高島屋東別館のリノベーション工事が完了し、シタディーンなんば大阪が開業、高島屋史料館が改装オープンを迎える運びとなりました。
↑リノベーション後の高島屋東別館(完成予想図)
株式会社高島屋(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:村田善郎、以下当社)は、高島屋東別館(大阪市浪速区)のリノベーション工事が完了し、シタディーンなんば大阪が開業、高島屋史料館が改装オープンを迎える運びとなりましたのでお知らせいたします。
当社は、保有資産の有効活用に向けて当社史料館や事務別館として利用してきた高島屋東別館のリノベーション計画を進めてまいりました。
訪日外国人に人気の黒門市場を擁する日本橋エリアという立地を活かし、アジア最大規模の不動産会社キャピタランド社傘下にあり、サービスレジデンスを世界展開するアスコット社のブランド「シタディーン」をメインテナントとして誘致。
賃貸面積をこれまでの約4倍の1.8万m2に拡大し、館全体の収益性を高めるとともに、シタディーンなんば大阪から高島屋大阪店への来店促進を積極的に行い、インバウンド対策も強化してまいります。
賃貸面積の拡大に合わせ、既存の史料館、自社事務所も刷新。史料館の発信機能や、オフィス機能の強化を図ります。
世界的ホテルの誘致や日本の百貨店文化の発信拠点のリノベーションにより、国の有形文化財に登録された昭和初期の百貨店建築様式をもつ当建物の価値をより高め、なんば・日本橋エリアの新たなランドマークとして地域の発展に寄与してまいります。
I.高島屋東別館について
高島屋東別館は、アーチやアーケードなどの華やかな意匠をもつ昭和初期の百貨店建築として「国土の歴史的景観に寄与しているもの」と評価され、2019(平成31)年3月に国の有形文化財(建造物)に登録されました。
リノベーションにあたっては、“『´変わらない´のに、あたらしい。』をかたちにする”をテーマに、外観は既存素材のテラコッタや意匠を残す一方、内装は階段・エレベーター廻りに見られる大理石やアールデコ調の装飾を活かしつつ全面的に刷新し、「新旧が交錯する空間」としてまいります。
1.建物の特徴
(1)既存建物の特徴
堺筋面に沿って続く11連アーチ、67mも続くアーケードにはショーウインドーが並びます。
内部は階段・エレベーターホールなどに大理石をふんだんに使い、随所にアカンサスの葉飾りをモチーフにした華やかな装飾が施され、往時の百貨店の姿を今に伝える貴重な建築となっています。
(2)リノベーション計画
外壁は洗浄した上で剥離防止などの補修処理を行い、歴史的建造物の外観を保存。
一方、内装については本建物の特徴である大理石やアカンサスの意匠、天井、梁、柱、階段などの造作を残しながら、ホテルの客室・レストランを新設し、史料館、事務所、ビル共用部も全面的にリノベーションいたしました。
2.建物の歴史
・1923(大正12)年
御堂筋の完成以前、心斎橋筋とともに大阪を代表するメインストリートであった堺筋に面する場所に松坂屋が木造3階建の仮営業所を建築(所有者:松坂屋)
・1928(昭和3)年
第1期工事:鉄骨鉄筋コンクリート造 地上6階、地下1階で南棟建設。施工は竹中工務店(所有者:松坂屋)
・1934(昭和9)年
第2期工事:北棟(地上9階、地下3階)を増築(所有者:松坂屋)
・1937(昭和12)年
第3期工事:最初の木造建物を解体。北棟と連続する形で中央棟、南棟の上層階を増築し、外観も北棟・中央棟に揃え、ほぼ現在の形となる(所有者:松坂屋)
・1966(昭和41)年
松坂屋が天満橋に移転。その後1968(昭和43)年、当時の所有者竹中工務店から当社が借用。高島屋東別館として開設し、本社、大阪店諸部門、タカシマヤ友の会などを置く(所有者:竹中工務店)
・1969(昭和44)年
当社が竹中工務店より建物取得(※以降、所有者:高島屋)
・1970(昭和45)年
高島屋史料館開館。展示施設として創業以来の収蔵品を一般に公開
・2016(平成28)年
耐震工事完了
・2019(平成31)年
国の有形文化財(建造物)に登録。昭和初期の華やかな意匠をもつ百貨店建築として「国土の歴史的景観に寄与しているもの」と評価
・2019(令和元)年
躯体、外壁補修による健全化完了
3.建物の概要
・建物名称・所在地
高島屋東別館(Takashimaya East Building) 大阪府大阪市浪速区日本橋3-5-25
・建築年代・設計者
1928(昭和3)年/1934(同9)年・1937(同12)年増築 鈴木禎次
・構造及び大きさ
鉄骨鉄筋コンクリート造 地上9階 地下3階 高さ約30m 延床面積 約4.1万m2
・用 途
宿泊施設(賃貸)、史料館、自社事務所など
・投資額
賃貸エリア:89億円、自用エリア:56億円
4.アクセスとフロア構成
II.シタディーンなんば大阪
「シタディーンなんば大阪」では「The Department Hotel」をコンセプトに昭和初期の百貨店建築の面影を残すアールデコ調の華麗な装飾を活かしつつ、木のぬくもりを感じるモダンなお部屋がくつろぎの時間を提供します。
日本では東京(2軒)、京都に次ぎ4施設目の展開となります。
世界32カ国180を超える都市で宿泊施設を保有し、計13ブランドを展開するアスコット社が運営いたします。
高島屋大阪店と連携し、百貨店への来店促進に向けて宿泊客専用サービスを提供するほか、隣接する史料館を通じて日本の生活文化に触れられる、今までにない宿泊体験、購買体験を叶えます。
↑メインエントランス
↑(写真上)天井装飾が美しいレセプション(1階)
(写真下)長期滞在も可能なゆったりした客室
↑(写真上)ジム(4階)
(写真下)キッチンを備えたレジデンスラウンジ(6階)
【概 要】
名 称: シタディーンなんば大阪(citadines Namba Osaka)
客室数: 313室 ※賃貸面積 約17,000m2
客室以外の主な施設:レストラン&カフェ、ジム、ミーティングルーム、キッズルーム、レジデンスラウンジなど
ホームページ:
https://www.citadines.com/ja/japan/osaka/citadines-namba-osaka.html
III.高島屋史料館
高島屋史料館は1970(昭和45)年、株式会社設立50周年記念事業の一環として高島屋東別館に開館。
創業以来、企業活動の中で蓄積してきた資料を収集・保存し広く公開・活用していくことを目的としています。
また企業の歴史をひも解き、その精神や文化を受け継いで、未来の百貨店のあり方を考えるタカシマヤ・アーカイヴス活動の拠点でもあります。
開館50周年を迎える節目の年に、「当社が未来に向けて成長し続けるための戦略拠点としての企業史料館」をコンセプトにリニューアル、日本の百貨店文化の魅力や当社が担ってきた役割を社内外へ広く発信してまいります。
【主な施設】
↑展示室 (約500m2)
多彩なテーマ設定のもと企画展を開催する企画展示室に加え、高島屋の歴史と百貨店文化の魅力を気軽に楽しく体感できる所蔵品の展示や豊富なデジタルコンテンツを閲覧できるアーカイヴス展示室を設置いたします。
↑ロビー (約90m2)
オリジナルの天井装飾などを活かし、壁面に社業を象徴的に表す美術染織品下絵「薔薇図」を表現。
700点余りの所蔵品を鑑賞できる大型タッチパネル「高島屋コレクションボード」は直感的な検索が可能です。
【概 要】
名 称: 高島屋史料館(Takashimaya Archives)
収蔵資料:美術品、百貨店資料、創業家文書など約5万点
面 積: 約1,500m2(展示室ほか:約600m2、収蔵庫:約900m2)
IV.高島屋グループオフィス
2019年春に先行開設した東京の「高島屋グループ本社ビル」同様、当社グループ企業のオフィス機能を集約し、グループシナジー効果の発揮を目指します。
コミュニケーションの質・量の向上、生産性の高い働き方の実現を目指し、オープンレイアウト、グループアドレス、デジタルツール強化、ペーパーレスを柱に「ABW」(※)を基本とし、本年10月下旬より先行稼働しております。
※ABW:「Activity Based Workplace」。業務内容に応じて「適業適所」の場所を選択できる執務環境。
【概 要】
構 成: オフィス(企画本部、総務本部、MD本部、グループ企業など)、会議室、社員食堂など
面 積: 約2,100m2
以 上