京都橘大学(京都市山科区、学長:日比野英子)と大阪大学データビリティフロンティア機構(大阪府吹田市、機構長:尾上孝雄)に設置するライフデザイン・イノベーション拠点本部(拠点本部長:八木康史)は、健康・教育・都市生活などのライフデザイン分野に関連するイノベーションの創出をめざし、2020年5月1日、相互に連携・協力を行っていく協定を締結しました。
これは「Society 5.0実現化研究拠点支援事業」に大阪大学が代表機関として採択された「ライフデザイン・イノベーション研究拠点」事業における、パーソナル・ライフ・レコードデータ(PLR)※1の収集加速・利活用の範囲拡充などの研究推進や、京都橘大学としてのAI時代にふさわしい教育研究の推進を図ろうとするものです。
両者は、本連携協定のもと、2020年5月から2023年3月まで、健康・教育・都市生活などのライフデザイン分野の共同研究や学生および教職員の交流などにおける提携を行います。
<本学における連携協定の意義>
京都橘大学は、現在、国際・人文・教育・社会・医療系など6学部13学科を擁しており、2021年には新たに情報系の分野を含む新学部(工学部・経済学部・経営学部)※2の設置を予定しています。この改革においては、学部新設にとどまらず、AI時代の人材養成として、情報を軸に多様な学部学科とともに京都橘大学がこれまで培ってきた、地域、企業、行政とのつながりを大幅に強化し、さまざまな課題への取り組みを促すことにより新たな価値創造や時代に対応した人材育成につなげることを目標としています。また、このたびの連携・協力協定により、京都橘大学が持つ医療・教育・都市生活など教育研究分野の資源と情報学を融合し、政府が進めるSociety 5.0事業推進を図るとともに、全学的な研究を推進し、成果を学習支援に還元するような京都橘大学独自の仕組み構築をめざしています。
<連携の内容>
今回の協定では、以下の事項について互いに連携・協力していきます。
(1)健康・教育・都市生活などのライフデザイン分野の共同研究に関する事項
(2)研究に必要な施設・設備・備品の共同利用に関する事項
(3)学生及び教職員の交流に関する事項
(4)その他必要と認められる事項
<大阪大学ライフデザイン・イノベーション研究拠点について>
大阪大学ライフデザイン・イノベーション研究拠点(以下「iLDi」)は、Society 5.0(超スマート社会)の実現に向け、パーソナルデータを有効活用した新たな研究スタイルを確立するために大阪大学が設けた実証拠点であり、2018年9月に、文部科学省が実施した2018年「Society 5.0 実現化研究拠点支援事業」において、全国で唯一採択された研究拠点です。
生活の質(クオリティ・オブ・ライフ=QOL)の維持・向上をめざした「ライフスタイル」研究、心と体の健康増進をめざした「ウェルネス」研究、楽しみと学びを実現する「エデュテインメント」研究の3つの分野の研究を並行して推進し、人の健康と日常生活の関わりから、身体の健康、心の健康、社会的健康(コミュニケーション)、環境の健康を基軸にして、高いQOLを実現するための、さまざまな技術革新と社会経済環境の変革を発信していくことをめざしています。今後、効率的なデータ収集を目指すため他大学等とデータ収集を中心に組織間連携を推進していきます。また、PLR(パーソナル・ライフ・レコード)基盤の試験運用を行うとともに、全てのプロジェクトにおいて、データ利活用が期待される形でのデータ収集を促進することとしています。
<大阪大学ライフデザイン・イノベーション研究拠点グランドチャレンジ研究プロジェクトについて>
iLDiでは、中核機関として理化学研究所および日本電気株式会社の参加を得て大阪大学の研究者らが中心となり、未来を創る10個の研究プロジェクトを推進しています。
研究プロジェクトのうち、グランドチャレンジ研究プロジェクトでは、北は北海道から南は九州まで日本を縦断する、22大学との研究プロジェクト推進を図り、2020年度は新たに15件を採択し、継続分を含め計30件の研究プロジェクトを実施しています。
<京都橘大学はiLDiのグランドチャレンジ(公募型研究)にも採択>
iLDiは拠点活動の先進的取り組みとしてライフデザイン・イノベーション研究が掲げるパーソナル・ライフ・レコード(PLR)を活用した、新たなPLR活用ソリューション、PLRプラットフォーム、実証フィールド整備に関するプロジェクトを「グランドチャレンジ」として公募し研究を推進しています。
この度、京都橘大学は、阪本崇副学長(現代ビジネス学部経営学科・教授)をプロジェクトの統括者とし、現代ビジネス学部、看護学部、健康科学部の教員チーム(計14名)が、健康・教育・都市生活分野のPLRデータ収集と利活用を研究テーマに、このグランドチャレンジに応募申請し採択されています。
京都橘大学には看護学部や健康科学部など、iLDiがめざす健康・教育・都市生活などライフデザイン分野に関連した学科を擁しており、看護(看護学科)、行動心理・教育心理(心理学科)、スポーツや運動器障害(理学療法学科)、緊急時医療支援(救急救命学科)など、健康・教育・都市生活分野に関連する教育・研究を実施する教員が多数所属していることに加え、学生の演習や実務訓練などを支える医療機関や高齢者施設など、京都橘大学と連携する機関・施設も複数あります。また、現在の都市生活を考える上で無視することのできない観光の領域も含めて実証的に地域研究を行う教員も複数所属し、多くの自治体と協定を結ぶなど、地域との連携も積極的に行っています。こうした特徴を活用して、iLDiの進めるパーソナル・ライフ・レコード(PLR)データの収集・活用を拡充すべく、下記5項目の研究を実施することを計画しています。
(1)看護学科の看護実践記録/看護シミュレーション教育データ収集・分析
(2)救急救命学科における実習教育関連データの収集・分析
(3)体育系クラブ所属学生の運動量データ、熱中症データ、スポーツ外傷予防データの収集・分析
(4)京都橘大学学生の学習支援のためのデータ収集・分析
(5)京都などにおける観光客などの行動に関する情報の収集・分析
今回の協定締結は、こうしたグランドチャレンジで申請した研究内容などをさらに深めていくことにもつながります。京都橘大学は、Society 5.0の早期実現に向け、iLDiの各プロジェクトのデータ収集や分析に積極的に協力し、連携していきたいと考えています。
※1 パーソナル・ライフ・レコード(Personal Life Records:PLR)
PLRとは、人々の医療・健康情報である情報「パーソナル・ヘルス・レコード(Personal Health Records:PHR)」に日常生活、職場/学校での活動、食事、スポーツ活動など、日常生活のさまざまな活動データを加えた情報をいいます。
※2 2021年4月設置届出書類提出中。新学部学科名称はいずれも仮称。計画内容は予定であり、変更することがあります。
▼本件に関する問い合わせ先
京都橘大学企画広報課
住所:〒607-8175 京都市山科区大宅山田町34
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