バッテリ電圧変動に強い車載プライマリDC/DCコンバータ「BD9Pシリーズ」を開発

高速応答と高効率を両立し、アプリケーションの低消費電力化に貢献

<要旨>
ローム株式会社(本社:京都市)は、ADAS(先進運転支援システム)関連のセンサやカメラ、レーダー及びカーインフォテインメント、クラスター等に向けて、車載プライマリ(*1)DC/DCコンバータ(*2)「BD9Pシリーズ」全12機種を開発しました。

「BD9Pシリーズ」は、バッテリからの入力電圧が変動した際に安定した動作を可能とし、一般品と比較して電圧変動時の出力のオーバーシュートを1/10以下に抑制。これまでオーバーシュート対策に必要だった出力コンデンサの追加を不要としました。

また、新製品は、新たな制御方式の採用により、一般的に背反するといわれる高速応答と高効率を両立した電源ICです。高負荷時の電力変換効率を92%(出力電流1A時)とするだけでなく、軽負荷時の電力変換効率においても、85%(1mA時)を達成しており、軽負荷から高負荷まで業界トップクラスの高効率を実現しています。これにより、走行時だけでなく、エンジン停止時の低消費電力化にも貢献します。

さらに、新製品と、その後段に接続されるセカンダリDC/DCコンバータ「BD9Sシリーズ」を組み合わせることで、高効率かつ高速な車載用電源回路を構成できます。これらは、ロームが提案するリファレンスデザインとして、公式Webサイト上にも公開。リファレンスボードや各種ツール、そして無償Webシミュレーションツール「ROHM Solution Simulator」を活用することで、実使用に近いシミュレーションが可能であり、アプリケーション設計時の負荷を大幅に低減します。

なお、新製品は、2020年10月から月産5万個の体制で量産(サンプル価格500円/個:税抜)を開始しています。

今後もロームは、低消費電力化やシステムの高信頼化に寄与する製品を開発し、自動車の進化に貢献していきます。

<背景>
近年、自動車の電装化はますます進んでいますが、自動車のバッテリ及び発電機から供給できる電力には限りがあるため、低消費電力化が求められています。また、バッテリ及び発電機から出力される電圧は、大きく変動します。電力供給をコントロールする電源ICにおいては、安定動作に貢献する高速応答と、省エネに貢献する高い電力変換効率を両立することは困難でした。

新製品は、ローム独自の先端電源技術である「Nano Pulse Control(TM)※」を搭載すると共に、新たな制御方式を採用したことにより、背反する高速応答と高効率の両立を実現しており、各車載メーカーにおいても高く評価されています。
※Nano Pulse ControlTMは、ローム株式会社の商標または登録商標です。


<特長の詳細>
新製品は「Nano Pulse Control(TM)」により、非常に高い降圧比を実現したことに加えて、安定動作や高効率も可能にしたDC/DCコンバータです。車載信頼性規格AEC-Q100にも対応しており、厳しい車載環境においても高信頼性を確保しています。

1. バッテリ電圧変動時もオーバーシュートせず、安定動作可能
新製品は従来課題とされていた、出力設定電圧よりも入力電圧が低くなった状態から変動前の電圧に復帰した際の出力電圧のオーバーシュートについて、1/10以下に抑制します。一般品では、オーバーシュート対策として必要だった追加の出力コンデンサを不要とします。そのため、クランキング等で発生する突発的なバッテリ電圧変動時においても安定した機器動作が可能です。

2. 幅広い負荷電流で高効率を実現し、アプリケーションの低消費電力化に貢献
新製品は、一般的に背反するといわれる高速応答と高効率の両立を実現した電源ICです。
従来技術を搭載した電源ICでは、高速応答性を確保するために大きな駆動電流を流す必要があり、軽負荷時においては高速応答と高効率の両立が困難でした。新製品は、新たな制御方式による回路を搭載しているため、一般品より低い駆動電流で十分な高速応答が可能です。これにより、高負荷時の変換効率を92%(出力電流1A時)とするだけでなく、軽負荷時の変換効率においても、85%(1mA時)を実現。軽負荷から高負荷まで業界トップクラスの高効率を実現しているため、エンジン停止時と走行時のどちらにおいてもアプリケーションの低消費電力化に貢献します。

3. Nano Pulse Control(TM)が高い降圧比と安定動作を実現
新製品は、ローム独自の超高速パルス制御技術「Nano Pulse ControlTM」を搭載したことで、AMラジオ帯域(1.84MHz Max.)に影響を与えない2.2MHz動作を常時行いながら、最大で40Vの高電圧入力に対して、後段デバイスが駆動する3.3V~5.0Vクラスの安定出力を実現しています。また、スペクトラム拡散機能内蔵により、ノイズのピークを低減できるため、特に放射ノイズに対する要求レベルの高い車載アプリケーションに最適です。

4. セットの開発工数削減に大きく貢献するツール
ロームが公開するリファレンスデザイン及び「ROHM Solution Simulator」は、回路設計、基板設計、ノイズ設計、熱設計、シミュレーションの各設計段階で、セットの開発工数削減に大きく貢献します。

●リファレンスデザイン
新製品「BD9Pシリーズ」を含むリファレンスデザインは、ADAS/インフォテインメント機能に必要な電源系統をカバーしており、標準的な電気的特性の測定に加えて、EMCテスト、熱テスト等も実施済みです。また、評価レポートと同時に、設計データや搭載製品のシミュレーションモデル、PCB CAD用シンボルなど、各種ツールも公開しており、リファレンスボード「REFRPT001-EVK-001」を使うことにより、実機での検討も容易です。

リファレンスデザイン URL
https://www.rohm.co.jp/reference-designs/refrpt001

公開する各種ツール
  • 設計データ(回路図、BOM、PCBデータ等)
  • シミュレーションモデル(SPICEモデル、熱シミュレーション用モデル)
  • PCBライブラリ(CADツール用シンボル、フットプリント等)
●ROHM Solution Simulator
「ROHM Solution Simulator」は、パワーデバイス(パワー半導体)と駆動IC・電源ICなどを、ソリューション回路上で一括検証できるWebシミュレーションツールです。ロームは、新製品を含む、リファレンスデザインを切り出した形のリファレンス回路図を用意しており、各種ツールと合わせて開発をサポートします。

「ROHM Solution Simulator」 URL
https://www.rohm.co.jp/solution-simulator

<BD9Pシリーズの製品ラインアップ>
新製品は出力電圧3.3V、5.0V、可変タイプを揃えており、幅広い回路に対応することが可能です。


<アプリケーション例>
  • ADASのセンサ、カメラ、レーダー
  • カーインフォテインメント、クラスター、BCM(ボディコントロールモジュール)など
など自動車で小型化、高効率化、高信頼性が要求されるアプリケーション

<Nano Pulse Control(TM)について>
Nano Pulse Control(TM)は、ロームの垂直統合型生産体制において、「回路設計」「レイアウト」「プロセス」、3つの先端アナログ技術を融合することで実現する超高速パルス制御技術を指します。従来2つ以上の電源ICでしか構成できなかった高電圧から低電圧への電圧変換を、“1つの電源IC”で構成可能にしたことで、12V系電源システム(ガソリン車やxEVなど)や48V系電源システム(マイルドハイブリッド自動車や産業用ロボット、基地局のサブ電源など)で駆動するアプリケーションの小型化、システムの簡略化に大きく貢献します。

<用語説明>
*1)プライマリ(Primary)
電源ICにおいては、バッテリなどの電力源から見て1段目の変換を担当するものをプライマリと言い、その後の2段目の変換を担当するものをセカンダリと呼ぶ。

*2)DC/DCコンバータ
電源ICの一種で直流(DC)から直流へ電圧を変換する機能を持つ。
スイッチングレギュータとも呼ばれ、スイッチングにより出力電圧を生成する。一般的に電力変換効率に優れ、電圧を下げる“降圧”、電圧を上げる“昇圧”が存在する。

ロームは、1958年(昭和33年)設立の半導体・電子部品メーカーです。自動車・産業機器のほか、民生・通信など多様な市場に対し、品質と信頼性に優れたLSIやディスクリート、電子部品を供給するとともに、システム全体を最適化するソリューション提案を行っています。

本件に関するお問合わせ先
ローム株式会社
マーケティング・コミュニケーション部 製品プロモーション課
〒615-8585 京都市右京区西院溝崎町21
TEL(075)311-2121、FAX(075)311-1317

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この企業の情報

組織名
ローム株式会社
ホームページ
https://www.rohm.co.jp/
代表者
松本 功
資本金
86,969,000,000 万円
上場
東証1部
所在地
〒615-8585 京都府京都市右京区西院溝崎町21
連絡先
075-311-2121

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