NTTグループ保有不動産を1棟利活用 築47年のNTT東日本通信ビルを複合施設へコンバージョン(※)

NTT東日本

これまでの「通信」発信基地局に加え、地域参加型の「文化」発信基地局の機能を付加
7月3日(土)、川崎・高津に複合施設「BOIL」誕生

 NTTアーバンソリューションズ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 中川 裕)、NTT都市開発株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 辻上 広志)、東日本電信電話株式会社(神奈川事業部:神奈川県横浜市中区、執行役員神奈川事業部長 中西 裕信、以下「NTT東日本」)およびリノべる株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 山下 智弘)は、このたび、川崎市高津区でNTT東日本が所有する築47年の通信ビル「NTT溝ノ口ビル」の事務棟のコンバージョンを実施いたしました。運営を行う地元企業・株式会社NENGO(本社:川崎市高津区、代表取締役社長 的場 敏行)とともに地域に開いた複合施設・通称「BOIL(ボイル、以下BOIL)」として2021年7月3日(土)にオープンいたします。
 
施工前のNTT溝ノ口ビル(左)とBOILの外観イメージパース(右)


▼本プロジェクトの背景
▽「通信」発信基地局に加え、地域参加型の「文化」発信基地局の機能を付加
 2019年12月、NTT都市開発とリノベるは資本・業務提携を行いました。 これは、リノベーションやコンバージョンを通してNTTグループ保有不動産を含む社会ストックの利活用を推進し、地域社会が抱えるさまざまな課題の解決や地域活性化を目的としたものです。

 今回コンバージョンを行った通信ビル「NTT溝ノ口ビル」は、1974年の竣工時より、通信技術で地域の発展を支えてまいりました。一方で、近年は業務効率化等により事務棟建物内に余白が生まれていました。この余白を生かして地域を支え続けたいという想いからコンバージョンを行い、これまでの「通信」発信基地局の機能に、地域参加型の「文化」発信基地局という機能を付加、バリューアップを行いました。

 「NTT溝ノ口ビル」事務棟の複合施設へのコンバージョンは、NTT都市開発とリノベるが協業するNTTグループ保有不動産の1棟コンバージョンの第一号案件となります。NTTグループの不動産利活用を一元的にコーディネートするNTTアーバンソリューションズを窓口に、不動産開発を行うNTT都市開発が事業主体となり、NTT東日本が所有するビルの利活用を計画、リノベるは総合企画から設計施工、サブリース、運営マネジメントを担当いたします。また、地元企業との協業として川崎市を基盤とするNENGOに打診を行い運営に参画いただきました。

▼プロジェクト概要
▽コンセプトは成長と文化を意味する『gro-cul』
 『gro-cul』は、成長を意味する「grow」と文化「culture」を組み合わせた造語です。これからの時代に、地域の皆さまとともにカルチャーを育み、成長し続け影響力を生み出せる街づくりをめざします。運営コンセプトは「BOIL」としました。溝の口という地域とともにコミュニティも建物も成長し、ここに集う全ての方たちの想いが熱く沸騰する場になって欲しい、そんな思いから建物の愛称を”BOIL ”と名付けました。

 近年ではストリートカルチャーのひとつ、ブレイクダンスの聖地とも言われている溝の口。BOILでは音出し大歓迎のスタジオを用意し、2024年パリ五輪の追加種目として注目を集めるブレイクダンスの発展を後押しします。また、新しいカルチャー創出のひとつとして溝の口初のブルワリー(ビール醸造所)も今秋にオープンする予定です。地域に根付いてきた文化と歴史を物語る既存の建物、ワークスタイルの変化とこれに対応するコワーキングスペース、ライフスタイルの多様化と地域に根差した教育など、さまざまな要素を掛け合わせることで建物を街に開き、カルチャーが生まれ育まれる基地をめざしたいと考えております。
 

▽様々なスタジオが集まる場所『Studio Complex』をコンセプトとしたデザイン
 通信施設としての象徴的な意匠を最大限に活かし、「スタジオ」をキーワードとして、建物内外におけるコンテンツにつなげました。キーとしたのは、溝の口の新たな文化であるブレイクダンスを存分に楽しんでいただけるダンスタジオです。防音・防振の観点から閉鎖的なボックスになることを逆手に取り、他の各機能も「スタジオ」としてボックス状の設えを多用することで、さまざまなスタジオが集合するような雰囲気を創り出しました。

▽既存の躯体を活かした計画
 元来インフラ施設としてつくられた堅牢な構造躯体により、9m×24mの大空間やコンバージョンを可能とし、可変性が高い空間を実現しました。

 解体工事の際、窓枠の上部に現れたさび止め塗装の鮮やかなオレンジ色。これをエントランスの庇や家具のアクセントカラーとしました。天井は躯体あらわしとすることで、高さを活かした開放的な空間を実現。またタイル貼りの重厚感のある外観に合わせ、無垢材を中心とした素材を選定しております。既存の内装の名残を感じていただくため、既存の天井高に合わせて壁を立ち上げるなど、既存の建物の状態を活かして歴史を尊重すると同時に、新しいものを取り入れ、街に開くデザインとしました。

 NTTアーバンソリューションズグループとリノベるは、今後もリノベーションやコンバージョンを通したNTTグループ保有資産を含む社社会ストックの利活用を図り、持続可能な地域社会の実現に寄与してまいります。

※リノベーション(機能・価値の再生のための包括的な改修)の中でも特に用途変更を伴う改修

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