67%が金融知識の向上を希望、70%超が現在の国内景気を危惧
主な調査結果
- 7割超の日本人が、国内の景気や収入(78%)、為替レートの変動(77%)、インフレーション(73%)に不安を感じている。
- 資産形成手段として「預貯金」(76%)が最も多い。さらに、42%は預貯金口座を保有するのみで、投資をしていない。
- オルタナティブ投資について知らない人は70%に上り、金融知識向上の余地がある。
- 67%が金融知識の向上を望む一方、そのうち35%はその方法を知らない。
コロナ禍の経済的余波に続き、エネルギーやサプライチェーンなどの世界経済問題、為替レートの変動やインフレ率の上昇などにより、日本でも家計や投資の見直しが避けられない状況になっています。Million Dollar Round Table(MDRT)米国本部が、調査会社ネオマーケティングに委託し、日本の男女2,000人を対象に実施した最近の調査では、ファイナンシャル専門家(*)に相談したことがある人の50%が自身の金融知識を上級者または中級者レベルと考える一方、専門家に相談したことがない人の79%が初心者レベルと考えている、またはそもそも全く投資をしていないことが明らかになりました。経済問題が深刻化するなか、金融の専門家への相談が、日本の消費者の資産形成の一助となる可能性があります。
*専門家の定義:ファイナンシャルプランナー・保険営業パーソン・銀行員・証券会社営業パーソンなど
経済・金融情勢に対する高い懸念
今後数年間、個人的な経済状況に影響を及ぼす問題として、78%が国内の景気と収入、77%が為替レートの変動、73%がインフレーションに懸念があると回答しています。一方、同様の質問に対して米国での消費者調査結果では、インフレーションの影響(68%)、サプライチェーンおよび物流の問題(61%)に対する不安が挙げられています。これらの結果は、現在の経済情勢について日本人の方がより強い懸念を抱いていることを示しています。
預貯金が資産形成の主要な手段
回答者の76%が預貯金口座を保有しており、預貯金が最も一般的な資産形成手段となっています。42%は預貯金口座のみ保有し、投資はしていません。また、預貯金口座のみの保有者のうち、専門家に相談したことがある人は14%に留まり、相談したことがない人は54%に上りました。このことは、専門家への相談経験持つ人の間では一つの資産形成手段に依存する人がより少ないことを示しています。
預貯金に次いで、国内株式・債券(39%)とNISA(30%)の保有率が高く、さらに21%の回答者が将来的に外国株式・債券を保有したいと回答しています。このことは、資産形成手段の多様化へのニーズが高まっていることを示しています。米国での調査では、専門家を持つ66%の回答者が株式や債券を所有していると回答しました。一方、専門家を持ったことがない人では22%と大きく低下しました。
金融知識向上の余地
専門家と相談した経験がある回答者のうち、78%が投資について、49%が投機について「他者に説明できる程度」または「ある程度」理解していると回答したのに対し、専門家と相談した経験がない回答者の間では、それぞれ45%、25%に留まりました。投資について「他者に説明できる程度理解している」と回答した人の割合が最も高かった年齢層は22-29歳(15%)、投機については20-29歳および、30-39歳(いずれも10%)でした。このことから、若年層が投資・投機に高い関心を持っているといえます。
専門家と相談した経験がある回答者のうち50%(米国では64%)が上級者または中級者レベルの金融知識を持っていると回答したのに対し、専門家と相談した経験がない回答者のうち25%は初級者レベルの知識しか持っていないと回答し、54%は投資をしていませんでした。また、70%の回答者(専門家と相談した経験がある人の50%、相談した経験がない人の79%)がオルタナティブ投資について聞いたこともないと回答しました。
金融の専門家の機会
本調査は、日本人が現在の厳しい経済情勢を認識し、家計を守るための方法を模索していることを示しています。一方、多くの人々は限られた種類の資産しか保有しておらず、金融知識も不十分だと考えています。67%が金融知識を高めたいと考えている一方、35%はその方法がわからないと回答しています。また、知識を高めたいと考えている人のうち、33%が金融の専門家を利用したいと考えています。専門家との相談を希望する人のうち、93%が「投資におけるリスクを回避する方法」、91%が「収入に応じた最適な資産運用方法」、91%が「保険と運用の最適なバランス」を知りたいと考えています。
MDRTの副会長であるGregory Gagneは、次のように述べています。「最近の経済動向により、人々は自身の資産管理を猛省するようになっています。かつてないほど、人々は金融に関するアドバイスを必要としており、コロナ禍で経験した不安を受けて自らの資産を守り、形成していくことを一層意識しています。 私たち金融の専門家は、以前に比べお客様の投資戦略について思い悩むことが増えました。同時に、金融の専門家の助けを借りて自分の資産を守ることに関心を持つ人々も増加していると実感しています。」
MDRTの日本会会長である小嶋保久は、次のように述べています。「他の多くの国々同様、日本も厳しい経済問題に直面しており、私たちの多くは不安定で不安な状況に置かれています。MDRTの本調査により、日本の金融専門家は、日本の消費者が置かれた状況やニーズを十分に理解した上で、資産形成だけでなく、金融知識(リテラシー)の向上においても、消費者が最も必要とする方法でサービス提供するために最善を尽くす必要があります。特に金融リテラシーの向上は急務であり、私たち金融サービスの専門家としてはその一助を担う必要があります。」
調査方法
日本の調査は、MDRT米国本部からの委託により、日本在住の22~79歳の成人2,000名(うち、これまでに資産管理の専門家に相談をしたことがあるという人は499名)を対象として、2022年9月20日から22日までの期間に実施されました。調査は、ネオマーケティングによるオンライン調査として実施されました。
米国での調査は、MDRT米国本部からの委託により、18歳以上の米国在住の成人3,642名を対象として、2021年9月30日~10月7日までの期間に実施されました。調査結果は、米国の18歳以上の成人人口で加重平均しています。調査は米国内において、調査会社であるYouGovによるオンライン調査として実施されました。
MDRTについて
グローバルな独立組織として世界70の国と地域に展開しているMillion Dollar Round Table(MDRT、本部: 米国)には、500社以上で活躍する生命保険ならびに金融サービスの専門家が会員として所属しています。MDRT会員はその厳しい倫理基準に沿って、個々の卓越した専門知識のもと優れた顧客サービスを提供していることから、生命保険および金融サービス業界の最高水準として世界に認知されています。詳細は米国本部ウェブサイト、
https://www.mdrt.org/ja でご覧ください。
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本件に関するお問合わせ先
MDRT 広報事務局(プラップジャパン内)
マートライ ティタニラ
電話: 080-8819-6911
メール: mdrt@prap.co.jp