・調査したクローン病患者の72%が、モニタリングにおける放射線の長期的影響を懸念
・症状の有無に関わらず、病態のモニタリングを受けているクローン病患者様はたったの19%
ギブン・イメージング社(NASDAQ: GIVN、イスラエル・ヨクネアム)は、本日2012年12月4日、クローン病患者様を対象に、患者様の病態理解度、医師による病態管理方法、ならびに疾患活動性の臨床検査における最懸念事項をオンライン調査した『Crohn's Voices』の結果を発表しました。『Crohn's Voices』調査で明らかになった主な知見は、75%もの患者様が、繰り返し行われるクローン病の評価方法において最も重要なことは、医師が患者様の消化管をより詳細に観察できるかどうかであると考えていることや、鎮静剤や放射線を必要とするモニタリング方法には大きな懸念を抱いていることでした。さらにこの調査では、クローン病の症状の有無に関わらず臨床状態の検査を定期的に受けている患者様は、ほんの19%であったことも示されました。
ニュージャージ州モリスタウンのGoryeb小児病院のJoel Rosh, MDは次のように述べています。
「『Crohn's Voices』調査はクローン病患者様の病態理解度について、そして疾患活動性を定期的にモニタリングすることの価値を、患者様と医師がじっくり話し合う必要性について有益な見識を与えてくれています。また、調査した患者様が鎮静剤や放射線のリスクを懸念していることから、消化管を直接観察できる検査方法の選択肢についても、医師と患者様が話し合う必要があります。」
クローン病は消化管の至るところに発生する慢性かつ進行性の炎症性腸疾患で、生涯にわたって続く疾患のひとつです。クローン病症例の75%は小腸に病変を認めます1。しかし、小腸は従来、消化管の中でも可視化が難しいにも関わらず、クローン病の進行をモニタリングして正しく評価する上で避けて通れない部位でもあります。
たとえ症状が現れていなくとも、クローン病患者様の疾患進行を継続的にモニタリングして評価することが、この生涯にわたって続く疾患管理の重要ポイントとなります。クローン病は症状に変化が見られなくとも進行する疾患であり、症状が長期間顕在化していなくとも活動性であり続け得る疾患です。
■Crohn's Voices:モニタリングの価値に関する患者意識
症状がない場合でも病態をモニタリングすることが非常に重要となりますが、『Crohn's Voices』調査では、症状に変化が見られたときにのみ、経過観察時や検査時に病態の評価またはモニタリングを受けているという患者様は45%でした。事実、症状の有無に関わらずモニタリング検査を定期的に受けているクローン病患者様はほんの19%でした。しかし、症状に変化が見られなくとも病態が悪化することもあることを知らせると、モニタリングを定期的に受けたいとする患者様はその3倍の64%に上りました。
■クローン病のモニタリングにおける放射線などに対する懸念
放射線を使った画像診断法はクローン病の疾患活動性の評価に一般的に使用されていますが、患者様の健康に害を及ぼす可能性があり、CTスキャンに伴う放射線曝露によりがんを発症するリスクは1,000人に1人というデータも発表されています2。
『Crohn's Voices』調査では、病態を評価するさまざまな検査手技についての考えをクローン病患者様に尋ねています。その結果、一部のモニタリングで行われる放射線曝露に対する懸念を「中~高」と答えた患者様が62%、モニタリングにおける放射線の長期的な影響を懸念すると答えた患者様が72%、モニタリングをこれからもずっと行っていかなくてはならないことに対する懸念を「中~高」と答えた患者様が50%、一部のモニタリングで必要となる鎮静剤の使用に対する懸念を「中~高」と答えた患者様が50%でした。
■患者様が求めるモニタリング法
『Crohn's Voices』調査ではまた、患者様の臨床状態の評価方法として望まれるものは何かについても尋ねています。その結果、消化管をより鮮明に観察できるツールを医師に使用してもらいたいと強く考えている患者様が75%でした。
さらに、鎮静剤の使用や放射線の曝露を必要とせず、モニタリング時拘束されることなく診療室を離れて自由に過ごすことができるモニタリング法を強く望む患者様は大半の75%に上りました。
Joel Rosh, MDは次のように述べています。
「これまで小腸の大部分はX線でしか可視化できず、それでいて診断上重要な細部まで観察できないどころか、患者様に害を及ぼす可能性のある放射線を曝露せざるを得ませんでした。しかし、PillCam(r) SBのようなカプセル内視鏡技術は消化管の内壁を鮮明に観察できる非侵襲性の検査手技を可能にします。放射線を照射することなく、疾患活動性や治療効果を簡単かつ正確にモニタリングできるツールです。患者様と医師は定期的なモニタリングの重要性や利用できるすべてのモニタリング法について率直に話し合うべきです。」
1 Engstrom PF, Goosenberg EB, Diagnosis and Management of Bowel Diseases. Caddo, OK: Professional Communications Publisher; 1999.
2 ECRI Institute CT Scanning Systems Infographic White Paper 2012
https://www.ecri.org/Forms/Pages/CT-Scanning-Systems-Infographic-White-Paper.aspx
■『Crohn's Voices』調査について
『Crohn's Voices』は、クローン病患者様を対象にした非盲検調査で、ギブン・イメージング社が支援し、独立系調査会社のResearch Nowが実施しました。2012年11月、米国に在住する102人のクローン病患者様を対象に、患者様の疾患理解度、モニタリング法、モニタリングで一番懸念されることをオンライン調査しました。調査に参加した患者様は、参加に当たって購入ポイントという形で僅かな報酬を得ています。
■PillCam(r) SBについて
PillCam(r) SBカプセル内視鏡は、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病、原因不明の消化管出血(OGIB)に関連する病変の可視化とモニタリングを可能にする侵襲性の最も低い診断手技を提供します。
PillCam(r) SBカプセル内視鏡のサイズは11mm x 26mmで、重量は4グラム未満です。現在の第二世代PillCam(r) SB 2は撮像カメラと光源を内蔵し、毎秒2枚の速度で画像を転送し、1回の検査で50,000枚以上の画像を撮影します。PillCam(r) SB カプセル内視鏡は、2001年に米国食品医薬品局(FDA)より認可を得て、その臨床適応は、1,800件以上の権威ある医学専門誌での論文によって臨床的に実証されています。2歳以上の患者様の小腸を可視化する非常に精度が高く、患者様にやさしいツールです。PillCam(r) SBは、小腸診断のゴールドスタンダードです。
PillCam(r)カプセル内視鏡には、カプセルの滞留と誤嚥のリスクがあります。PillCam(r) パテンシーカプセルには、カプセルの滞留と誤嚥のリスクがあります。合併症が発生した場合は、内科的、内視鏡的、外科的介入が必要になることがあります。
(写真=PillCam(r) SB 2 plusカプセル。11×26mmと大きめのビタミン剤程度。これまで80か国以上で170万人以上の使用実績があります)
■ギブン・イメージング社について
ギブン・イメージング社は、2001年にカプセル内視鏡という新たな分野を切り開いて以来、消化管診断ツールの世界的リーダーとして、消化管の可視化、診断、モニタリングのための画期的な幅広い製品を医療従事者に提供しています。ギブン・イメージング社は、小腸、食道、大腸を撮像するPillCam(r)カプセル内視鏡をはじめ、業界をリードする高解像度マノメトリのManoScan(tm)、Bravo(r) pHモニタリングシステムの、Digitrapper(r) pH-Zインピーダンス、SmartPill(r) 消化管モニタリングシステムなど、広範な機能性消化管障害関連製品を取り揃えています。ギブン・イメージング社は、消化管領域に画期的なイノベーションを起こし、消化管領域が抱える臨床ニーズを満たすことに取り組んでいます。ギブン・イメージング社の本社はイスラエルのヨクネアムにあり、米国、ドイツ、フランス、日本、オーストラリア、ベトナム、香港、ブラジルに子会社があります。
詳細については、
http://www.givenimaging.com をご覧ください。
■日本法人 ギブン・イメージング株式会社について
ギブン・イメージング株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:河上正三)は、世界で初めてカプセル内視鏡を開発し、現在世界のカプセル内視鏡市場において豊富な経験を持つギブン・イメージング社(Given Imaging Ltd. 2001 年NASDAQ 上場)の日本法人であり、日本におけるカプセル内視鏡の製造販売会社です。
http://www.givenimaging.co.jp
注) 日本では、PillCam(r) SB 、PillCam(r) SB 2カプセル、PillCam(r) SB 2 plusカプセル内視鏡(小腸用)、および開通性評価用のPillCam(r) パテンシーカプセルが承認されています。大腸用のCOLON、およびPillCam(r) COLON 2、食道用のPillCam(r) ESO 2は承認されておりません。
また、患者様向けの情報サイトとして、「カプセル内視鏡 飲むだけドットコム」を運営しており、カプセル内視鏡と小腸疾患に関する情報を提供しています。
http://www.nomudake.com
※このプレスリリースはギブン・イメージング社2012年12月4日の発表を翻訳したものです
※(r) (tm)=registered mark / trademark=登録商標