針となる解決策を中心に意見を交換しました。
シュローダー CIO兼マルチアセット・グローバル・ヘッド ヨハナ・カークランドは次のように述べました。
「低金利環境においてインフレ期待が高まりつつある中、幅広い資産を組み合わせて行うマルチアセット投資は、リスクをコントロールしながら投資リターンを高める有効な手段だと考えています。今の投資環境においては、成長期待の高まる環境の恩恵を受けつつ、インフレが加速した場合にも備えた資産配分を行うことが必要です。」
「プライベート・アセットはポートフォリオに加えることで投資リターンの向上が期待される資産の一つです。また、ディスラプションやイノベーションなどのテーマ型投資戦略にも魅力的な投資機会があると考えています。」
また、今後の投資環境を展望すると、「ゼロ時代」においてサステナビリティが中核となるという意見に、パネリスト全員が同意しました。
サステナビリティ・ストラテジー・ヘッド ハンナ・シモンズは次のように述べました。
「国連は、17の持続可能な開発目標(SDGs)を達成するためには、2030年まで、毎年約5兆米ドルを新たな技術や産業に投資する必要があると提言しています。さらに、サステナビリティに関する規制も整備が進んでおり、アジアではシンガポールと香港において気候関連を含む独自の分類に基づく規制について協議が行われています。」
「こうした状況は、企業にとって大きなチャンスにもリスクにもなり得ることは明らかであり、アクティブ運用会社としては、投資機会とリスクの特定が重要になります。資産運用が新しい時代に突入した今、伝統的な尺度であるリスクとリターンに加えて、企業が人々や環境に与えるインパクトを評価することが重要です。」
「シュローダーでは、ESG評価をすべての運用資産の投資プロセスに組み込んでいます。さまざまな独自ツールの活用により、サステナビリティに関わるリスクと投資機会をより深く理解し分析しようと試みています。これにより、サステナブルな社会に貢献し持続的に成長できる企業を特定し、魅力的な投資リターンをあげられると考えています。」
「未来を創るために必要なのは、行動を起こし、野心的な目標を達成することです。シュローダーは、情報開示を重視しています。企業がよりサステナブルな社会を創る存在へと移行していくために、私たちがどのような働きかけを行っているかを開示し、お客様とともにアクティブ投資の重要な役割を果たしていきたいと考えています。数年後に振り返ったとき、私たちは、自分たちがとった行動の重要性に気づくことでしょう。」
各セッションの概要は以下のとおりです。
■6月29日
パネルディスカッション:2021年は「ゼロ時代」の節目
シュローダー・チャイナの会長であるセバスチャン・ウッド、シュローダー CIO兼マルチアセット・グローバル・ヘッドのヨハナ・カークランド、サステナビリティ・ストラテジー・ヘッドのハンナ・シモンズが、著名なゲストを招いてパネルディスカッションを行いました。
ブレイクアウトセッション1:中国の投資機会
シュローダーのエコノミスト、デイビッド・リースと、アジア・エマージング・マーケット・クレジット・ヘッドのアンガス・ホイが、新型コロナを乗り越え堅調な中国経済や中国における魅力的な投資機会について議論しました。
ブレイクアウトセッション 2:「ゼロ時代」のテーマ型投資
シュローダー マルチアセット・インベストメント アジア副ヘッドの近藤敬子とマルチアセット・マネジメント アジア・ヘッドのジェイソン・ユーが、技術による破壊的創造、気候変動、ライフスタイル変化など、私たちの生活を一変させると同時に魅力的な投資機会をもたらすグローバルなテーマについて議論しました。
ブレイクアウトセッション3:温室効果ガスネットゼロへ向けて
シュローダー グローバル・リソース・エクイティ ポートフォリオ・マネージャーのアレックス・モンクが、エネルギーのバリューチェーン全体の大転換の過程で見られる幅広い投資機会について意見を述べました。
基調講演:ゼロ時代における企業の役割
国連グローバル・コンパクト副議長で、元ユニリーバCEO、IMAGINEの共同創立者であるポール・ポールマン氏による講演では、人と地球が直面する重大課題への取り組みにおいて、進捗を加速させるために企業はどのような役割を果たせるのか、また、投資家は何ができるかについて意見が述べられました。ポールマン氏は、気候変動と不平等は世界が直面するサステナビリティの二大課題であり、これらの問題解決に向けて、より一層の取り組みを行うことが企業環境への利益となると指摘しました。
■6月30日
パネルディスカッション:「ゼロ時代」にどこに投資リターンを求めるのか
シュローダー アジア・パシフィック共同ヘッドのクリス・デュラックが、資産運用業界の専門家とともに、今後のポートフォリオ構築のあり方や、プライベート・マーケットへの投資、エネルギー転換やヘルスケア・イノベーションなど急成長分野の考察、中国などエマージング市場における投資機会など、「ゼロ時代」において投資家がとり得るさまざまな手段について議論しました。
パネルディスカッション:ウェルスソリューションの未来
シュローダー グローバル・プライベート・バンク・ディストリビューション アジア・ヘッドのチャック・ングが、シュローダー ポートフォリオ・ソリューション・ヘッド アンドリュー・コーネルや著名ゲストと共にパネルディスカッションを行いました。
以上
■シュローダー・グループのESGの取組み
「質の高いコーポレートガバナンス体制を確立し、本業を通じて、環境や社会の変化および課題解決に対応する企業は、長期的に企業価値の向上と持続的成長が期待できる」という考えのもと、シュローダーは20年以上、ESGの要素を取り込んだ運用を実践しています。
ESGの観点を加味した運用を通じて、社会や環境にインパクトを与える真の企業価値向上を促すと同時に、社会や経済全体の利益となり、投資収益の拡大にも繋がることを目指しています。
■シュローダー・グループの概要
シュローダー・グループは、資産運用サービスを通じてよりよい未来への貢献を目指す、英国屈指の独立系資産運用グループです。ロンドン証券取引所に上場しています。1804年の創業以来200年以上にわたり、年金基金から機関投資家、個人投資家まで、世界の投資家に、長期的な視点に立ち幅広い投資ソリューションを提供しています。現在、運用資産総額は約81兆円*に上ります。
日本とのかかわりは古く、1870年(明治3年)、日本初の鉄道敷設のために日本政府が初めて発行した国債の主幹事を、シュローダーが務めたことにさかのぼります。1974年には東京事務所を開設し、日本における事業の本格的な第一歩を踏み出しました。幅広い資産運用サービスを提供する現在も日本株式運用を事業の中核の一つに据え、約150年前と同様、日本の未来への投資を通じて歴史を紡いでいます。
※2020年12月末現在。*5,744億英ポンド、1英ポンド=141.13円換算
※本資料におけるシュローダー・グループとは、シュローダーplcを直接もしくは間接的に親会社とする会社などを言います。