横浜市立大学大学院医学研究科 免疫学 黒滝大翼講師や田村智彦教授らの研究グループは東北大学、東京大学、米国国立衛生研究所と共同で、感染防御やがん免疫に関わる貪食細胞の産生における遺伝子発現制御の分子メカニズムを解明しました。
◆研究成果のポイント
〇単核貪食細胞の分化過程におけるエンハンサーの状態の変化を明らかにした
〇単核貪食細胞のエンハンサーは前駆細胞(もとになる細胞)から徐々に準備されることがわかった
〇転写因子IRF8が単核貪食細胞の前駆細胞におけるエンハンサーの準備に必須であることを発見した
◆今後の展開
今回の解析結果から、造血前駆細胞が将来どのような細胞に分化するのかは、その時点での遺伝子発現よりもむしろエンハンサーの状態を知ることによってこそ、正確に把握できるとわかりました。この知見を応用することで、例えば白血病細胞など病的な前駆細胞のエンハンサーを解析し、その性状を正しく理解することで、新たな診断・治療法開発につなげられる可能性があります。また、単球や樹状細胞は生体防御に必須の役割を持ちますが、その過剰あるいは異常な活性化は自己免疫疾患を引き起こしたりがんを増悪させたりすることも知られています。私たちの解析データは、それらの疾患の理解や治療法の開発に役立つことも期待されます。
※研究成果の詳細については添付のPDFをご覧ください
<お問い合わせ先>
(本資料に関するお問い合わせ)
学術院医学群 免疫学 教授 田村智彦
TEL: 045-787-2614
E-mail: meneki@yokohama-cu.ac.jp
(取材対応窓口、資料請求など)
研究企画・産学連携推進課長 渡邊 誠
TEL: 045-787-2510
E-mail: kenki@yokohama-cu.ac.jp
【リリース発信元】 大学プレスセンター
https://www.u-presscenter.jp/