【京都産業大学】タンパク質の翻訳中に細胞の中でリボソームが交通渋滞を起こす要因を解明-- 米国科学誌Cell Reportsに掲載



京都産業大学生命科学部 三嶋雄一郎准教授らの研究グループは、次世代シークエンサーを用いた新たな解析方法「ダイソームプロファイリング法」を確立し、タンパク質の翻訳中に起きる「リボソーム渋滞」の要因を解明した。




細胞内の遺伝情報に基づいてタンパク質の合成反応である「翻訳」は、さまざまな因子によって制御されている。その翻訳の主役を担うリボソームは、一定の速度でメッセンジャーRNA(mRNA)(※1)を翻訳してタンパク質を作るわけではないため、翻訳の過程でリボソームがmRNA上で一時停止する「リボソーム渋滞」を引き起こすことがある。
翻訳が完全に止まると、リボソームは細胞に毒性をもたらす不完全なペプチドを生産してしまう恐れがあることから、それを防ぐために細胞は複数の経路でリボソームの翻訳速度を監視している。これまでは適切な技術が存在しなかったことから、細胞中のどのmRNAのどの位置でリボソーム渋滞が起きるのか、またその原因などについては解明されていなかった。

今回、京都産業大学生命科学部 三嶋雄一郎准教授と理化学研究所などの共同研究グループは、次世代シークエンサー(※2)を用い、リボソーム渋滞時に生じるmRNA断片を読み取る「ダイソームプロファイリング法」(図A)を開発。ヒト細胞と熱帯魚ゼブラフィッシュの全ゲノムで渋滞の位置を特定(図B)するとともに、リボソーム渋滞が複数の特定アミノ酸配列や終止コドンなどで起きること、渋滞したリボソームから合成される新生ペプチドの一部は不完全なものと識別されて分解されることなどを明らかにした。

「ダイソームプロファイリング法」は、リボソーム渋滞を網羅的に調べることに特化した高精度の手法であり、この手法を活用することで多種多様な生物種におけるリボソームの翻訳制御のより一層詳しい理解が期待できる。また、タンパク質の翻訳そのものに関する基礎研究はもとより、神経変性疾患などリボソーム渋滞が原因で発症する疾患の理解の貢献が期待できる。

この研究成果は、2020年5月6日(日本時間)に米国科学誌Cell Reportsに掲載された。

むすんで、うみだす。  上賀茂・神山 京都産業大学

※1 タンパク質のアミノ酸の並び方の情報(コドン)を持つRNAで、リボソームによってコドンが読み取られてタンパク質が合成される
※2 DNAの塩基配列を決定するための装置で、DNA断片の塩基配列を同時並行的に、より高速高精度に決定することができる。

関連リンク
生命科学部 三嶋 雄一郎 准教授と理化学研究所などの研究グループが、細胞の中でリボソームが交通渋滞を起こす要因を明らかにしました
https://www.kyoto-su.ac.jp/news/20200507_400a_news.html

京都産業大学 生命科学部 三嶋 雄一郎 准教授
https://www.kyoto-su.ac.jp/faculty/professors/ls/mishima-yuichiro.html

京都産業大学生命科学部
https://www.kyoto-su.ac.jp/faculty/ls/


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【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

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