横浜市立大学 学術院医学群麻酔科学 東條健太郎助教、後藤隆久教授らの研究グループは、細胞の酸素センサー分子を阻害して解糖系によるエネルギー産生を促進することで、強い炎症による肺組織のエネルギー不足を軽減し、傷害から保護できることを明らかにしました。この発見は急性呼吸性促迫症候群(Acute Respiratory Distress yndrome: ARDS) に対する新たな治療アプローチとなる可能性があります。
研究成果のポイント
〇酸素センサー分子を阻害することで、解糖系によるエネルギー産生を促進し、炎症によるエネルギー不足から肺胞上皮細胞が死ぬのを防ぐ結果、ARDS マウスの呼吸不全が改善した。
今後の展開
本研究は「エネルギー代謝の制御により、ARDS による強い炎症の中でも細胞を生き延びられるようにできる」という新たな視点を提示し、解糖系という細胞のエネルギー代謝経路を活性化させることがARDS の新規治療アプローチになりうることを明らかにしました。本研究で用いた酸素センサー分子PHD の阻害薬は、現在慢性腎臓病における貧血の治療薬として、開発・治験が進められているところであり、それら薬剤のARDS への治療応用が期待されます。今後、臨床応用を進めるにあたり、薬剤の種類、投与経路、投与タイミングについてのさらなる検討を行っていく予定です。
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▼お問い合わせ先
(研究内容に関するお問い合わせ)
学術院医学群 麻酔科学 助教 東條 健太郎
TEL:045-787-2918 E-mail:ktojo@yokohama-cu.ac.jp
(取材対応窓口、資料請求など)
研究企画・産学連携推進課長 渡邊 誠
TEL:045-787-2510 E-Mail:kenki@yokohama-cu.ac.jp
【リリース発信元】 大学プレスセンター
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