多摩大学(東京都多摩市)は12月11日に、「2021年度 第13回多摩大学アクティブ・ラーニング発表祭」を開催した。当日は同大のほか多摩大学附属聖ヶ丘高等学校(多摩大学と同敷地内)、多摩大学目黒高等学校(東京都目黒区)、多摩大学大学院(東京都港区・社会人大学院)、帝塚山大学(奈良県奈良市)、東京経済大学(東京都国分寺市・オンライン参加)が参加して、年代を越えた多彩な内容のプロジェクトが発表された。
多摩大学は開学以来「実学教育」を一貫して実践。ホームゼミで培ってきたアクティブ・ラーニングを深化させて地域社会の課題解決を目指す多種多様なプロジェクト、研究、アクティブ・ラーニングプログラムを展開している。その成果を共有する機会として例年「多摩大学アクティブ・ラーニング発表祭」を開催しており、今年度はコロナ対策を講じて実施した。
◆多摩大学 梅澤佳子ゼミ「世代間交流 八王子駅前サロンプロジェクト2021」
多摩大学梅澤佳子ゼミは、八王子駅前を活用した地域の高齢者の交流の場を2016年から企画運営してきたが、2020年1月以降はコロナ禍で駅前サロンは休止となった。
そこで、対面での交流に替わる企画として「オンラインサロン」を開催。オンラインのスキルがない高齢者との繋がりを継続できるよう模索する中で、紙媒体の「駅前サロン通信」を発行し、暑中見舞いや年賀状に返信用のはがきをつけて配付するといった工夫をこらすなど、試行錯誤しながら実施してきた経緯を発表した。
今後の展開としては「高齢者にやさしいオンラインの仕組みづくり」を必須として、同大と包括協定を結んでいる城南信用金庫の紹介を得て、東日本電信電話株式会社、損害保険ジャパン株式会社、SOMPOケア株式会社などの企業との意見交換が実現している。
◆多摩大学インターゼミ「コンビニエンスストアの新たな経済・社会的役割~暮らしの一部から必要不可欠な存在へ~」
多摩大学インターゼミ(寺島実郎学長直轄ゼミ・社会人も参加)は、地球規模で起きている感染症と温暖化がもたらす影響に対して、医療・防災の観点から政府が主導している具体的な取り組みの一つである、コンビニエンスストアの社会的役割をテーマに発表した。
コンビニなどの大手7社(イオン、セブン&アイ・ホールディングス、ユニー、ファミリーマート、ローソン、セブン・イレブン・ジャパン、イトーヨーカ堂)は、災害対策基本法に基づく指定公共機関に指定されており、災害発生時、地方公共団体や政府の要請により全国的なネットワークなどを生かした支援物資の調達や被災地への供給など、災害応急対策に貢献することが期待されている。その一方で、コンビニ業界は近年売り上げの伸び悩みや人手不足による店舗運営の困難、人件費高騰による運営コストの上昇、フードロスなどの経営課題を抱えている。
医療・防災におけるコンビニの可能性と課題を検討するため、同ゼミは関連文献の調査とともにコンビニ各社の店舗の実地調査、コンビニ経営者や店舗運営者へのヒアリング、大学生を中心とした一般消費者を対象としたアンケート調査を実施。研究成果としては、「コンビニ業界が抱えている諸問題の解決と同時進行で医療や防災対策を行うことが重要である」との認識に至った。
◆他大学や高校などの発表
多摩大学からはそのほか、5年目に入った飛騨高山地区の観光産業の活性化を支援する活動について、産学協同プログラムを4グループがそれぞれの活動報告を行うなど15プロジェクトの発表があった。
他大学の発表では、大学が立地する地域の活性化を企業との連携で進めて情報発信も行うプロジェクトやプラスチックの問題解決に取り組む活動、また大規模高経年団地における入居者の生活に焦点をあてた研究などが発表された。
高校からは、身近なボールペンを素材に環境問題の改善に取り組むプロジェクト、洋服のリサイクルを通してSDGsに貢献できるアプリの開発を目指すプロジェクトなど、高校生が日々の生活の中で感じる問題意識に根差した発表があった。
今回、多くのプロジェクトから地域や国内外での課題に立ち向かう活動の中で産学連携・協同を行っていることが報告され、大学がやるべきことは「社会的な課題の解決に寄与する人材と交流を生み出すこと」との基軸を確認できた発表祭となった。
●2021年度 第13回 多摩大学アクティブ・ラーニング発表祭
https://www.tama.ac.jp/al2021/index.html
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