株式会社氷感サプライズ(代表取締役社長:榊原 裕高、以下氷感サプライズ)、東日本電信電話株式会社宮城事業部(執行役員宮城事業部長:滝澤 正宏、以下NTT東日本)は、食品・食材の「鮮度保持」「熟成」「高品質解凍」が実現可能である氷感庫を用いた実証を開始いたしました。
1. 背景と目的
食の生産・加工・流通・販売等の様々なプロセスにおいて、食材・食品の本来の鮮度を保持することは技術の進歩が目覚ましい昨今においても容易ではありません。例えばコロナ禍の影響により、需要と供給のミスマッチが生じ、本来食べられるはずの食材・食品が鮮度劣化により廃棄処分、となってしまうケースも多く発生しており、社会的な課題となっています。
NTT東日本は、このような課題を抱える方々に対して、課題解決となり得るかご検討いただくことを目的として、食材・食品の「鮮度保持」に加え「熟成」、「高品質解凍」を実現する氷感サプライズの氷感庫
※をNTT東日本ビル内に実証用として設置し、実証環境を提供いたします。
通信やAI/IoTなど情報テクノロジーを軸にフードテック企業や食品輸送を担う物流業者とも連携を強化し、食の流通支援事業をさらに推進してまいります。
※氷感庫
食材に直接、高電圧をかけ、氷点付近あるいは氷点以下の温度帯で保存し鮮度保持を可能にする特殊な冷蔵庫です。食材に合わせて条件を設定します。鮮度を保持することで長期に保存が出来、魚や肉、一部の青果物は熟成することで更に旨みや甘みが増して美味しくなります。生鮮品の生産や加工、販売・調理などの現場で既に活用されています。
2.概要
(1) 実施内容
実証を希望されるお客様の食品・食材を氷感庫内で一定期間保存し、食味評価や各々に応じた成分分析等をします。
その結果をお客様へフィードバックし、課題解決となり得るか検討をいただく実証を開始いたします。
(2) 実施(設置)場所
NTT東日本五橋ビル内 (住所: 仙台市若林区五橋3丁目2−1)
3.本実証に関する関係企業・関係者の役割
・氷感サプライズ
実証用の氷感庫提供、実証時の食品・食材の保存計画策定並びに全般的な実証のサポート
・NTT東日本
実証環境の提供
実証の運用、実証結果のとりまとめ
氷感庫内の環境センシング、モニタリング
・実証を希望される宮城県エリアのお客様
実証に使用する食品・食材、成分分析を行う際の成分測定器の提供、最終評価
4.その他
<実証において取得するデータについて>
・温湿度データ(温湿度センサにより氷感庫内の温湿度を測定し、実証結果に反映)
・保存食品・食材の画像データ(カメラセンサにより食品・食材を撮影、実証結果に反映)
・成分データ(取得成分に応じた測定器により成分データを測定し、実証結果に反映)
※取得データは実証後に氷感サプライズ、NTT東日本、お客様の三者でフィードバックに使用
<2022年2月より開始した実証に関して>
株式会社いたがきよりご提供の業務用いちご(にこにこベリー)にて実証を実施いたしました。
本実証は2022年2月10日~2月24日まで実施し、食味評価と外観等の分析を行いました。
・株式会社いたがき 板垣金太郎社長コメント
果物の中でいちごは特に劣化しやすいが、2週間も納品時の鮮度を保つことができて驚いている。
この氷感庫の活用により鮮度のいい食材をお客様へ提供という販売側の要望を満たすことができる。
夏いちごは納品に波があり、需要とかみ合わないこともあるが、本製品の導入により、納品した食材
の廃棄の削減への貢献が見込まれる。
<参考1>実証に使用する氷感庫(W1200 D600 H800)
<参考2>氷感庫内拡大イメージ(温湿度センサ、カメラセンサ設置箇所etc)
<参考3>電圧冷蔵保存15日目のいちご(にこにこベリー)