~ 「チャイルド・アトラス」による予測結果を踏まえ、9月18日・19日開催のSDGサミットで提言~
セーブ・ザ・チルドレンは、新たにデータ視覚化ツール
「チャイルド・アトラス」を発表しました。
私たちは、これらのデータを通じて子どもたちが置かれている状況や実態を浮き彫りにし、理解することで、意思決定者への提言や子どもたちが公的な意思決定に参加するためのサポートに役立ててまいります。
※「チャイルド・アトラス」概要(英語版)についてはこちら
https://www.savechildren.or.jp/scjcms/dat/img/blog/4260/1694488877538.pdf
※「チャイルド・アトラス」ウェブサイト(英語版)はこちら
http://www.childatlas.org/atlas
「チャイルド・アトラス」とは、国連などの情報源からデータを収集し、貧困、教育、気候危機など子どもたちのさまざまな状況をワンストップで調査できるようにしたツールです。
このデータベースには、子どもの生活に関連する幅広いデータが含まれており、子どもたちの発達の成果、リスクと危機の指標、公共政策や資金調達の決定、統治構造など幅広い分野をカバーしています。これにより、持続可能な開発目標(SDGs)における子どもに関連する目標達成に向けた進捗をモニタリングすることができます。また、若者や子どもたちもいつでも情報システムにアクセスすることができます。
例えば、「チャイルド・アトラス」を使って、以下のような予測結果が出ています。
- 現在から2029年までに生まれる9億4,200万人の子どものうち、3,160万人は5歳の誕生日を迎えられません。
- 栄養不良により、5人に1人以上の子どもが発育不全で生まれます。
- 2030年までに小学校を卒業する4億1,400万人の女子のうち、6,700万人が 18歳になる前に結婚します。
- 26億人、つまり5人に4人の子どもが、人生で少なくとも1度の異常気象を経験します。
セーブ・ザ・チルドレン・インターナショナル事務局長 インゲル・アッシン コメント
飢餓や紛争、格差、貧困、気候危機は、子どもの生存、保護、学習の権利を脅かしています。SDGs達成に向け、状況を理解するためのデータは非常に重要です。政策立案者がより適切な意思決定を行い、リソースを効果的に割り当てるのに役立ちます。
また、SDGs達成や子どもの権利の実現のためには、子どもの参加が不可欠です。自分の意見を聞いてもらい、自分の生活に影響を与える問題についての公的な意思決定に参加することも、子どもの権利です。
【SDGサミットへの提言】 子どものニーズと権利を最優先に |
2030年までの達成を目指す持続可能な開発目標(SDGs)の目標4(Goal 4 | Department of Economic and Social Affairs (un.org))は、すべての子どもが質の高い教育を受けられるようにすることを掲げています。
しかし「チャイルド・アトラス」を使用した結果、今後7年以内に就学する9億2,200万人の子どものうち3億9,200万人、つまり5人に2人は、10歳までに、基礎的な読み書きができない状況に置かれると予測しました。
この予測結果を踏まえ、私たちは9月18日と19日に、ニューヨークで開催されるSDGサミットで、各国の首脳や代表たちがSDGsの達成に必要な資金の拠出を表明し、子どものニーズと権利を最優先するサービスや体制、制度の構築などに投資するよう求めました。
なおセーブ・ザ・チルドレンは、6月に開かれた子どもの行動週間(Save the Children | Children's Week of Action - Generation Hope Campaign | Latin America and the Caribbean)に、子どもの参加を題材にした「メッセージ・イン・ア・ボトル」を計画し、サミットへの子どもの参加を支援しています。