多摩大学(東京都多摩市、学長:寺島実郎)は、8月23日(火)~25日(木)に行われる「シベリア抑留77年追悼イベント―4万6300人の死者たちの名前をリモート(遠隔)で刻む48時間Zoom―」(主催:シベリア抑留者支援・記録センター )に参画する。このイベントは、会場ならびにZoomを用いたリモートにより、シベリア抑留の犠牲者のうち現在確認が取れている46,300人の名前をリレー形式で一人ずつ読み上げ、約48時間をかけて弔うもの。同大多摩キャンパスの特設会場には「バーチャル収容所体験コーナー」も設置され、メタバース空間で収容所を体験することができる。
1945年8月、満州(中国東北部)、北朝鮮、南樺太(サハリン)で終戦を迎えた日本軍兵士がソ連(現ロシア)軍の捕虜となり、ソ連・モンゴルの各地の収容所に送られ、過酷な強制労働を強いられた。その人数は約60万人とも言われ、飢えや寒さなどで約6万人が命を落とした。
このシベリア抑留の過酷な体験を記録し実態を解明するとともに、次世代に継承していくことを目的として、2011年4月にシベリア抑留者支援・記録センターは設立された。体験の聞き取りや資料の収集、講演会をはじめとするイベントの開催などの活動を行っている。
『シベリア抑留 米ソ関係の中での変容』(岩波書店、2018年)著者でシベリア抑留の研究者である多摩大学経営情報学部の小林昭菜准教授は、同センターの活動に参画。コロナ禍によりリアルでの追悼イベントが中止になった3年前から、リモートによる追悼イベントを、学生とともに中心となって実施している。
今回、会場となる多摩大学多摩キャンパスT-Studioには学生が制作した「バーチャル収容所体験コーナー」を設置。シベリア強制収容所VR体験コーナーとして、収容所の生活をアバターで体験することができる。
学生らはその制作過程において、平和祈念展示資料館(東京都新宿区)等に足を運び、資料の写真などを参照。作業を進める中で、収容所の想像を絶する悲惨な環境に想いを馳せた。
イベント当日は、多摩大学生と参加者が、抑留死亡者名簿研究の第一人者であった故・村山常雄氏の作成したシベリア抑留死亡者名簿を読み上げ、非業の死を遂げた人々を弔うとともに村山氏の偉業をしのぶ。
なお、読み上げの様子はYouTubeで同時中継され、自宅などから視聴することも可能。また、終了後には参加者・視聴者の感想や意見・情報交換のトーク・セッションも行われる。
■「シベリア抑留77年追悼イベント ―46,300人の死者たちの名前をリモート(遠隔)で刻む48時間Zoom―」
【日 時】 8月24日(水)・25日(木) 11:00~17:00 (両日とも)
【会 場】多摩大学多摩キャンパス T-Studio特設会場 (東京都多摩市聖ケ丘4丁目1-1)
【主 催】 シベリア抑留者支援・記録センター
【協 力】 多摩大学 小林昭菜研究室、戦場体験放映保存の会、history for peace、ヒロシマ連続講座、日本ユーラシア協会
【U R L】
https://2020redress.wixsite.com/46hourszoom
【イベントに関する問い合わせ先】
多摩大学 准教授 小林昭菜
kobayashi-a★tama.ac.jp
※上記の「★」記号を「@」記号に置き換えて下さい
●シベリア抑留者支援・記録センター
・URL:
https://sdcpis.webnode.jp/
※8月23日(火)には、国立千鳥ヶ淵戦没者墓苑において「戦後77年・第20回シベリア・モンゴル抑留犠牲者追悼の集い」を実施。
●村山常雄氏 略歴
1926年生まれ。
自身もソ連軍の捕虜となった経験を持ち、4年間にわたる強制労働では壌血症や肋骨カリエスに苦しめられた。帰国後は故郷である新潟県内の中学校に教員として勤務。退職後に70歳でパソコンを習い「シベリア抑留中死亡者データベース」の作成を始めた。
2005年に46,300人のデータベースをホームページで公開し、2007年には約46,300人の名簿を収録した『シベリアに逝きし人々を刻す』を自費出版。こうした功績により、2006年吉川英治文化賞、2009年日本自費出版文化賞大賞などを受賞している。
2014年5月、88歳で没。
・シベリア抑留中死亡者名簿:
http://yokuryu.world.coocan.jp/
▼本件に関する問い合わせ先
多摩大学学長室
山本紀子
住所:東京都多摩市聖ヶ丘4-1-1
TEL:0423377300
FAX:042-337-7103
メール:koho@tama.ac.jp
【リリース発信元】 大学プレスセンター
https://www.u-presscenter.jp/