革新のATI技術に加え、コンパクトかつスケーラブルな新パッケージの採用により、広帯域リアルタイム・オシロスコープの新基準を確立
報道発表資料
2015年3月26日
テクトロニクス(代表取締役 米山 不器)は、本日、超広帯域リアルタイム・オシロスコープで世界最高クラスとなる低ノイズ、高有効ビットを実現したDPO70000SX型70GHz ATIパフォーマンス・オシロスコープを発表します。この新しいオシロスコープは、数々の技術革新を搭載し、高速の光コヒーレント・システム開発をはじめとする最先端研究に携わる技術者や科学者の現在および将来の課題解決に効果を発揮します。
従来の超広帯域オシロスコープにないDPO70000SX型ATIパフォーマンス・オシロスコープの優れた技術革新は以下の通りです。
・世界初のATI(非同期タイム・インターリーブ、Asynchronous Time Interleaving)技術採用により、高い信号対ノイズ(S/N)比を確保し、優れた信号品質を実現。他のどのようなオシロスコープよりも正確な信号取込みと測定が可能
・200GS/sのサンプル・レート、5ps/サンプルの分解能により、優れた時間分解能とタイミング測定が可能
・小型パッケージングにより、解析のための柔軟な操作、観測機能は維持しながらもDUT(被測定デバイス)の直近に配置可能。 DUTとの距離が最短になり短いケーブルが使用できるため、非常に高い周波数であっても優れた信号品質を確保
• 複数台システムでの正確なデータ同期と容易な操作を可能にするUltraSync(ウルトラシンク)アーキテクチャにより、最高クラスの拡張性を実現。100Gや高速のコヒーレント光変調解析などのアプリケーションで重要なマルチチャンネル・タイミング同期のアクイジション要求に対応
テクトロニクス、パフォーマンス・オシロスコープ、ジェネラル・マネージャのブライアン・ライクは、次のように述べています。「光コヒーレント、ワイドバンド・レーダ、高エネルギー物理など、最先端のアプリケーションでは、周波数帯域以上のものが求められています。さまざまなお客様のニーズに合わせ、DPO70000SX型は主要スペックだけでなく、信号品質、柔軟性、スケーラビリティなどの重要な技術革新にも注力しました。これらの技術革新は、今後のオシロスコープのアーキテクチャに長く影響を与えるものと考えています」
<シグナル・インテグリティの課題>
高速データ・レートの製品/システムを開発すると、常にいくつものテスト課題に直面することになります。特に速度が増し、振幅が小さくなると、システム・ノイズは重要な信号の細部を隠してしまうため、大きな問題になります。DPO70000SX型オシロスコープでは、ATI技術により低ノイズ、低歪みで信号の細部が観測できるため、エンジニアは正確な測定とシステム動作の詳細な把握が可能になります。
従来、他の計測メーカでは超広帯域を実現するため、信号を高い周波数バンドと低い周波数バンドに分離し、別々にデジタイズするという周波数インターリーブ技術を使用してきました。このように周波数バンドを別々にデジタイズすると、ノイズを発生するだけでなく2つのバンドの再結合にあたって、位相、振幅などのミスマッチを解決するのは困難です。周波数インターリーブではなく、時間インターリーブを使用して高いサンプル・レートを実現している当社特許のATI技術では、信号の全スペクトラムを対称性に優れた信号経路ごとにデジタイズします。これによりスペクトラムの再構築にあたって、ノイズを大幅に低減することが可能です。
<UltraSyncによるスケーラビリティと確度>
高速のコヒーレント光アプリケーションでは、複数の計測器の正確なタイミング同期が求められます。UltraSyncは高性能な同期機能と制御バスにより、複数のDPO70000SX型オシロスコープを連携させ、このようなアプリケーションで必要になる正確で高速な複数チャンネル・アクイジションを可能にします。
UltraSyncには、通常の1台の計測器内でのチャンネル間ジッタと同等の固有アクイジション間ジッタを実現する12.5GHzのサンプル・クロック・リファレンスと、トリガ・バスが含まれています。さらに、解析のために拡張ユニットからマスタ・ユニットに波形を転送するための高速データ・パスも含まれます。個々のオシロスコープは取込んだ信号を完全に処理し、処理が完了した波形のみがマスタ・ユニットに送られますので、チャンネルをさらに追加してもパフォーマンスに影響を与えることはありません。UltraSyncでは光テスト・ソフトウェアによる複数アクイジション・システムにも対応しており、非常に正確な光変調解析を可能にしています。
<クラス最小のコンパクト・パッケージ>
システム構築の柔軟性向上のため、DPO70000SXシリーズ・オシロスコープは高性能、高機能をクラス最小、高さわずか13.3cmの小型パッケージに収容しています。2台のユニットを積み重ねれば、標準のベンチ・オシロスコープ1台と同じスペースで使用することができます。
DPO77002SX型は70GHz、200GS/s、1チャンネル、または33GHz、100GS/s、2チャンネルで使用できます。デュアル・ユニット・システムとして2台のDPO77002SX型を同期させることにより、70GHz、200GS/s、2チャンネル、または33GHz、100GS/s、4チャンネルを、統合された1台の計測器として使用できます。デュアル・ユニット・システムは、必要に応じて簡単に別々のユニットに分離することもできます。また、DPO7AFP型外部フロント・パネルを使用すると、1台または複数ユニット使用の場合でも、一般的な機器設定が直接行え、通常のベンチ・オシロスコープと同じように操作可能です。
DPO70000SX型の優れた拡張性により、必要とする性能、チャンネル数は簡単に拡張可能です。例えば、通常33GHz、4チャンネル構成、詳細観測時に70GHz、2チャンネルというユニット構成であれば今日の大部分のアプリケーションには十分ですが、将来、ニーズの変化に応じてさらに2台を追加することで70GHz、4チャンネルの構成も可能であり、この場合も、すべてが1台の計測器として機能します。
<テクトロニクスについて>
テクトロニクスは、計測およびモニタリング機器メーカとして、世界の通信、コンピュータ、半導体、デジタル家電、放送、自動車業界向けに計測ソリューションを提供しています。65年以上にわたる信頼と実績に基づき、お客様が、世界規模の次世代通信技術や先端技術の開発、設計、構築、ならびに管理をより良く行えるよう支援しています。米国オレゴン州ビーバートンに本社を置くテクトロニクスは、現在世界22カ国で事業を展開しています。詳しくはウェブ・サイト(jp.tektronix.com)をご覧ください。
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