カスタマーサクセス取り組み企業実態 カスタマーサクセスの必要性“感じている”のは業況変化がきっかけのひとつ? 本質を理解していない人は「取り組み価値を感じない」

~バーチャレクスとアイティクラウドによる実態調査、2021年版第四弾結果~

 バーチャレクス・グループのバーチャレクス・コンサルティング株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:丸山勇人、以下、バーチャレクス)は、アイティクラウド株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 兼 CEO:黒野源太、以下、アイティクラウド)と合同で実施したカスタマーサクセスに関する実態調査につきまして、今回第四弾となる結果を取りまとめました。

※これまでの調査結果
  第一弾 https://www.virtualex.co.jp/news/2021/06/2021CS-research-1.html

  第二弾 https://www.virtualex.co.jp/news/2021/07/2021CS-research-2.html
  第三弾 https://www.virtualex.co.jp/news/2021/08/2021CS-research-3.html


■第四弾調査結果概要
対象:第一弾の調査対象である21,526人の中で、自社において①「現在はカスタマーサクセスに取り組んでいないが必要性を感じている」と答えた250人および、②「現在カスタマーサクセスに取り組んでおらず今後も取り組む予定はない、かつ必要性も感じていない」と答えた250人、計500人に対して調査を行いました。

必要性を感じつつも、やはり立ちはだかるのは組織・人材に関する障壁

 まず①に当てはまるカスタマーサクセスの必要性を感じている層、②の必要性すら感じていない層、それぞれの対象者に、勤務先でサブスクリプション(サブスク)型の製品またはサービスの取り扱いがあるかどうかを尋ねました。
 何かしらのサブスク商材を既に取り扱っている、または今後取り扱う予定であると答えた人は、カスタマーサクセスの必要性を感じている層では32.6%、必要性を感じていない層については17.6%という結果でした。サブスク商材の取り扱いの有無が、カスタマーサクセスの必要性への意識の差として表れた形となりました。
 一方、サブスク商材の取り扱いはないと答えている人が、いずれの層も約半数という数字も出ており、サブスク商材を扱っていない企業においても、カスタマーサクセスは必要であると認識されているということがわかりました。



 次に、「カスタマーサクセスの必要性を感じている」人の内訳として「(今後)カスタマーサクセスに取り組む確度が高い」と答えた200人、「取り組む確度が低い」と答えた50人に対し、「実際にカスタマーサクセスの取り組みを始めることになった場合障害になりそうなことは何か」を尋ねました。
 カスタマーサクセスに取り組んでいく確度が高い層と低い層の間で大きな差が見られたものが、「経営層/上層部の理解が得られない」、「社内現場の理解が得られない」という項目でした。カスタマーサクセスの導入・実践においては、トップの理解に加え、現場での理解・浸透がどれだけ進んでいるかが鍵であることが改めてわかる結果となりました。
 一方、いずれの層でも「人材・組織体制が不十分」との回答が最も多く、次いで「何から手をつけたら良いのかわからない」との回答が続きました。以上から、経営陣や社内のコンセンサスは取れ、カスタマーサクセス取り組みへの機運が高まったとしても、いざカスタマ―サクセスに取り組み始めるとなると、人材や組織体制への不安、実際に何から手をつけたらいいのか、といった現実的な課題にぶつかっていることがわかります。

 また同じ対象者に、「カスタマーサクセスの取り組みを始めようと何か取り組んでいることはありますか?」と尋ねたところ、取り組み確度が高い人については積極的に情報収集などを行っている人が一定数いることがわかりました。しかし、「特にない」と答えた人の割合も多く、例えば前述の「障害になりそうなこと」として挙げられていた人材・組織に関する課題などについてはなかなか情報を得にくいのが現実なのかもしれません。




「必要性」感じない人が多いのは正しい理解が進んでいないからか

 続いて、②に当てはまる「現在カスタマーサクセスに取り組んでおらず今後も取り組む予定はない、かつ必要性も感じていない」と答えた人に対してその理由を聞いてみると、約3割の人は「いまいちメリットが感じられない」と回答、次いで「そもそもカスタマーサクセスに対しての理解が深くなく、ぼんやりしている(24.8%)」、「カスタマーサクセスに人員を割くなら、他にもっとやるべきことがある(23.6%)」という回答が続きました。これらは昨年の調査も上位三項目として挙がっており、カスタマーサクセスの本質への理解があまり進んでいないことがわかります。


 次に、「何が実現されるならカスタマーサクセスに取り組むことに価値があると感じますか?」と尋ねたところ、「顧客満足度の向上(28.4%)」、「利益拡大(26.4%)」という回答率を上まわり、34.4%の人が「特に価値を感じることはない」と考えているという結果となりました。




 しかし、この「特に価値を感じることはない」と回答した101人のうち、約3割の人は「いまいちカスタマーサクセスのメリットが感じられない」、1/4の人が「そもそもカスタマーサクセスに対しての理解が深くなく、ぼんやりしている」とも回答していることから、カスタマーサクセスの必要性も価値を感じていない人は、カスタマーサクセスについて、その概念や意義を正しく理解する意向すら低い(=自分事として捉えていない)ことが推察されます。

 なお、「社内でカスタマーサクセスの話題が出ることがありますか?」と尋ねたところ、7割強の人が「全く話題に出ることはない」と答えており、カスタマーサクセスについての認知の低さや、正しい理解がまだまだ進んでいないことが改めてわかる結果となりました。





「必要性感じる」ようになったのは直近一年の業況変化が起因?

 最後に、カスタマーサクセスの必要性を感じている人、感じていない人それぞれに対して、直近一年の業況について新規顧客数の変化、新規売上の変化、継続売上の変化それぞれについて聞いてみたところ、カスタマーサクセスの必要性を感じている人の方がいずれの項目においても「増加した」、「減少した」と回答した人の割合が大きいとの結果でした。業況を更に上昇させるため、もしくは業況の低下への打ち手としてカスタマーサクセスに可能性を感じている人が多い、ということなのではないかと考えます。

 逆に「カスタマーサクセスの必要性を感じない」層については、直近一年で新規顧客数、新規売上、継続売上いずれの項目においても「変わらない」と回答した人が6~7割を占めており、コロナ禍で業況が良くなるとも悪くなるともならない状態であるがゆえ、カスタマーサクセスの取り組みに対しても意義や価値を感じられないのかもしれません。前述した「自分事として捉えていない」という人も一定数いると言えるのではないでしょうか。





社会の急速な変化に対応していくためにも加速すべきカスタマ―サクセスの取り組み

 コロナ禍で顧客との向き合い方を変えざるを得ない状況、そして実際の業績の変化に直面し、カスタマーサクセスという考え方にたどり着いた人も少なくないでしょう。カスタマ―サクセスの必要性を認識したうえで、社内での導入をスムーズに進めて行けるかどうかの分岐は「経営陣の理解」がキーとなるということが今回の調査で示され、改めて「経営理念としてのカスタマーサクセス」を最初に掲げることの重要性が確認されました。一方で、今回の調査で業況に変化がなかった人ほど「カスタマーサクセスの必要性を感じない」傾向が見られることなどから、必要に迫られない限り、カスタマーサクセスの本質に触れ、その取り組みを「自分(自社)ごと」として捉えるきっかけがない、という実態も見えてきました。カスタマーサクセスは全ての企業に必要なコンセプトではありますが、それがどの程度、どのように必要か、どうあるべきか、は当然それぞれの企業の事業や組織体制、業績等によって変わります。これが唯一の正解だ、というものもありません。しかし、カスタマーサクセスの本質や価値が正しく理解されず、そもそも「自社には必要ない」という判断を下してしまっては、ビジネスの成長機会を逸するリスクが高まります。顧客と自社との絆、信頼・Win-Winの関係を構築し、新規顧客の獲得(アクイジション)と、既存顧客の維持・拡大(リテンション)との観点から売上貢献に繋げることを可能とする、それがカスタマーサクセスを実践する最大のメリットです。変化の激しい時代でも、顧客に価値を届けることでビジネスが成立するという前提は変わりません。ただ、変化の激しい時代においては、その顧客そのもの、そして顧客の求める価値は変わり続けます。そんな時代では、自社がどのような価値を顧客に提供すべき/できるのかを突き詰め続け、実際にその価値を顧客に提供できるように向き合い続けること、つまりカスタマーサクセスが必要不可欠となってくるのです。

 バーチャレクスとアイティクラウドは引き続き、「カスタマーサクセス」の啓蒙と、これから取り組んでいく、あるいはさらに深化させていく、という企業様のサポートを行ってまいります。また、バーチャレクスでは企業様のカスタマーサクセス導入や運用をサポートする様々なサービスを提供しています。
  • ワークショップ(経営者様向け/社員様向け等、カスタマーサクセスについての理解促進をサポート)
  • コンサルティングサービス(ショット/スポット型でのレビューや戦略立案等)
  • テクノロジーサービス(ツールやデータプラットフォームの導入/構築や利活用支援)
  • オペレーションサービス(カスタマーサクセスプロセス伴走支援)
 また下記サービスを無料でご提供しています。
  • カスタマ―サクセスビギナー向け入門ガイドダウンロード
  • カスタマ―サクセスの取り組み状況クイック診断
  • これからカスタマーサクセスの取り組みを検討する企業様の質問や疑問、お悩みにお答えするお悩みホットライン
 詳しくはこちらをご覧ください。https://customer-success.virtualex.co.jp/

参考:『カスタマーサクセス ―サブスクリプション時代に 求められる「顧客の成功」10の原則―』
https://www.virtualex.co.jp/corporate/customersuccess.html


【調査実施概要】
「2021年カスタマーサクセスに関する調査」
・調査方法  :インターネットアンケート
・調査実施期間:2021年2月19日~2021年2月22日
・対象地域  :全国
・対象者   :20代から 60代の有職者(パート・アルバイト、専業主婦・主夫、学生を除く)24,274人


■アイティクラウド株式会社について (http://www.itcrowd.co.jp )
アイティクラウド株式会社は、IT製品のレビューメディア事業展開を目的とし、SB C&S株式会社とアイティメディア株式会社の合弁会社として2018年4月に設立しました。「IT選びに、革新と確信を」をミッションにかかげ、企業がテクノロジーを活用する上で必要となる“信頼できる声”や“確かな情報”の集まる場である「ITreview」を同年10月に開設。リアルユーザーの製品レビューを収集・掲載することで、IT選定の透明性を高め、迅速で自信に溢れた意思決定のできる世界の実現を目指しています。

■ITreviewとは (https://www.itreview.jp/ )
ITreviewとは、法人向けIT製品・クラウドサービスのリアルユーザーが集まるレビュープラットフォームです。製品検討者においてはユーザーにより投稿されたレビューや製品情報の閲覧ができ、ビジネスの現場で受け入れられている顧客満足度の高い製品を確認できます。また、製品ユーザーにおいては、自身が活用する製品評価をレビューとして投稿でき、自身のIT活用にまつわるナレッジをシェアできます。情報共有、セールス、マーケティング、会計、ITインフラ、セキュリティ、開発などといった約330のカテゴリー、4,000製品とそれらに関するレビューを約4.5万件掲載しています。

■バーチャレクス・コンサルティング株式会社について (https://www.virtualex.co.jp )
バーチャレクス・コンサルティングのビジネスはコンタクトセンターが原点となっており、1999年以来約20年にわたってアウトソーシングサービスを提供しています。現在ではRPAやMAなどのテクノロジーを活用したお客様へのサービスやコンサルティングにも注力しており、「コンサルティング」「テクノロジー」「アウトソーシング」という3つのコアスキルを融合させ、”Succession With You”をタグラインにクライアント様と伴走し、カスタマーサクセスを目的としたビジネスを展開しています。
本件に関するお問合わせ先
専用フォームよりお問い合わせください
https://www.virtualex.co.jp/contact_form/service-agree.html

この企業の関連リリース

この企業の情報

組織名
バーチャレクス・コンサルティング株式会社
ホームページ
http://www.virtualex.co.jp/
代表者
丸山 勇人
資本金
2,000 万円
上場
東証グロース
所在地
〒105-0001 東京都港区虎ノ門4-3-13ヒューリック神谷町ビル8F
連絡先
03-3578-5300

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