2013年のパルマハムの総生産量は約908万本、金額で15億ユーロと、ここ数年の規模を維持しており、このうち72%がイタリア国内で消費され、28%が輸出されました。一方、2013年のイタリアの熟成ハム製品全般の消費は、シェアや消費者価格の変動がなかったにも関わらず下降気味でした。
パルマハム協会会長のパオロ・タナーラは次のように話しています。「イタリア経済は様々な要因で混迷しており、パルマハムの売上にも影響が及んでいます。成長軌道に戻るためには、企業や消費者の自信回復とともに、企業に対する信用供与の改善が必要条件であることは確かです。幸い、好調な輸出市場がイタリア国内市場の低迷を補い、パルマハムのみならず、農業製品業界全体にとっても救いとなりました。海外市場では品質保護製品(DOP)としてのパルマハムの高品質、本物であること、伝統といったイメージが消費者に対する魅力となっているのです。」
2013年には前年度比2%増となる253万本のパルマハムが輸出されました。4年連続の増加で、長期的に見ても大変重要な成果といえます。実際過去10年間でパルマハムの輸出量は90万本増加しています。
輸出の内訳を見ると、欧州市場は3%増、非欧州市場は横ばい(0.4%減)となりました。上位輸出相手国は最大の輸出市場である米国(502,941本)を筆頭に、ドイツ(450,503本)、フランス(421,828本)といずれも堅調でした。一方日本への輸出は102,268本と7.8%減少しましたが、依然として非欧州では米国に次ぐ第2番目の市場となっています。オーストラリアは前年度比19.8%増の80,423本と大きく伸ばし、非欧州市場で第3位となりました。2013年に最も顕著な成長が見られたのはロシアで、51%の増加を示しました。
正規スライス製品*は引き続きパルマハムの輸出の重要な成長要因となっています。2013年は前年度から0.6%微増して7,279万パック(パルマハム145万本分)のスライス製品が製造されました。このうち、イタリア国内市場へは不況のあおりを受けて前年度比3.4%減となる1,694万パックを出荷、一方輸出は1.9%増の5,585万パック(パルマハム107万本分)となりました。EU諸国へは4,817万パックとほぼ前年度並み(0.3%減)でしたが、非EU諸国へは全体で18%増と大きな成長が見られ、米国(259万パック、23.3%増)を筆頭に日本(56万パック、31.5%増)、ロシア(55万パック、44.0%増)、カナダ(35万パック、16.8%増)と続いています。
*正規スライス製品: 生産地内の認定工場にてスライス加工・包装されパルマハム協会の王冠マークが表示されたスライスパック。DOP製品に認定されたパルマハムは、EU法で定められた生産地以外で加工された場合「パルマ」と称して販売することは認められていません。
パルマハム協会
Consorzio del Prosciutto di Parma
1963年、「パルマ」の名が示す本物の製品と真正、及び伝統を保護するため、23の生産者たちのイニシアティブによって「パルマハム協会」が立ち上げられました。今日協会は150の会員を擁し、原料豚の種類から製造地域、製造工程、熟成方法、熟成期間に至るまでの製造基準を管理し、伝統的製品の保護に努めると同時に、世界的な品質保護とプロモーション活動を行っています。またパルマハムはEUの食品品質保証制度において「限定生産地域において伝統的製法に基づいて生産加工など全過程が行われており、さらに製品の性質がその地域の要素に由来している」というもっとも厳密な規定をクリアした製品に与えられるDOP(原産地呼称保護)の称号を受けています。
- 本件に関するお問合わせ先
-
パルマハム協会
パルマハム・インフォメーションセンター
TEL:03-5574-7834
E-mail:info@parmaham.org