- PillCam(r) COLONの日常の臨床適用に関する最初のガイドラインをESGEが承認。潰瘍性大腸炎患者の粘膜炎症の外来検査、および家族性大腸がんのスクリーニング検査において、PillCam(r) COLONは扁平上皮腫瘍の検出に有用であることを示す新しいデータが発表される -
※このプレスリリースはギブン・イメージング社2011年10月25日の発表を翻訳したものです
※(r) (tm)=registered mark / trademark=登録商標
ギブン・イメージング社(NASDAQ: GIVN、イスラエル・ヨクネアム)は本日、10月22日~26日にスウェーデン・ストックホルムで開催されている欧州最大の消化器病会議である欧州消化器病週間(UEGW)2011会議において、PillCam(r) COLONカプセル内視鏡に関する複数の臨床試験の結果が報告されたと発表しました。ギブン・イメージング社はこの会議期間中、ブース番号A08:30で機器展示を行っています。
イタリア・ローマのカトリック大学消化器内視鏡科のDr. Cristiano Spadaは、「大腸用カプセル内視鏡検査(CCE)の導入と臨床適用に関する最初のガイドライン」について昨日口頭発表し、このガイドラインが欧州消化管内視鏡学会(ESGE)の医療方法論と合致しているとして承認されました。31名の消化器病専門医からなる専門家会議が開催され、17点の研究論文が評価され、その結果、大腸用カプセル内視鏡検査の日常の臨床適用に関する包括的なフレームワークを形成する16の声明文が採択されました。これらの声明文は主に、(1) 適応と禁忌、(2) 大腸の前処置、(3) レポート/精密診断、(4) 検査手技に焦点が当てられています。PillCam(r) COLONに関するこのコンセンサスガイドラインは現在、論文化のため学術専門誌に提出されています。
Dr. Cristiano Spadaは次のように述べています。
「PillCam(r) COLONカプセル内視鏡検査は、非侵襲的に大腸を可視化する画期的な検査手技であることが、すでに数多くの研究で示されています。私たちは、この大腸用カプセル内視鏡検査を、臨床現場に適切に組み入れるための指針を広く世界の医療界に指し示すために、このガイドラインを作成しました。」
【PillCam(r) COLONに関する試験のポスター発表】
PillCam(r) COLONカプセル内視鏡検査の臨床適用に関する新しいデータが、4件のポスター発表で臨床医によって報告されました。
* 国立がん研究センター(東京)のDr. Y. Kakugawaは、「Evaluation of Detectability for Flat Tumors Using Colon Capsule Endoscopy(扁平上皮腫瘍に対する大腸用カプセル内視鏡の検出能の評価」と題したポスター発表(P0123)で、大腸の適切な前処理および専門医によるビデオ画像の慎重な読影によって、大腸用カプセル内視鏡はほとんどの大腸病変を検出できることを確認しました。従来の大腸内視鏡検査では、大腸への送気によって平坦病変の検出は通常難しいとされています。
* 香港中文大学(中国)医学院のDr. J.J. Sungらは、「The Use Of PillCam(r) COLON In Assessing Mucosal Inflammation In Ulcerative Colitis: A Multi-Center Study(潰瘍性大腸炎の粘膜炎症の評価におけるPillCam(r) COLONの使用:多施設共同試験)」と題したポスター発表(P1062)を行いました。この発表では、大腸用カプセル内視鏡(CCE)で可視化した粘膜の外観から活動性の潰瘍性大腸炎と非活動性の潰瘍性大腸炎を識別できるかどうかを100例の患者で検討した多施設共同試験を終了し、その結果、活動性大腸炎に対するCCEの検出感度は89%(95% CI 85% > 93%)、特異度は75%(95% CI 57% > 87%)であったと報告しました。また、大腸炎に対するCCEの陽性予測値および陰性予測値はそれぞれ93%と65%でした。報告者らは、CCEは潰瘍性大腸炎に対して高い検出精度が見込める安全な検査手技であると結論しています。
* スペイン・バルセロナのデルマル病院消化器科のDr. M. Alvarezらは、「Colon Capsule Endoscopy Compared to Colonoscopy for Familial Screening of Colorectal Cancer(家族性大腸がんのスクリーニング検査における大腸用カプセル内視鏡検査と大腸内視鏡検査の比較)」と題したポスター発表(P1152)で、大腸がん(CRC)の高リスク患者に対する大腸用カプセル内視鏡検査のCRC診断率を大腸内視鏡検査と比較し、加えて腸管洗浄剤Moviprepによる大腸の清浄度を評価した試験結果を報告しました。互いに盲検化した内視鏡医が、カプセル内視鏡検査と大腸内視鏡検査を同日に実施しました。この試験に組み入れた41例の患者はいずれも、60歳前にCRCと診断された一等親血縁者を1人、または年齢を問わずCRCと診断された一等親血縁者または二等親血縁者を2人以上持っていました。Moviprepによる清浄度はおおむね許容範囲であり(77.5%)、処置レジメンの忍容性は非常に良好であったことが患者から確認され、大腸用カプセル内視鏡検査は、家族性CRCスクリーニング検査において正確で安全な代替検査手技であると、報告者らは結論付けています。
* イスラエルのビクール・ホリム病院消化器科のDr. Samuel Adlerらは、「Capsule Colonoscopy with PillCam(r) COLON 2 Is Feasible as an Outpatient Procedure(PillCam(r) COLON 2によるカプセル内視鏡検査は外来検査に適している)」と題したポスター発表(P0534)で、外来検査における大腸用カプセル内視鏡検査施行の有効性を評価した結果を報告しました。試験への組み入れ基準および除外基準、ならびに大腸の前処置は、既報の多施設共同試験と同じでしたが、PillCam(r)レジメンに必要となる追加的な下剤服用の時期を、アラートで患者に知らせる新しいデータレコーダ(DR3)が用いられました。患者は、PillCam(r) COLON 2カプセル内視鏡嚥下後、15分で病院から帰宅しました。患者の誤操作によってエラーメッセージを発した1症例を除き、データレコーダDR3は適切な間隔で、手順を知らせるアラートの自動発信を始めました。試験適格患者28例中20例(71%)で所見を確認し、大腸がん1例を含めて5例は、その後に大腸内視鏡を施行することになりました。このパイロット試験の報告者らは、PillCam(r) COLON 2は医師の監督下における外来検査に使用可能であると結論しています。
■大腸ポリープについて
大腸ポリープには一般的に2つのタイプがあります。ひとつは、がんへと進展する腺腫性ポリープ、もうひとつは、がんへの進展は稀な、通常5 mm以下の過形成性ポリープです。(1) 腺腫性ポリープの場合、悪性へと変化する確率はポリープのサイズと相関しています。(2) ポリープが大きくなれば、がんへと進展する可能性が高まり、2 cmを超えている場合はすでにがん化している可能性があります。(3)
(1)
http://www.mayoclinic.com/health/colon-polyps/DS00511/DSECTION=causes
(2)
http://emedicine.medscape.com/article/367452-overview
(3)
http://www.asge.org/PatientInfoIndex.aspx?id=396
■大腸がんについて
下部消化管である大腸(結腸)に発現するがんを大腸がん(結腸がん)と呼び、大腸の最下部15 cmほどの部位に発現するがんを直腸がんと呼びます。これらを総称して大腸がん、または結腸直腸がんと呼びます。大腸がん(結腸直腸がん)は、結腸または直腸の内側を覆っている細胞が異常を起こし制御不能となって増殖すると発現します。結腸直腸がん検査に関する啓蒙が広く行われているにもかかわらず、その検査受診率は依然として低く、米国では受診すべき患者の半数しか大腸内視鏡検査を受けていません。(4) 米国立がん研究所によると、米国では年間147,000人が大腸がんと診断されています。(5) また、ヨーロッパと日本においても大腸がん検査の受診率は低く、毎年100万人が大腸がんと診断され、60万人が大腸がんで死亡しています。
(4)
http://www.cdc.gov/cancer/colorectal/statistics/screening_rates.htm
(5)
http://seer.cancer.gov/statfacts/html/colorect.html
■PillCam(r) COLONについて
PillCam(r) COLON 2カプセル内視鏡には、2台の小型カラービデオカメラ(両側に1台ずつ)、バッテリー、LED光源が装備され、サイズは11mm×31mmです。患者がPillCam(r) COLON 2を嚥下すると、約10時間にわたって毎秒最高35枚の画像が撮影され、患者に装着した記録装置に転送されます。この記録装置からコンピュータにデータが転送され、RAPID(r) ソフトウェアを使ってビデオ画像として編集され、医師がPillCam(r) 検査の結果を評価・報告することができます。
すべての医療処置にはリスクが伴います。PillCam(r) カプセル内視鏡には、カプセルの滞留と誤嚥、皮膚刺激のリスクがあります。PillCam(r) COLONカプセル内視鏡は検査のために患者に処方する薬剤、すなわち現在大腸用内視鏡検査に使用されている薬剤に伴うリスクや、カプセル内視鏡が予定外に高速に消化管を通過するなどの追加的なリスクを伴います。また、臨床試験では確認し得なかった未知のリスクを伴う可能性もあります。合併症が発生した場合は、医療的、内視鏡的、外科的介入が必要になることがあります。
■ギブン・イメージング社について
ギブン・イメージング社は、2001年にカプセル内視鏡という新たな分野を切り開いて以来、消化管診断ツールの世界的リーダーとして、消化管の可視化、診断、モニタリングのための画期的な幅広い製品を医療従事者に提供しています。ギブン・イメージング社は、小腸、食道、大腸(大腸用カプセル内視鏡PillCam(r) COLONは米国では未認可)を撮像するPillCam(r)(r)カプセル内視鏡をはじめ、業界をリードする高解像度マノメトリのManoScan(tm)、ワイヤレスのBravo(r) pHシステムの、Digitrapper(r) pH、各種インピーダンス製品など、広範な製品ポートフォリオを取り揃えています。ギブン・イメージング社は、消化管領域に画期的なイノベーションを起こし、消化管領域が抱える臨床ニーズを満たすことに取り組んでいます。ギブン・イメージング社の本社はイスラエルのヨクネアムにあり、米国、ドイツ、フランス、日本、オーストラリア、ベトナム、香港に子会社があります。
詳細については、
http://www.givenimaging.com をご覧ください。
■日本法人 ギブン・イメージング株式会社について
ギブン・イメージング株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:河上正三)は、世界で初めてカプセル内視鏡を開発し、現在世界のカプセル内視鏡市場において豊富な経験を持つギブン・イメージング社(Given Imaging Ltd. 2001年NASDAQ 上場)の日本法人であり、日本におけるカプセル内視鏡の製造販売会社です。
http://www.givenimaging.co.jp
注)日本では、PillCam(r) SB およびPillCam(r) SB 2カプセル内視鏡(小腸用)が承認されています。大腸用のPillCam(r) COLON、およびPillCam(r) COLON 2、食道用のPillCam(r) ESO 2は承認されておりません。
また、患者さん向けの情報サイトとして、「カプセル内視鏡 飲むだけドットコム」を運営しており、カプセル内視鏡と小腸疾患に関する情報を提供しています。
http://www.nomudake.com