第36回 ワークス大卒求人倍率調査(2020年卒)
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【大卒求人倍率1.83倍】企業の採用難続く
- 中小企業は新卒採用縮小、中途採用拡大-
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【全体】
来春2020年3月卒業予定の大学生・大学院生対象の大卒求人倍率は1.83倍と、前年の1.88倍より0.05ポイント下落。8年ぶりに低下したが、高水準を維持し、リーマン・ショックで求人倍率が大幅に低下した2010年卒以降で2番目の高さとなった。
従業員規模別に見ると、300人未満企業(中小企業)では8.62倍と、前年の9.91倍から1.29ポイントと低下も、依然として高水準。5,000人以上では0.42倍と、前年の0.37倍から0.05ポイント上昇。従業員規模間の倍率差は縮小。
【企業】
全国の民間企業の求人総数は、前年の81.4万人から80.5万人へと0.9万人減少(対前年増減率は▲1.1%)。背景には、中小企業が新卒採用難から新卒の求人総数を縮小し、中途採用を拡大したと考えられる。
【学生】
学生の民間企業就職希望者数は、前年43.2万人から44.0万人へと0.8万人増加(対前年増減率は+1.7%)*。求人に対して、36.5万人の人材不足。
* 正確には43万2,200人から43万9,500人への7,300人増加であるが、四捨五入によりここでは0.8万人と表記
注:比較可能な期間における値。従業員規模別は2010年3月卒より集計を開始
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【解説】
求人倍率について大手企業は上昇、中小企業は低下
中小企業の低下の背景は、求人数減少と志望者数増
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2020年3月卒の求人倍率を従業員規模別に見ると、300人未満企業は1.29ポイントの低下、また300~999人企業も0.21ポイント低下した。一方で、1,000~4,999人企業は0.04ポイント上昇、5,000人以上の企業も0.05ポイント上昇した。従業員規模間の倍率差は依然としてあるが、前年に比べ縮小している。
特に中小企業(従業員規模300人未満企業)の倍率低下の背景には、新卒採用難を理由に民間企業が新卒求人総数を減らし、中途採用により注力していることが考えられる。中途採用の見通しにおいて、2017年度から2019年度にかけて中途採用が「増える」と回答している企業が、「減る」と回答している企業を上回り、また2年連続増加している(+9.6%ポイント→ +12.7%ポイント → +13.6%ポイント)*。
また、もう一つの背景として、中小企業を志望する学生が増加している(前年比+11.6%)。中小企業においても学生を採用するためのさまざまな施策が、効果を発揮していると思われる。
* リクルートワークス研究所「中途採用実態調査」より
業種別に見ると、建設業と流通業で倍率が低下。建設業は6.21倍で前年より3.34ポイント低下し、3年前と同水準に戻った。流通業は11.04倍で前年より1.53ポイント低下。
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