業界初※、PCと電源1つで完結できるモータドライバ評価ツール「RAGU」を開発
ステッピングモータアプリ開発に、必要計測機器を大幅削減、評価機能も充実の革新的評価キットを提供
「RAGU® シリーズ」は、工数のかかるモータとモータドライバLSIの動作評価を簡単にするために開発された評価ツールで、メインボード、オプションボード、モータドライバLSIを搭載する各種DUTボード(評価ボード)、PC上で制御するためのアプリケーションソフトで構成されます。従来は、その評価に複数の電源装置、オシロスコープ、ファンクションジェネレータなど多くの計測機器(例えば8つ)が必要だったのに対し、RAGUを使えばPCと1つの電源だけで、評価の難しいシーケンス評価や温度評価まで、すばやく簡単に実施可能になり、モータとモータドライバLSIを採用するモータアプリケーション開発の劇的な効率化に貢献します。
RAGU第一弾となる今回は、RAGUの基幹となるメインボード「RAGU-main1-EVK-001」、オプションボード「RAGU-op1-EVK-001」に加えて、ステッピングモータドライバDUTボード「BD63725BEFV-EVK-002」のインターネット販売を、チップワンストップ、ザイコストア、アールエスコンポーネンツから行います。また、RAGUを使用するために必要なアプリケーションソフトやドキュメントは、ホームページからダウンロードできます。これらにより、複写機やプリンタなどのステッピングモータ駆動に最適な36V耐圧、出力電流定格2.5AのステッピングモータドライバLSI「BD63725BEFV」をすぐに評価・導入することができます。
今後もロームは、高機能・高信頼のモータドライバLSIおよびその評価ツールを開発することで、モータのシステム構築を容易にし、社会に貢献していきます。
<背景>
近年、モータと駆動部品の性能向上により、産業機器や民生家電に限らず、動く・回るあらゆるアプリケーションにモータが搭載されるようになりました。そして、モータアプリケーションの多様化・高機能化が進み、モータの生産台数は世界で年間100億台にものぼる一方で、評価が複雑になり、開発期間の短縮が大きな課題となっています。
ロームは、モータドライバLSIを30年以上開発するなかで、幅広いモータアプリケーションに対して製品と技術力に高い評価をいただいており、その実績を活かして課題を解決する新しいモータドライバ評価ツールを開発しました。
<インターネット販売情報>
販売ネット商社:チップワンストップ、ザイコストア、アールエスコンポーネンツ
<公開サポート情報>
ホームページ上で「RAGU」の導入に必要なデータを公開しています。
◆ドキュメント:アプリケーションソフト、ユーザーズガイド、使用説明動画
詳しくは下記URLをご覧ください。
https://www.rohm.co.jp/support/ragu
<ステッピングモータドライバLSI「BD63725BEFV」について>
◆主な特長・機能
- 電源定格36V、最大出力電流2.5A
- CLK-IN駆動方式対応
- PWM定電流制御方式(他励方式)対応
- FULL STEP, HALF STEP, QUARTER STEP対応
- 電流減衰方式切り替え機能搭載(FAST / SLOW DECAY比率リニア可変可能)
などの機能で、幅広いステッピングモータに対して、最適な制御状態を提供することが可能です。
◆アプリケーション例
- 複写機、プリンタ、産業機器などの用紙搬送部
- 監視カメラやWebカメラの駆動部
- ミシンの駆動部
など、一定間隔でデジタルに駆動するモータアプリケーションに最適です。
<RAGU用DUTボード対応ステッピングモータドライバLSIラインアップ>
<用語説明>
*1) ステッピングモータ
入力されるパルス信号(矩形波・方形波)の回数・速度によって、回転角度(停止位置)・回転速度を正確に制御できるモータのこと。ステッピングモータドライバLSIはステッピングモータに対して、求められるパルス信号を生成するデバイス。
※"RAGU®"はロームの登録商標です。
ロームは、1958年(昭和33年)設立の半導体・電子部品メーカーです。自動車・産業機器のほか、民生・通信など多様な市場に対し、品質と信頼性に優れたLSIやディスクリート、電子部品を供給するとともに、システム全体を最適化するソリューション提案を行っています。