「ネットゼロ」など気候変動関連用語の認知度は最低水準
水、衛生、感染予防のソリューションとサービスを提供する世界的サステナビリティリーダーのエコラボは、2023年9月に第1回「エコラボ・ウォーターマーク調査」の結果を発表しました。このグローバル調査は、水の重要性、使用、気候との関連、責任に関する世界の主要な消費者層の意識調査を通じて、ウォータースチュワードシップの現状を報告するものです。2030年までに、世界資源研究所(WRI)によると、地球は56%の水不足に直面し、国連によれば、16億人が安全に管理された飲料水を得られなくなると言われています。この差し迫った水危機の中で、エコラボは「エコラボ・ウォーターマーク調査」を開発しました。本調査は、アジア太平洋、中国、ヨーロッパ、インド・中東・アフリカ(IMEA)、ラテンアメリカ、米国において、動向を把握し、教育と行動を起こすことを目的としています。
今回のグローバル調査において、アジア太平洋(日本、オーストラリア、インドネシア)の調査結果から、日本については以下の傾向が明らかとなりました。
●日本においては水の問題への関心が低く、喫緊の優先課題として捉えていない
環境問題への関心は高いものの、「清潔で安全な水」「干ばつ」「水へのアクセス」といった水に関する諸問題に対する関心度は極めて低いことが明らかとなりました。また、持続可能性を実現するための取り組みの重要度や緊急度においても、「清潔で安全な水」や「水の使用量の削減」は最下位レベルとなっており、日本では水関連問題の優先順位が低いことが示されました。多くの国では水関連問題は「今日」の課題であると認識されている一方、日本では4人に1人以上の割合で「10年以上」と回答するなど差し迫った懸念を持っている人はわずかであると言えます。
●水資源保護への取り組みに最も責任があるのは政府だと考えているが、現状の対応については十分ではないと見ている
日本では水資源保護に対して責任を負うべきリーダーは政府であるとの回答が約4割を占めていますが、一方で政府の取り組み状況については肯定的な回答はわずか2割で、政府の対応の不十分さを訴えています。政府の気候変動対策への評価についても同様の傾向が見られました。
●日本で持続可能性に配慮した購買行動はわずか3割
「より環境に配慮した製品やブランドに切り替えた」、「製造工程で必要となる水の使用量を考慮し製品の購入や使用を控えた」など、持続可能性に配慮した購買行動を取ると回答した人は33%に留まり、インドネシアの82%、オーストラリアの49%を大きく下回る結果となりました。また、持続可能性に配慮した商品の購入金額について、日本では持続可能性のために金銭的負担が増えることを望まない傾向が強く示されました。
●「カーボンフットプリント」、「ネットゼロ」などの用語を知っている割合は最下位
気候変動関連用語についてどの程度知っているか尋ねた質問では、調査に参加した国・地域の中で日本はほぼすべての用語の認知度が最下位でした。オーストラリア、インドネシア両国で約8割が知っていると回答した「カーボンフットプリント」は32%、「ネットゼロ」は24%となり、「気候のための水(Water for Climate)」など世界的に意識が高まる中で、日本は21%に留まりました。
日本は今回の調査におけるほとんどの回答においてグローバル全体の平均以下という結果となり、水に関する諸問題をはじめとし、気候変動そのものに対する関心が希薄であることがわかりました。要因の一つとして、諸外国に比べ日本は水資源へのアクセスが容易であることから、自分たちにとって身近な差し迫った問題であるとの認識が低いという点が挙げられます。しかし、地球温暖化による異常気象の頻発で地球規模の喫緊の課題となっている今日においては、日本にとっても他人事ではありません。また、水の問題と気候変動は密接に関係しており、今こそ、企業や政府を中心とするビジネスリーダーが率先して行動を起こして連携し、共に取り組むことが重要です。
調査結果の全体概要は
https://digitalpr.jp/r/76452 をご覧ください。
「エコラボ・ウォーターマーク調査」は、2023年にMorning Consult社との提携により、一般成人を対象として実施されました。エコラボは今後、毎年調査を実施、発表する予定です。ダッシュボードを含め結果の詳細については、
https://watermark.ecolab.com/ をご覧ください。
エコラボ・ウォーターマーク調査について
2023年より開始された「エコラボ・ウォーターマーク調査」はエコラボが毎年実施するグローバル調査です。本調査は、水の重要性、使用、気候との関連、責任に関して主要な消費者層の意識調査を通じて、ウォータースチュワードシップの現状を報告します。今回の調査は、2023年2月15日から3月3日まで一般成人を対象に実施され、インタビューはオンラインで行われました。結果には±2~3%の誤差があり、地域によっては現地国勢調査データの入手状況に応じて、より少ない変数で重み付けされている場合があります。アジア太平洋の回収サンプル数は日本=2000、オーストラリア=2003、インドネシア=1000です。詳しくは
https://www.ecolab.com/expertise-and-innovation/ecolab-watermark-study をご覧ください。
エコラボについて
エコラボは、水、衛生、感染予防のソリューションとサービスを提供する世界的サステナビリティリーダーです。数百万に及ぶお客さまの信頼されるパートナーとして、人々と大切な資源を守ります。1世紀にわたるイノベーションを基盤に、年間140億ドルの売上高、47,000人以上の従業員を有し、世界170カ国で事業を展開しています。エコラボは、科学に基づく包括的ソリューション、データ活用によるインサイト、世界レベルのサービスの提供を通じて、食品安全の促進、清潔で安全な環境の維持、水・エネルギー使用の最適化を実現します。エコラボの革新的なソリューションは、食品、ヘルスケア、ライフサイエンス、ホスピタリティ、産業分野におけるお客さまのオペレーション効率とサステナビリティを改善します。詳しくは www.ecolab.com をご覧ください。
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