「乳白色の肌」で知られる藤田嗣治が描いた、あざやかな旅の記憶「フジタ ― 色彩への旅」

ポーラ美術館

ヨーロッパ、中南米、北米からアジアへ 画家の目がとらえた風景をたどる

ポーラ美術館(神奈川県・箱根町)は、4月17日(土)― 9月5日(日)に、「フジタ ― 色彩への旅」展を開催いたします。

世界的な画家になることを夢みて1913年、26歳で渡仏したレオナール·フジタ(藤田嗣治、1886-1968)は、旅先で目にした風景や人物、異国の歴史や風俗などに創作のインスピレーションを求めました。1920年代にパリの女性をモデルに「乳白色の肌」を完成させ、パリ画壇の寵児となったフジタは、その後、旅によって新たなモティーフや群像表現のための構図と、色彩豊かな表現手法を開拓していきます。

本展では、フジタの旅とそれにともなう色彩の変遷に焦点をあて、フジタの生涯の旅路と画業の展開をあらためてご紹介します。

おもな作品画像はこちらからご覧いただけます。
https://www.polamuseum.or.jp/news/pressrelease/2021/2021021501/

■みどころ
1. 世界を旅した画家フジタ 色あざやかな作品が集結

フジタといえば「パリ」や「乳白色の肌」、「猫」などを連想しますが、実は1930年頃から世界中を旅し、旅先をアトリエとして色彩豊かな作品を数多く描きました。とりわけ1930年代前半から中頃までの中南米や日本国内、中国への旅では、その土地の歴史や風俗、民具、建築などへの関心を高め、現地でのスケッチや旅先で撮影した写真、自ら収集した民俗資料などを画面に取り込むことによってオリジナリティーに溢れる絵画を制作しました。

2.新収蔵の作品3点を初公開 「乳白色の肌」の誕生
ポーラ美術館は2019-2020年度に、「乳白色の肌」の手法による2点の油彩画(《坐る女》、《イヴォンヌ・ド・ブレモン・ダルスの肖像》)と、連作「小さな職人たち」の中の1点である《猫のペンション》を新たに収蔵しました。
特に、1921年制作の《坐る女》は「乳白色の肌」の技法を編み出して間もない頃の肖像画であり、滑らかな絵肌と墨による繊細な輪郭線、柔らかなぼかしによって素朴な雰囲気の漂う作品であり、1922年のサロン・デ・ザンデパンダン展に出品された可能性の高い、フジタの初期の代表的な作品の1点です。

3.フジタのアパルトマンを彩った壁面を再現!連作96点を一挙公開
連作「小さな職人たち」は、フジタが戦後パリで暮らしたアパルトマンの壁を飾るために制作した色彩豊かな壁画です。15センチメートル四方の各パネルには、かわいらしい子どもたちが、古き良きパリの職業人たちに扮する主題などが油彩で描かれています。フジタは手仕事に打ち込む名もなき職人(アルティザン)たちの姿に自らを重ねていました。ポーラ美術館では、115点ほど飾られていたパネルのうちの96点を収蔵しています。今回の展示では、この作品群を一挙公開します。

4.フジタが旅先で集めた旅の品々、撮影した写真も展示
フジタは訪れた国々の歴史や風俗、生活用具、家屋などに関心を寄せ、仮面や土偶、玩具などを買い集めました。また、現地の人々の営みに興味を抱き、しばしばそれらをファインダー越しにとらえました。本展ではフジタが収集した品々のほか、1930-1940年代に中南米~日本を中心に撮影された写真を厳選してご紹介します。
マドレーヌ・ルクー《フジタの肖像》1931年 メゾン=アトリエ・フジタ

■開催概要
・会    期:2021年4月17日(土)ー 2021年9月5日(日) 会期中無休
・出品点数:約220点 (会期中に展示替えあり)
・協   力:公益財団法人平野政吉美術財団
・開館時間:9:00~17:00(最終入館は16:30)
・所 在 地:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
・T  E  L:0460-84-2111

■入館料
大人1,800円、シニア割引(65歳以上)1,600円(他の割引との併用不可)
大学・高校生1,300円、中学生以下 無料
※団体15名様以上割引 ※上記料金で常設展示もご覧いただけます。

■同時開催
[HIRAKU Project vol. 11]
・岡田杏里「Soñar dentro de la tierre/土の中で夢をみる」
旅する画家が日本とメキシコで制作した作品(新作を含む)をご紹介します。
縦75cm×横75cm のカンヴァスを33点ほど組み合わせて実現される、壁画のインスタレーションが見どころです。

[常設展示]
・モネ ― 光のなかに (会場構成 : 中山英之)
・ポーラ美術館の名作絵画
・ラファエル・コランと黒田清輝 ― 120年目の邂逅
・近代陶芸 陶芸家たちの古典復興

■ポーラ美術館について
2002 年に「箱根の自然と美術の共生」をコンセプトに神奈川県箱根町に開館。印象派から20世紀にかけての西洋絵画を中心としたコレクションを核とする展覧会を開催する一方で、同時代の表現も積極的に紹介するなど、さまざまな取り組みを行っている。富士箱根伊豆国立公園という立地を生かした遊歩道では四季折々の豊かな自然を楽しめる。

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