Formlabs、病院が新型コロナウィルス感染症に対処するための取り組みを公開

新型コロナウィルス感染症の検査用に、3Dプリントされた鼻咽頭スワブの採用に成功し、BiPAPマシンを人工呼吸器に変換する3Dプリント製アダプタのFDAの緊急使用許可(EUA)を取得

3Dプリント大手企業のFormlabsは本日、世界中の病院や医療機関が新型コロナウィルス(COVID-19)の感染症に立ち向かうための、自社が取り組んできた経緯とその結果について公開しました。最新の情報は、https://formlabs.com/covid-19-response/ に集約、更新されています。

Formlabsは米国の医療機関と連携し、PCR検査用の3Dプリント製鼻咽頭スワブ(綿棒)やBiPAP(二相性陽圧呼吸器)を人工呼吸器に変換するアダプタの開発とテストを行っています。Formlabsは現在、FDA(アメリカ食品医薬品局)登録済みの米国マサチューセッツ州の本社や米国オハイオ州のプリント施設で数百台の3Dプリンタを用いて鼻咽頭スワブとBiPAPアダプタを製造し、米国内の医療機関などに出荷しています。

さらに、多くの病院、医療機器メーカ、研究機関、歯科技工所では、米国、ヨーロッパ、アジアの全域で鼻咽頭スワブやBiPAPアダプタ、その他の新型コロナウィルス対策パーツを製造するためにFormlabsの3Dプリンタが使用されています。Formlabsとユーザ、パートナーは、世界的なパンデミックに対処するため、計100万個以上の鼻咽頭スワブと数千個のパーツを製造してきました。また、Formlabsは3月に多くの国や地域をカバーするコミュニティネットワークを構築し、必要とされるパーツの3Dデータを公開(https://formlabs.com/covid-19-response/community-part-library/)しました。現在、90以上の国と地域で3,000人以上のボランティアが5,000台以上の3Dプリンタを用いて現地でパーツなどを製造しています。

<新型コロナウィルス(COVID-19)感染症への取り組み>
2020年を迎えた直後、新型コロナウィルスが世界各地で流行し、各国の感染者数が急増しました。その結果、ウイルスの有無を確認するPCR(Polymerase Chain Reaction:ポリメラーゼ連鎖反応)検査の必要性が飛躍的に高まり、PCR検査に必要な鼻咽頭スワブの数が供給量を大きく上回ってしまう事態が発生しました。
この状況に対しFormlabsは、米国のUSF Healthや、ニューヨーク最大のヘルスケアプロバイダであるNorthwell Healthと提携し、不足している鼻咽頭スワブを3Dプリントするアイデアに至り、1週間後には効率的かつ確実に3Dプリント可能なデザインを完成させ、医療機器の製造に使用できる生体適合性材料であるSurgical Guide Resinを使用して、鼻咽頭スワブを試験的に製造しました。

製造された鼻咽頭スワブは、Northwell Health、USF Health、米国フロリダ州のTampa General Hospitalの臨床医によって、安全性や快適性、有効性について検証されました。これらの試験をすべてクリアした後、鼻咽頭スワブは患者に使用されています。現在Formlabsは米国オハイオ州に拠点を置くFormlabsのFDA登録施設で、約200台の3Dプリンタを用いて最大10万本の鼻咽頭スワブを毎日製造しています。

同様に、新型コロナウィルスに感染し、重篤となった患者に救命治療を提供するために必要な人工呼吸器も不足する事態に至っています。この状況に対しNorthwell Healthは、BiPAPを人工呼吸器に変換するためのアダプタをFormlabsの3Dプリンタで製造し、完成させました。その後、Northwell HealthとFormlabsは、FDAの緊急時使用認可(EUA https://www.fda.gov/media/136528/download)を取得し、このBiPAPアダプタを使用して、病院が睡眠時無呼吸の患者に使用するBiPAPマシンを機能的な侵襲型人工呼吸器に変換するのを支援しています。

FDAからEUAを取得した最初の3DプリンタメーカとなったFormlabsは、FDA登録済みの本社にある150台の3Dプリンタによって毎日3,000個のBiPAPアダプタを製造し、米国中の病院および政府機関に配布しています。


<コミュニティネットワーク>
Formlabsは、新型コロナウィルスにFormlabsユーザやボランティアなどとともに立ち向かうべく、コミュニティネットワークを3月に設立しました。このコミュニティネットワークは、新型コロナウィルスの感染拡大を防ぐための3Dデータの共有や必要な場所での製造などを目的としており、マスククリップやドアハンドル、通気性フェイスマスクフレームなどが共有されています。
4月末時点で、90以上の国や地域において、3,000人以上のボランティアが5,000台以上の3Dプリンタを用いて、感染拡大を防ぐために必要となるパーツを現地で製造し、提供しています。


Formlabsについて
Formlabsは簡単に利用可能なデジタル製作技術の幅を広げ、誰もがものづくりができるようにします。マサチューセッツ州サマービルに本社を置き、ドイツ、日本、中国、シンガポール、ハンガリー、米国ノースカロライナ州にオフィスを持つFormlabsは、世界中のエンジニア、デザイナ、メーカおよび意思決定者が求めるプロフェッショナル向け3Dプリンタを提供しています。Formlabsの製品には、光造形(SLA)方式の最新技術であるLow Force Stereolithography(LFS)™ 3Dプリント技術を駆使したForm 3、Form 3BおよびForm 3L、Form 2 SLA 3Dプリンタ、後処理ソリューションであるForm WashおよびForm Cure、Fuse 1 SLS 3Dプリンタ、Form Cell製造ソリューションなどがあります。また、Formlabsは、業界最高クラスの3Dプリント用ソフトウェアに加え、3Dプリントの可能性を広げるさまざまな高性能素材も独自に開発しています。

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この企業の情報

組織名
Formlabs株式会社
ホームページ
https://formlabs.com/jp/
代表者
マキシム ロボフスキー
上場
非上場
所在地
〒140-0001 東京都品川区北品川3-6-9 北品川369ビル 1F
連絡先
03-6718-4004

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