バングラデシュにあるロヒンギャ難民キャンプでは、この6年で何がどう変わったのでしょうか。
イベントでは、現地女性へのインタビューを通じ、ジェンダーの切り口から現地の様子を伝えるとともに、女性の健康と権利について考えます。
2017年8月25日、ミャンマー軍による「掃討作戦」によって、1万人あまりのロヒンギャが殺害され、70万人以上の人々が隣国バングラデシュに逃れるという惨事が発生しました。世界の医療団(東京都港区)は、その直後の9月から難民キャンプとその周辺のコミュニティでの医療支援を開始しました。それからすでに6年がたとうとしています。
この6年で何がどう変わったのでしょうか。8月25日に開催のオンラインイベント「ジェンダーの視点からみたロヒンギャ難民キャンプの6年―現地インタビューを通して女性の生き方を考える―」では、特に厳しい環境のなかで生きる女性たちに焦点を当て、7月に行った現地女性へのインタビューを紹介しながら、女性の健康と権利について考えます。
難民キャンプでは教育と就労の機会が限られ、特にムスリムの女性は外出の機会も制限され、若くして結婚・出産を余儀なくされるうえ、暴力の被害にもあいやすく、数々の困難に直面しています。
世界の医療団は難民キャンプとその周辺コミュニティで医療支援を継続していますが、今回看護師でもあるスタッフの木田晶子が3年ぶりにキャンプを訪れました。今回のイベントでは、キャンプの変化の報告とともに、現地の女性4人にインタビューをし、彼女たちの声を届けます。家族のなかの孤立、就業の禁止、出産の強要、夫の暴力などの実態が浮かび上がってきます。
また、ゲストに女性の健康と権利を守るために活動するNGOジョイセフ(JOICFP)の勝部まゆみさんにもご登壇いただき、女性の権利と健康の国際潮流や、女性の健康や人生に大きくかかわる「性と生殖に関する健康と権利」(SRHR)の意義について語ってもらい、ジェンダーの課題と支援について議論を深めていきます。
【イベント概要】
日時:8月25日(金) 19時~20時30分
方法:オンライン(Zoom)
参加費:無料
詳細・お申込み:
https://www.mdm.or.jp/news/26373/
主催:世界の医療団
【プログラム】
ロヒンギャ難民キャンプ、女性たちの6年
世界の医療団 日本 メディカル・コーディネーター/看護師 木田 晶子
女性の権利と健康の国際潮流、SRHRの意義(仮)
ジョイセフ 理事長 勝部 まゆみさん
クロストーク
モデレーター:世界の医療団 日本 海外事業プロジェクト・コーディネーター 中嶋 秀昭
パネリスト:ジョイセフ 勝部まゆみさん × 世界の医療団 日本 木田 晶子
質疑応答
【登壇者プロフィール】
勝部 まゆみさん(ジョイセフ(JOICFP) 理事長)
国連開発計画(UNDP)のジュニア・プロフェッショナル・オフィサー(JPO)として勤務した西アフリカのガンビア共和国で、日本の国際協力NGOジョイセフの存在を知り、JPOの任期終了後に入職。日本赤十字の復興事業で、エチオピア北部のウォロ州に赴任するために、一旦ジョイセフを退職、3年後に帰国、復職。以後、ジョイセフで開発プロジェクトに従事。ジョイセフでは、国連人口基金
(UNFPA)、国際家族計画連盟(IPPF)、JICA等との連携によるアフリカ、アジア、ラテンアメリカ地域でのリプロダクティブ・ヘルス(RH)プロジェクトや教材制作などをガーナ、ガンビア、ネパール、ベトナム、ニカラグア等で実施。
2015年から事務局長、2017年6月から業務執行理事を兼任し、2023年6月に代表理事・理事長就任
木田 晶子(世界の医療団 日本 メディカル・コーディネーター/看護師)
看護師として6年間の臨床経験を経て、青年海外協力隊員としてラオスに派遣。その後、世界の医療団のラオス母子保健プロジェクトに約2年間従事。2017年からはロヒンギャのための医療支援プロジェクトに参加。現在までメディカル・コーディネーターとして医療支援活動を展開している。
中嶋 秀昭(世界の医療団 日本 プロジェクト・コーディネーター)
日経新聞記者、フェアトレード企業勤務等を経て、NGO職員・JICA専門家として内戦下のネパール、スリランカ北部や、ミャンマー、インドネシア(アチェ)、リベリア、南スーダン、パキスタン、リビア等計12ヶ国に出張・駐在し、主に(母子)保健関連の支援事業を監理。2020年、世界の医療団日本に入職、ロヒンギャ難民・ホストコミュニティ支援事業監理とウクライナ紛争対応医療緊急支援事業、シリア震災対応医療支援事業への側面支援に従事している。