ロールス・ロイス、コーチビルド・ドロップテイルの第1弾 ラ・ローズ・ノワールを発表


2023年8月20日、グッドウッド、ウエスト・サセックス

• 「ラ・ローズ・ノワール(La Rose Noire)」と命名された、ロールス・ロイスの4つの個性的なドロップテイル・コミッションの第1弾
• ブラック・バッカラ・ローズ(Black Baccara rose)が放つロマンスと魅力からインスパイアされたモデル
• ロールス・ロイス史上最も複雑なパルケトリー(寄木細工)の表現
• 約1,603ものウッド・ピースは、約2年間かけて手作業で仕上げて配置
• 150回の反復工程の成果による新しいエクステリア塗装
• お客様にとって特別なヴィンテージ(年)を演出する、お揃いの特製シャンパン・チェスト
• 着用可能なオーデマ ピゲ ロイヤル オーク(Audemars Piguet Royal Oak)コンセプト・タイムピースを搭載


「ロールス・ロイス・ラ・ローズ・ノワール・ドロップテイルは、ロールス・ロイスの車というキャンバスに、考え抜かれ、見事に映し出された愛の物語です。国際的に活躍する名家の当主である夫と妻の深く情熱的なパートナーシップが描かれたものであり、彼らの素晴らしいストーリーの一説を担えることは、このうえなく光栄なことです。さらに、ラ・ローズ・ノワール・ドロップテイルは、芸術性と一人のお客様のビジョンが真に調和し、完璧さの飽くなき追求を目指す当社の証でもあります。この歴史的なコミッションの細部には、魅惑と威厳を兼ね備えたそのフォルムから、非の打ちどころがないエレガントでロマンチックな仕草に至るまで、ロールス・ロイスの豊かな伝統と依頼主様の人柄が響き合っています。ラ・ローズ・ノワール・ドロップテイルは、このような力強く現代的なステートメントを思い切って打ち出した素晴らしいお客様のように、ロールス・ロイスの歴史に永遠に刻まれることでしょう」
ロールス・ロイス・モーター・カーズ最高経営責任者 トルステン・ミュラー・エトヴェシュ

「ロールス・ロイス・ラ・ローズ・ノワール・ドロップテイルは、最も先進的であるロールス・ロイス・コーチビルドの表現に加わりました。お客様の深い愛情と魅力的なスピリットをとらえるために、当社のデザインチームは、ラグジュアリーの深くパーソナルな言語を追求する中で、大胆で新しい技法と非常に複雑かつ創造的な作業を探求しました。特にラ・ローズ・ノワール・ドロップテイルのウッド・エレメントの卓越した完成度は、伝統を守った精巧な工芸作品がモダン・デザインの頂点に位置することを明確に示しています。実際、ロールス・ロイスのお客様の野心と当社デザイナーの比類なき能力によって、ロールス・ロイス・コーチビルドは長くエキサイティングな未来であり、最高水準の応用芸術における創造的リーダーであることが示唆されています」
ロールス・ロイス・モーター・カーズ デザイン・ディレクター アンダース・ウォーミング

「ロールス・ロイス・ラ・ローズ・ノワール・ドロップテイルは、グラマラスな魅力が凝縮された存在です。このダークで大胆かつ力強いコミッションの指針となったインスピレーションは、ブラック・バッカラ・ローズでした。依頼主であるお客様が強い思い入れを抱くこのバラは、デザインチームにとって魅惑の源泉となりました。その豊かで複雑な特徴は、私たちの創造的な探求を満たし、パレット、構成、車両の入り組んだディテールに影響を与えました。さらに、お客様とフランスの深い絆をさりげなく強調する素材を用いながら、革新的なモダンなデザイン・コンセプトと古くから伝わる精巧な工芸技術が融合することにつながりました。有意義で進歩的なデザイン・ステートメントを具現化するという共通のコミットメントによって、お客様の個性を深く表現し、現代のクラフツマンシップの新たな頂点として結実したのです」
ロールス・ロイス・モーター・カーズ コーチビルド・デザイン責任者 アレックス・イネス

最初のドロップテイル:ラ・ローズ・ノワール
ロールス・ロイス・モーター・カーズは、ダークで大胆かつドラマチックなコーチビルドの傑作、ロールス・ロイス・ラ・ローズ・ノワール・ドロップテイルを発表する幸運に恵まれました。この特別なモデルは、本日、カリフォルニア州ペブルビーチ近郊で開催されたプライベート・イベントにおいて、依頼者であるお客様にお披露目されました。この製品には、最高位の鑑識眼とラグジュアリーを実証し、世界を舞台に活躍する依頼主である一族が大切にしてきた経験、重要なモーメント、芸術品が凝縮されています。実際、コーチビルドのデザイナーたちは、一家の自宅や自動車、ファッション・アイコンなどの著名なコレクションにおける、繊細かつ情報に基づいたキュレーションの手腕について、それ自体がアートのようであると評しています。

ロールス・ロイス・ラ・ローズ・ノワール・ドロップテイルは、フランスを原産とし、依頼主の母親が愛したベルベットのような濃厚な花、ブラック・バッカラ・ローズの魅力にインスピレーションを受けています。その濃いザクロ色の花弁は、日陰では黒に近い色合いに見えますが、直射日光を浴びると暗い表面に真珠のような光沢のある赤いきらめきが現れます。ラ・ローズ・ノワール・ドロップテイルの主要なパレットは、この2色から構成されています。最初の赤い色合いは、お客様がこのコミッションに込めたいと願ったロマンスを表す「トゥルー・ラブ(True Love)」と名付けられました。ダークな色調は「ミステリー(Mystery)」とい名付けられ、異なる角度から見ると色が変化するように見えるバラの神秘性から着想を得ています。実際に、依頼のプロセスを通じてお客様を魅了したのは、真実の愛と探求、そして旅の神秘のエッセンスでした。

エクステリアのコーチワークは、艶やかで複雑なトゥルー・ラブ・レッドで仕上げられ、ブラック・バッカラ・ローズのように、ながめる視点によって色の変化を楽しむことができます。この豊かなバリエーションを実現するために、表面仕上げの専門チームは全く新しい工程を開発し、150回もの入念な繰り返しを経て塗装を完成させました。非公開のカラーを使ったベースコートの上に5層のクリアラッカーが重ねられ、各層には異なるトーンのレッドがブレンドされました。

デュオトーンのテーマは 、ラ・ローズ・ノワール・ドロップテイルのブライトワークにも適用されています。液状であるため、ハイドロシェードと名付けられたこのダーク・フィニッシュは、本プロジェクトのために特別に開発されました。これらのピースに施されるのは塗装ではありません。クロムメッキ工程では特定のクロム電解質が導入され、クモの巣状の絹糸一本とほぼ同じ幅であるわずか1ミクロンの厚さの層として、それぞれのステンレス鋼基板の上は共皮膜で覆われています。暗色でありながら反射性のあるその仕上げ方法は、インテリア全体に施された厳選メタル・ディテールにも使われ、その一つひとつが手作業で精密に研磨された、光沢のある仕上げとなっています。

取り外し可能なハード・トップは、ドロップテイルに2つの異なる個性を与えるためにデザインされました。ルーフを開いた状態のドロップテイルは、しなやかなオープントップのロードスター。ルーフを取り付けると、圧倒的でドラマチックなクーペとなります。非常に低く設定されたラ・ローズ・ノワールの専用ルーフは、高速走行を実現する長めのレーキ角によってさらに誇張され、その自信に満ちた魅惑的な個性を支えています。その背後には、ロールス・ロイスにとって初となる、車名を記したインゴットが配置されています。この完全なビスポークのルーフには 、エレクトロクロミック・ガラスも採用され、ボタンを押すだけで瞬時に半透明に近い色合いに変化し、搭乗者を上空の世界へと誘います。

依頼主が持つディテールへの情熱は、ラ・ローズ・ノワール・ドロップテイルのパンテオン・グリル・ベーンにも表現されています。トゥルー・ラブのペイントは手作業でベーンの裏面に施され、控えめな装飾アクセントとして間接的な反射が発生した場合にのみ可視化される、上品なディテールといえます。

このさりげない華やかさは 、入り組んだフロント・エア・インテークの下部にもみられます 。この非常に詳細なパーツは、デジタルで設計した後に軽量複合材を用いて3Dプリントされたもので、手作業の研磨とトゥルー・ラブのカラーでハンドペイントを施した202個のステンレス製インゴットを組み込んでいます。

エクステリアの重要な要素のひとつは、ダーク・ミステリー塗装仕上げが印象的なアルミホイール処理です。花そのもののように、その仕上げは遠方からは黒く見えますが、じっくり見ると、陽の光に照らされたダークレッドの下地がきらめく様子が見て取れます。ミステリー・ペイントをリムの表面全体に施した後に、高精度のダイヤモンド・フライス加工によってペイント部分を取り除き、露出したベース合金素材のアクセントを研磨しています。この処理は、ホイールの方向性と22インチという大胆なサイズを強調し、このドロップテイルの圧倒的な個性を示しています。



魅惑的な蒸留:ラ・ローズ・ノワール
このすばらしいモデルの最も注目すべき要素は、コクーンのようなインテリアです。ロールス・ロイスがこれまでに制作した中で最も複雑なパルケトリーであり、約2年にわたる開発、徹底的な実験、手作業によるクラフツマンシップの集大成です。

この作品では、1,603ピースの黒いウッド・ベニヤの三角形によって、舞い落ちるバラの花びらが抽象的に描かれました。極めて複雑な模様は、背景に1,070もの完全に対称な要素を使い、非対称に配置された533の赤いピースでバラの花びらを表現しています。このアシンメトリーな仕上がりは、自然で有機的な花びらの「散り際」を表現するためにお客様よりリクエストされたものです。

ラ・ローズ・ノワールの原産地、フランスへのさりげないオマージュとして、フランスで調達されたブラック・シカモア材を使用し、一つひとつ手作業で三角形にカットし、やすりをかけ、正確に配置しました。淡いグレーと濃いグレーで染色されたように見えるウッド・ピースは、実際には自然な色合いで表現されています。この色調の違いは、複数の丸太の単板を使用することで生まれ、ウッド・ベニヤの自然な模様によるものです。時間の経過に伴う色褪せを防ぐため、赤いピースの作成にのみペイントを使いました。ロールス・ロイスの職人たちは現代工芸を投影したこの類まれな創作を保護するために、1年かけて新しいラッカー製法を開発しました。

リアのショール・パネルからドア、そして広範なフェイシアに至るまで、この複雑なディテールを備えたウッド・ピースは、搭乗者を包み込むように囲みます。その組み立てには高度な集中力が必要とされ、完璧に完成させるために必要な集中力を維持するには、1人の職人が1度に1時間、1日あたりわずか5時間の作業が限度でした。見習い時代からロールス・ロイスに在籍している職人は、気をそらす可能性のある要因を減らすため、遮音された空間に数週間入り、完全な静寂を保った環境で作業を行いました。正に芸術作品と呼ぶにふさわしい作品の完成には、9カ月以上を要しました。

ラ・ローズ・ノワール・ドロップテイルのインテリアを詳しくみてみると、2つのシートの縁には、ダークレッドのミステリー・レザーとライトレッドのトゥルー・ラブ・レザーの装飾が施され、それぞれが微妙な銅の微光を放ち、ブラック・バッカラ・ローズの花弁のような真珠光沢の質感を思わせます。



たったひとつのタイムピース
ロールス・ロイス・ラ・ローズ・ノワール・ドロップテイルのフェイシアには、依頼主であるお客様が特別に注文したオーデマ ピゲのワンオフのタイムピースが組み込まれています。43mmの「ロイヤル オーク コンセプト スプリットセコンド クロノグラフ GMT ラージデイト」は、フライバック クロノグラフとスプリットセコンドを備えた独自の自動巻きムーブメント、キャリバー4407を搭載しています。ラ・ローズ・ノワールのカラーリングに見事にマッチしたこの時計には、赤いカウンターと赤いインナーベゼルが組み合され、ロジウム仕上げのベゼルで強調されたブラックのオープンワーク・ダイヤルとの鮮やかなコントラストが生み出されています。

このタイムピースを組み込むことは大きな挑戦でした。お客様のリクエストは、自動車への搭載と同時に、ストラップを付けて身に着けることができるよう、取り外し可能であることでした。そのため、ボタンに触れるだけでタイムピースをそっと表示させる動力式のクラスプが採用されました。

タイムピースを取り外すと、フェイシアの開口部はエレガントなチタン製の透かしが施されたブランクヘッド・ウォッチで覆われ、オーデマ ピゲの職人が手彫りで仕上げたバラの彫刻が現れるホワイトゴールドのコインが際立ちます。ビスポーク・オーディオのスピーカー・フレットには、このモチーフをベースにした繊細なバラのエングレービングが施されています。スイスを拠点とするオーデマ ピゲのアトリエで、一つひとつ手作業で丹念に作られたこれらのピースは、車両全体で唯一ここだけにバッカラ・ローズそのものが描かれています。

タイムピースがフェイシアに表示されている間、ストラップとブランクヘッド・ウォッチはドアパニエのスリムでソフトなレザー製ポーチに収納することができます。




記念すべきコミッション
ロールス・ロイス・ラ・ローズ・ノワール・ドロップテイルの制作を祝して、お客様はお気に入りのワイン生産者のひとつであるシャンパーニュ・ド・ロシーの特別なヴィンテージをオーダーしました。ラ・ローズ・ノワール・ドロップテイルのためにつくられた希少なワインは、シャトーが160年の歴史の中で生産した、ほんの一握りの貴重なヴィンテージのひとつであることを鑑みても、極めて重要な意味を持ちます。

完璧な演出のために、一家は唯一無二のロールス・ロイス・シャンパン・チェストをリクエストしました。車両の色調や素材に合わせてコーディネートされたこのチェストには、お揃いのバラの花弁のパルケトリーが施され、コーチビルドのロールス・ロイスと同様に細部に至るまで細心の注意が払われています。

ボタンを押すとシャンパン・チェストが開き、手吹きクリスタルのシャンパン・フルートが並ぶ、手の込んだシャンパン・セットが現われます。外側の蓋は、対称になった木目のオープン・ポアのブラック・シカモア材で作られたサービングトレイに変身し、ブラッシュ仕上げとレーザーカットのステンレス製インレイの中央には、シャトーのデザインが施されています。

サイドは、ラ・ローズ・ノワール・ドロップテイルと同じ複雑な寄木細工で装飾されています。一旦開くと、車のカラー・スキームに合わせてデザインされた2つのハンモックが現れ、特別仕様のシャンパーニュ・ド・ロシーを包み込みます。ブラック・アルマイトとカーボン・ファイバーで作られた熱伝導率のよいシャンパン・クーラーも格納されています。ダーク・ミステリーの色合いで仕上げられ、シャンパンを最適な温度に保ちます。

ロールス・ロイスの伝説に名を刻むラ・ローズ・ノワール・ドロップテイル
この大胆かつ歴史的な車は、それを創り出した夫妻の情熱と有意義な体験を絶えず追求する姿勢を情熱的に祝福しています。特別な表現を持つこのドロップテイルを依頼することで、傑出した一家は自らのレガシーを形づくると同時に、ロールス・ロイス・モーター・カーズの伝説の一部を形作っています。

以上


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編集者の皆様へ
ロールス・ロイス・モーター・カーズは、真のラグジュアリー自動車のメーカーであり、世界で最も高い評価と敬愛を受ける、手作業による魅力的なビスポーク製品を世界中のお客様のために製造しています。

英国ウエスト・サセックス州グッドウッドにあるホーム・オブ・ロールス・ロイスには、2,500名以上の従業員が勤務しています。ホーム・オブ・ロールス・ロイスには、グローバル本社のほか、センター・オブ・ラグジュアリー・マニュファクチャリング・エクセレンスが設置され、世界で唯一、ロールス・ロイスの自動車のデザイン、開発、手作業による緻密な製作が行われています施設、製品および人材への継続的な投資により、世界販売台数の記録更新が続いており、2022年には史上最高となる6,000台超を記録しました。

ロールス・ロイス・モーター・カーズはBMWグループの完全子会社であり、航空機用エンジンや推進システムを製造するROLLS-ROYCE PLC(ロールス・ロイス・ピーエルシー)とは完全に別会社で、関連はありません。

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