スタートアップエコシステムの環境整備の進展を背景に、成長を続けるスタートアップ輩出に貢献する
デロイト トーマツ グループの有限責任監査法人トーマツ(東京都千代田区、代表執行役:大久保孝一 以下、「トーマツ」)は、IPO監査事業部を本事業年度(2024年6月開始)から設置しました。トーマツは、日本のスタートアップエコシステムのビジョンを踏まえたIPO監査の提供体制を強化し、スタートアップの成長と輩出の加速に貢献します。
2022年11月から開始された日本政府によるスタートアップ育成5か年計画の効果もあり、日本における起業数の増加やリスクマネーのスタートアップへの流入といった成果が着実に生まれています。このように日本のスタートアップエコシステムは厚みを増しつつありますが、小型上場や上場後に成長が鈍化する企業も少なくなく、日本の経済や産業構造を大きく変革するようなスタートアップが多数輩出される状況までは道半ばと言えます。この状況が改善されるためには、シード期・アーリー期における資金アクセスの改善、レイター期でのリスクマネーの十分な供給、未上場株の流動性の向上、IPO環境の改善など、スタートアップの輩出と成長ステージの各段階での成長を後押しする環境が更に整備される必要があると考えられます。こうしたスタートアップエコシステムの発展に貢献するために、トーマツはIPO監査事業部を中心として次の取り組みを推進します。
スタートアップおよび経営者のマインドセットの構築に寄与
スタートアップが次代を担うパブリック企業へと転換する時期における監査法人の指導・助言機能をコアバリューと位置づけ発揮します。IPOのための財務諸表監査を中核とした高品質な監査業務は当然として、経営者に対する「社会的公器としての自覚醸成の指導・助言」「経営判断における透明性・公平性確保の指導・助言」「中長期的成長を可能とする仕組みづくりの指導・助言」を徹底して参ります。そのためのメソドロジーの見える化と共にIPO監査事業部のメンバーのコアバリュー発揮の認定制度も構築します。
図表:IPO監査におけるコアバリュー
広範な専門性・知見の提供によるスタートアップの健全な成長の支援
複雑化する事業環境に直面するスタートアップの多様で複合的な課題に対応するため、IPO監査事業部がハブとなり、デロイト トーマツ グループが有する様々な専門性、さらにはグローバルに活動するデロイトの知見を提供することで世界に通用する成長企業の創出に寄与します。例えば、スタートアップ支援の領域において、国内外のベンチャーキャピタル、大手企業、内外政府機関とのネットワークを有するデロイト トーマツ ベンチャーサポート株式会社と連携し、シード・アーリー期からミドル・レイター期までのスタートアップのニーズに対応します。また、IPO後の成長に必要なM&Aや経営基盤の高度化などについても、デロイト トーマツ グループ各社の専門家が的確な支援を行うことで、スタートアップのIPO前後の持続的な成長を促進し、日本のスタートアップエコシステムの活性化に貢献していきます。
IPO監査専門家の陣容強化
新規産業創出の可能性を探求するディープテックやIPO準備のステージにおいて、複数事業・複数国で事業展開を果たすケースなど、スタートアップの多様化・大型化・国際化の加速に対応すべく、IPO監査の専門人財の組織化および育成を継続的に強化します。トーマツでは、 IPO監査に特化したIPO監査事業部に所属する約40名の中核人財に加えて、IPO業務の知見を有すると認定された約600名の人財から構成された専門家集団を組織し、関与先・業務にマッチする専門家を選任して業務を行うことで高品質な業務を提供します。これにより、発展性のあるスタートアップに提供する価値を高め、内外で高いインパクト・存在感のあるスタートアップの持続的な創出への貢献度を高めることを目指します。