ギリアド・サイエンシズ COVID-19治療薬として開発中のremdesivirの第III相臨床試験を開始

ギリアド・サイエンシズ株式会社

-中等度・重度のCOVID-19患者に対する安全性と有効性を評価する第III相SIMPLE試験で日本でも4月14日より投与開始-

ギリアド・サイエンシズ株式会社(以下「ギリアド」、本社:東京都千代田区、代表取締役社長ルーク・ハーマンス)は、中等度・重度のCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)患者を対象にremdesivirの安全性と有効性を評価する、2件の国際共同無作為化第III相臨床試験から成る試験プログラムである「SIMPLE試験」を、日本の複数の医療機関で実施し、4月14日よりremdesivirの投与が開始されたことを発表しました。

remdesivirは世界のいずれの国においても認可・承認されておらず、いずれの適応でもその安全性や有効性は確立されていません。

ギリアドの代表取締役社長ルーク・ハーマンスは、「ギリアドでは、remdesivir発見以来、10年以上にわたってその抗ウイルス活性について研究を続けてきました。現在、remdesivirがCOVID-19の治療薬となる可能性を検討しており、開発を早急に進めています。SIMPLE試験を通じ、remdesivirの安全性と有効性に関する重要なデータが、この数週間のうちに得られる見込みです。ギリアドは世界中のremdesivirの臨床試験を支援しており、日本での臨床試験を迅速に開始できるようお力添えくださった厚生労働省に感謝を申し上げます。」と述べています。

治験実施施設の1つである、横浜市立市民病院 感染症内科 立川夏夫医師は、「新型コロナウイルス感染症においては、まだ明確な治療薬の確立がなされていません。治療の確立は感染者の健康回復のみならず、“treatment as prevention(治療による予防)”として、新型コロナウイルス感染症の蔓延への重要な対策にもなります。今回、臨床試験としてremdesivirの効果を明確にすることは、新型コロナウイルス感染症対策において最も重要な研究の1つであると位置づけられます。」と述べています。

ギリアドのSIMPLE試験について
ギリアドのSIMPLE試験とは、2件の無作為化、非盲検、国際共同第III相臨床試験で構成されるプログラムで、remdesivirの2種類の静脈内投与レジメンの安全性と有効性を評価します。第1段階では、COVID-19陽性が確認された感染拡大国の入院患者およそ1,000人を対象とする予定です。

SIMPLE試験プログラムの2件の試験のうち、1番目の試験では、重度のCOVID-19症状を呈する患者を対象に、5日間および10日間のremdesivir静脈内投与レジメンの安全性および有効性を評価します。2番目の試験では、中等度のCOVID-19症状を呈する患者を対象に、標準治療に加えて5日間および10日間のremdesivir静脈内投与レジメンを併用した群の安全性および有効性を、標準治療のみの群と比較して評価します。

remdesivirについて
remdesivirは、マールブルグウイルス、MERSウイルス、SARSウイルスなど、複数種類の新興感染症病原体に対し、in vitroと動物モデルを用いた試験の両方で広範な抗ウイルス活性が認められている、開発中の核酸アナログであり、最近では抗エボラウイルス活性も判明しています。MERSやSARSの原因となるウイルス病原体もコロナウイルスの一種であり、COVID-19の原因となるSARS-CoV-2ウイルスと構造が類似しています。このCOVID-19原因ウイルスは新型のため、承認薬がなく、COVID-19治療に関連する臨床試験データもほとんどありません。ただし、remdesivirの、MERSおよびSARSに対する非臨床試験では、限られたデータではあるものの、抗SARS-CoV-2活性の可能性が示されています。remdesivirは開発中の治験薬であり、世界のいずれの国においても認可・承認されておらず、いずれの適応でもその安全性や有効性は確立されていません。

ギリアド・サイエンシズについて
ギリアド・サイエンシズ・インクは、医療ニーズがまだ十分に満たされない分野において、革新的な治療を創出、開発、製品化するバイオファーマ企業です。会社の使命は、生命を脅かす病を抱える世界中の患者さんのために医療を向上させることです。カリフォルニア州フォスターシティに本社を置き、世界35か国以上で事業を行っています。
ギリアド・サイエンシズに関する詳細については、同社ウェブサイト https://www.gilead.com/ をご覧ください。

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