シュローダー(本社:英国 ロンドン)は、アマゾン、フェイスブックを運営するメタ、グーグルを傘下にもつアルファベットの3社の年次株主総会において、従業員の権利とデジタル上の権利に関する議案を支持することを表明しました。
議決権行使に関する賛否の事前表明は、これら特定のテーマに関する各社とのエンゲージメント(企業と対話し企業価値向上に資する行動を促す取り組み)を受けたもので、シュローダーのアクティブ・オーナーシップの次のステップと考えています。アクティブ・オーナーシップとは、投資資産の価値を守り更に高めるため、株主として投資先企業の行動に積極的に影響を与えることです。
3社合計で、11の議案に対する議決権行使に関する賛否を表明します。これは、アクティブ・オーナーシップに関する新たな基準とエンゲージメントにおける目標を示した「シュローダー・エンゲージメント・ブループリント」の発表に続くものです。
https://www.schroders.com/ja-JP/sysglobalassets/schroders/sites/japan/pdf/news/20220509_engagement-blueprint.pdf
アマゾンとのエンゲージメントにおいては、ブループリントの6つの優先テーマの1つである従業員の権利支援に重点をおいています。具体的には、従業員に支払われる賃金や福利厚生の改善、従業員エンゲージメントと従業員の代表、従業員の健康や倉庫内の労働環境の改善などがあります。
メタとアルファベットに関しては、搾取的コンテンツ、誤った情報、プライバシーなどデジタル上の権利に関する取り組み改善を促す議案に賛成票を投じます。
シュローダー アクティブオーナーシップ ヘッド キンバリー・ルイスのコメント:
「シュローダーでは、アクティブ・オーナーシップに対して、これまでと異なるアプローチで取り組んでいます。私たちは、持続可能なビジネス慣行に関して、企業に明確な期待値を示すことが重要であると考え、その結果、投資先企業や投資資産に対して建設的かつ献身的に関わることで、企業の行動に影響を与えることができます。」
「ブループリントに沿った、エンゲージメントの実績がある議案を選択しました。議案のうち11件は、主要な外部擁護団体によってすでに「要注意」とされており、私たちは、それが正しいと確信する場合は、躊躇なく更なる議案に対する意向を公表する予定です。」
シュローダー ウェルスマネジメント サステナビリティヘッド ケイト・ロジャースのコメント:
「シュローダーの顧客はこれらの問題をさらに重視するようになっており、私たちも投資先企業が責任ある行動をとっているかを確認するよう求められています。アルファベットとメタの経営陣に反対票を投じることで、大手テクノロジー企業が損害を回避するために行動し、プラットフォーム上の誤った情報の問題に取り組むことの重要性を示しています。アマゾンでは、労働者の側に立ち、労働条件や待遇に関するさらなる情報開示を求めます。」
「アクティブマネジャーとして私たちが影響力を行使することで、企業がより持続可能なビジネスモデルに移行し、前向きな変化を加速させるための大きな力になります。企業や国家が地球におよぼす影響は企業収益を左右するものになってきているため、経済的利益を得るためにも重要です。これらの問題(労働者の権利とデジタル上の権利)を軽視することは、企業にとって経済的コストや風評リスクにつながると強く信じています。」
シュローダーがアマゾン、メタ、アルファベットの株主総会で賛成票を投じる意向を事前に表明している株主提案は以下のとおりです。なお、これらの株主提案に加え、他の議案ついても取締役会の提案に反対票を投じる可能性があります。
アマゾン年次株主総会(従業員の権利)
議案9:従業員の健康と安全に関する報告を求める株主提案
議案13:結社の自由に関する追加報告を求める株主提案
議案16:倉庫の労働条件に関する報告を求める株主提案
メタ年次株主総会(デジタル上の権利)
議案8:コミュニティ・スタンダード・エンフォースメントに関する報告
議案9:メタバースプロジェクトにおけるユーザーリスクとアドバイザリーボードに関する報告
議案10:第三者による人権への影響評価の公開
議案11:オンラインでの児童の性的搾取に関する報告
議案14:監査・リスク監視委員会の委員会評価
アルファベット年次株主総会(デジタル上の権利)
議案14:データ収集、プライバシーおよびセキュリティに関連するリスク管理に関する報告
議案15:アルゴリズム・システムに関する定量的・定性的情報のさらなる開示
議案16:プラットフォーム全体での誤報および偽情報に対する管理に関する委員会の第三者評価
以上
■シュローダー・グループのESGの取組み
「質の高いコーポレートガバナンス体制を確立し、本業を通じて、環境や社会の変化および課題解決に対応する企業は、長期的に企業価値の向上と持続的成長が期待できる」という考えのもと、シュローダーは20年以上、ESGの要素を取り込んだ運用を実践しています。
ESGの観点を加味した運用を通じて、社会や環境にインパクトを与える真の企業価値向上を促すと同時に、社会や経済全体の利益となり、投資収益の拡大にも繋がることを目指しています。
■シュローダー・グループの概要
シュローダー・グループは、資産運用サービスを通じてよりよい未来への貢献を目指す、英国屈指の独立系資産運用グループです。ロンドン証券取引所に上場しています。1804年の創業以来200年以上にわたり、年金基金から機関投資家、個人投資家まで、世界の投資家に、長期的な視点に立ち幅広い投資ソリューションを提供しています。現在、運用資産総額は約114兆円*に上ります。
日本とのかかわりは古く、1870年(明治3年)、日本初の鉄道敷設のために日本政府が初めて発行した国債の主幹事を、シュローダーが務めたことにさかのぼります。1974年には東京事務所を開設し、日本における事業の本格的な第一歩を踏み出しました。幅広い資産運用サービスを提供する現在も日本株式運用を事業の中核の一つに据え、約150年前と同様、日本の未来への投資を通じて歴史を紡いでいます。
※2021年12月末現在。*7,316億英ポンド、1英ポンド=155.97円換算。
※本資料におけるシュローダー・グループとは、シュローダーplcを直接もしくは間接的に親会社とする会社などを言います。