旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:工藤 幸四郎、以下「旭化成」)とセンコーグループホールディングス株式会社(本社:東京都江東区、社長:福田 泰久、以下「センコーグループ」)は、このたび、旭化成が開発したFresh Logi™密閉ボックス(以下「Fresh Logi™ボックス」)によるクラウド型生鮮品物流ソリューション「Fresh Logi™システム」※1を利用した冷蔵品の混載輸送サービスの提供を開始します。
1. 背景
Fresh Logi™ボックスは、断熱性と気密性が高く、あらかじめ冷やされた商品を長時間低温で保持したまま運ぶことができます。蓄冷材を併用することで、さらなる低温保持時間の延長も可能となります。またFresh Logi™ボックスは使用後に折りたたんでの返送が可能であり、返送時に荷台の場所を取らず、返送も効率的に行えます。
現在、野菜や果物をはじめ、温度管理を必要とする商品の輸送現場では、輸送中の鮮度保持や、冷蔵車両の手配・確保をする必要があり、トラックやドライバーの不足などさまざまな課題があります。しかしFresh Logi™ボックスを活用することで、常温車両での配送が可能となり、これらの課題を解決することができます。
これまでに旭化成のFresh Logi™ボックスは、2021年12月から株式会社アップクオリティの提供するサービス「産地直送あいのり便※2」に採用されており、センコーグループは、同サービス上において、常温軽車両を用い、飲食店やスーパーなどのお客さまへのラストワンマイル輸送※3を担ってきました。
このたび、「Fresh Logi™システム」を利用した冷蔵品の混載輸送サービスの取り組みを発展させるべく旭化成とセンコーグループは、さらなるサービス拡充の検討を重ねてきました。
2. 今回の取り組みについて
旭化成とセンコーグループは九州―関東間の青果物をターゲットとした常温車両での鮮度保持輸送についてサービスの提供を開始します。
今後はサービスエリアの拡大や、医療・医薬品など温度管理が必要なさまざまな配送ニーズに対応していきます。
さらに、センコーグループの配送ネットワーク(域内配送ネットワーク、物流バスによる幹線輸送、JRコンテナ輸送、貨客混載サービスなど)に「Fresh Logi™システム」を導入し、常温車両への冷蔵品混載により、積載効率を高めて輸送の効率化を進め、物流業界の課題であるトラックドライバー不足への対応、GHG排出削減にも寄与してまいります。
<Fresh Logi™システムによる輸送イメージ>
■ポイント
- 常温便一般車両で、冷蔵品の混載輸送が可能(積載・輸送効率アップ)
- 輸送時の冷蔵エネルギーが不要でGHG排出量を削減
- 密閉ボックスによる輸送のため、匂いうつりを防止
- Fresh Logi™ボックスは折り畳み可能なため、効率良く返送可能
今後も旭化成とセンコーグループは、物流課題の解決を通してフードロス削減と低環境負荷を実現し、サステナブルな社会の実現に貢献していきます。
【ご参考】
■ 旭化成「Fresh Logi™システム」について
「Fresh Logi™システム」は、青果物の鮮度を保持しつつ、輸送の省エネ化にも貢献できるクラウド型生鮮品物流ソリューションです。旭化成グループの製品で、優れた断熱性能を持つ断熱材「ネオマフォーム™」を用いた「Fresh Logi™密閉ボックス」を輸送に使用することで、冷蔵システムを使用することなく、温度上昇の抑制に加え、湿度・ガス環境を制御し、従来の冷蔵トラック輸送と同等以上の鮮度保持を実現します。また、輸送環境をクラウド上で解析し、サービスの利用者に鮮度データとして提供することで、店舗等における鮮度予測や最適在庫管理を可能にし、フードロス削減に貢献します。
※1「Fresh Logi™」
https://akfood-agri.com/
※2「産地直送あいのり便」
http://www.ainoribin.com/
※3 ラストワンマイル輸送
物流におけるラストワンマイルとは、最終拠点からエンドユーザーへの物流サービスのこと