獨協大学法学部の学生らがゼミ活動で仮想WHO世界保健総会を体験 -- IHRの改正案について検討



獨協大学(埼玉県草加市/学長:山路朝彦)法学部の鈴木淳一ゼミナールは1月4・5日の2日間にわたり、WHO(世界保健機構)の世界保健総会を想定して、現在のパンデミックに対応するためのシミュレーションを行った。会議はオンライン会議システムZoomを利用して実施。学生らは各国から派遣された専門家となって改正案について交渉し、議論の結果、現状のIHR(国際保健規則)を強化する改正案が賛成多数で可決された。




 獨協大学法学部鈴木淳一教授のゼミでは今年度、「WHOが新型コロナウイルスのパンデミックを阻止できなかったのはなぜか」という問題意識から、感染症に関する国際法について1年をかけて分析してきた。

 このたび、そのまとめとして、WHOの世界保健総会を想定したシミュレーション「Operation Covid-19」を実施。WHOが制定した感染症対応のための枠組みであるIHR(国際保健規則)の改正案について検討した。
 今回は、オンライン会議システムZoomを利用。遠隔会議は対面での会議とは異なるため、新しい工夫を試みながら進行した。会議文書や決議案はクラウド上で共有し、出席者の管理や投票行動管理もネットワーク上でリアルタイムに行った。
 シミュレーションでは、学生らがそれぞれ各国から派遣された専門家となって改正案について交渉。会議だけでは他人の行動が把握できないため、参加国ごとにバーチャル大使館を設置し、誰が誰と交渉しているのか相互に可視化できるようにした。また、会議では参加者間での細やかな気持ちや本音での意思疎通が困難なことがあるため、匿名制の投稿システムを導入。参加者の率直な感情を共有できるようにして行われた。
 2日間にわたる議論の結果、現状のIHRを強化する改正案(日本語および英語)が賛成多数で採択された。

◆鈴木淳一国際関係法学科教授のコメント
 世界はこれまでWHOのIHRを中心として感染症対策を実施してきましたが、現実の世界では、残念ながら、新型コロナウイルスのパンデミックを防ぐことができませんでした。
 こうした状況を少しでも改善するべく、学生たちは遠隔授業で培った技術を駆使して、膨大な準備をして熱心に会議に臨みました。今回のシミュレーションを通じて、遠隔授業の利点を利用しつつ、人との自然なつながりをバーチャル空間に再現することで、切磋琢磨しながら国際法について学べることが分かりました。
 会議後に学生へ実施したアンケートでは、遠隔授業でのアクティブラーニングの可能性に期待する声がありました。本会議の成果は、今後、論文等を通じて発表予定です。


▼本件に関する問い合わせ先
獨協大学 法学部 国際関係法学科
教授 鈴木淳一(すずき・じゅんいち)
住所:埼玉県草加市学園町1-1
メール:jsuzuki@dokkyo.ac.jp


【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

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