―複数の臨床試験において、ジセレカの持続的な有効性が一貫した安全性プロファイルとともに52週にわたり維持―
ギリアド・サイエンシズ株式会社(以下「ギリアド」、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:ルーク・ハーマンス)とエーザイ株式会社(以下「エーザイ」、本社:東京都文京区、代表執行役CEO:内藤 晴夫)は、本日、新規の経口ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤の「ジセレカ(R)錠100mg、同錠200mg」(一般名:フィルゴチニブマレイン酸塩)について、ギリアドが関節リウマチ治療薬として日本における製造販売承認を厚生労働省より取得したことをお知らせします。2019年12月に両社が締結した販売提携契約に基づき、ジセレカの製造販売承認はギリアドが保有し、販売はエーザイが担当します。情報提供活動については、両社共同で実施します。
ジセレカは、JAK1に選択性を有する新規経口JAK阻害剤(1日1回投与)です。ジセレカの効能・効果は、「既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)」です。
本承認について、慶應義塾大学医学部 内科学(リウマチ)教室 教授の竹内 勤 医師は、「関節リウマチの治療は進歩を遂げているものの、治療ガイドラインが掲げる治療目標に達しない患者さんはいまだに多く、安全かつ有効な治療選択肢へのアンメット・メディカル・ニーズが依然として存在します。ジセレカは、新しいJAK阻害剤であり、臨床試験では生物学的製剤に対して効果不十分な患者さんを含む幅広い患者集団において、臨床的改善や低疾患活動性及び臨床的寛解が示されています」と述べています。
産業医科大学医学部 第1内科学講座 教授の田中 良哉 医師は、「関節リウマチは、多くの患者さんが全身の倦怠感や痛みを訴えるなど、患者さんの日常生活に大きく影響しうる疾患です。患者さんに効果的な症状管理と新しい希望の提供が可能となる新たな治療選択肢を用意することは重要なことです」と述べています。
日本におけるジセレカの承認は、国際共同試験である第III相FINCH試験及び第II相DARWIN試験から得られた堅牢なデータに基づいています。この一連の臨床試験は、治療歴のない患者様や生物学的製剤など標準治療薬に対して効果不十分な患者様を含め、幅広い集団の患者様3,500人以上を対象に実施されました。ジセレカを1日1回投与された患者様では、臨床的兆候及び症状の改善、疾患活動性の低下、ならびに関節の構造的損傷の進行抑制が認められました。FINCH試験を通じて、ジセレカは一貫した安全性プロファイルを示し、注目すべき有害事象(重篤な感染症、帯状疱疹、静脈血栓塞栓症、主要心血管イベント等)の発現率は対照群と同程度でした。
両試験にわたり、ジセレカ投与による発現率が高い副作用は悪心、上気道感染、尿路感染及び浮動性めまいでした。帯状疱疹及び肺炎の発現率はそれぞれ0.2%及び0.3%でした。重篤な感染症の100人・年あたりの発現率(95%信頼区間)はジセレカ200mg投与群で1.7(1.3、2.1)、ジレセカ100mg投与群で2.5(1.9、3.3)でした。ジセレカを処方する医師には、肺炎、結核、敗血症、その他のウイルス性感染症を含めた新たな感染症の発症の確認、あるいは既存の感染症の症状の経過観察を推奨しています。
ギリアドの代表取締役社長 ルーク・ハーマンス(Luc Hermans, MD)は「今回の承認により、これまでの治療法で効果が得られなかった関節リウマチの患者さんに ジセレカを提供できることとなり、この困難な疾患の治療において重要な前進を意味します」と述べています。
エーザイ 常務執行役 エーザイ・ジャパン プレジデントの籔根英典は「今回の承認を受け、当社の国内の関節リウマチ領域における豊富な臨床開発・販売経験を活かし、本剤を関節リウマチの新たな治療選択肢として一日も早く日本の患者様にお届けするとともに、患者様のQOL向上に貢献できることを期待しています」と述べています。
ギリアド及びジセレカの創製元であるガラパゴスNV(本社:ベルギー メヘレン)は、先に報告された潰瘍性大腸炎を対象とした第III相SELECTION試験をはじめ、複数の疾患を対象としたジセレカの臨床試験も進めています。
FINCH試験について
第III相FINCH試験では、初期段階から生物学的製剤投与歴を有するまでの、幅広い関節リウマチ患者集団を対象に、フィルゴチニブ 100mg または 200mgの1日1回投与の有効性及び安全性を評価しました。FINCH 1試験は、無作為化、プラセボ またはアダリムマブ対照、MTX併用試験で、試験期間は52週間であり、MTXの効果が不十分であった中等度~重度の活動性関節リウマチ成人患者様 1,759人を組み入れました。FINCH 1試験の主要評価項目は、12週時点のACR20でした。また24週・52 週時点でのX線画像の評価も実施しました。FINCH 2試験は、生物学的DMARD(疾患修飾性抗リウマチ薬)の効果が不十分であった中等度~重度の関節リウマチ成人患者様449人を対象として、従来型DMARD併用下でフィルゴチニブを評価する、無作為化、プラセボ対照、二重盲検、第III相国際共同試験で、試験期間は24週間でした。FINCH 2試験の主要評価項目は、12週時点のACR20でした。FINCH 3試験は、MTX 投与歴のない1,252人を対象とした無作為化試験で、試験期間は52週間であり、MTX単剤投与とフィルゴチニブ投与(フィルゴチニブ200mg単剤、フィルゴチニブ100mg+MTX併用、フィルゴチニブ200mg+MTX併用)を比較検証しました。FINCH 3試験の主要評価項目は、24週時点のACR20でした。また24週・52週時点でのX線画像の評価も実施しました。
ギリアド・サイエンシズについて
ギリアド・サイエンシズ・インクは、医療ニーズがまだ十分に満たされない分野において、革新的な治療を創出、開発、商業化するバイオファーマ企業です。会社の使命は、生命を脅かす病を抱える世界中の患者さんのために医療を向上させることです。カリフォルニア州フォスターシティに本社を置き、世界35か国以上で事業を行っています。
ギリアド・サイエンシズ・インクに関する詳細は、
https://www.gilead.com/ をご覧ください。
ギリアド・サイエンシズ株式会社に関する詳細は、
https://www.gilead.co.jp/ をご覧ください。
エーザイ株式会社について
エーザイは、患者様とそのご家族の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する「ヒューマン・ヘルスケア(
hhc)」を企業理念としています。グローバルな研究開発・生産・販売拠点ネットワークを持ち、戦略的重要領域と位置づける「神経領域」「がん」を中心とするアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患領域において、世界で約1万人の社員が革新的な新薬の創出と提供に取り組んでいます。また、当社は開発途上国・新興国における医薬品アクセスの改善に向け主要なステークホルダーズとの連携を通じ積極的な活動を展開しています。
エーザイ株式会社の詳細情報は、
https://www.eisai.co.jp をご覧ください。
ギリアドの将来予想に関する記述
本プレスリリースは、1995年米国民事証券訴訟改革法(Private Securities Litigation Reform Act of 1995)で定義される「将来予測に関する記述」に該当し、いくつかのリスクや不確定要素などの要因に左右される場合があります。ジセレカは、日本において、関節リウマチの治療薬として商業化にいたらない場合があります。また、ジセレカが関与する進行中の臨床試験や追加の臨床試験で好ましくない結果が判明する可能性があり、他の規制当局がジセレカを関節リウマチやその他の適応症の治療薬として承認しない可能性があり、承認された場合においても使用が大きく制限される可能性もあります。また、ギリアドが戦略的にジセレカの開発・商業化を中止し、その結果、ジセレカの商業化にいたらない可能性もあります。これらのリスク、不確定要素、その他の要因により、実際の結果が「将来予想に関する記述」と著しく異なったものとなる可能性があります。これらの将来の見通しに関する記述に依拠しないようご注意ください。これらのリスクやその他のリスクについては、米国証券取引委員会に提出している、2020年6月30日を四半期末とするギリアド四半期報告書(フォーム 10-Q)で詳細に説明しています。将来予想に関する記述はすべて、ギリアドが現在入手できる情報に基づいており、ギリアドは将来予想に関する記述を更新する義務を負いません。