アストラゼネカのAnifrolumab 全身性エリテマトーデスの患者さんを対象とした第3相試験で主要評価項目を達成

TULIP 2試験の良好なトップライン結果 は、複合的SEL評価における
統計学的に有意かつ臨床的に意義のある疾患活動性の低下を示す

本資料はアストラゼネカ英国本社が2019年8月29 日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、2019年8月29日、第3相TULIP 2試験の良好な結果を発表しました。本試験は、標準治療を受けた全身性エリテマトーデス(SLE)の患者さんを対象とした試験です。SLE治療の新薬候補であるanifrolumabは、第3相TULIP 2試験において、プラセボと比較して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある疾患活動性の低下を示し、主要評価項目を達成しました。

本試験では、疾患活動性の低下をBritish Isles Lupus Assessment Group based Composite Lupus Assessment (BICLA)指標に基づいて52週間測定しました。BICLAでは、ベースライン時に疾患活動性を持つ全ての臓器において疾患活動性が改善し、且つ、疾患活動性を持たない臓器に新たなフレアの出現が存在しないことを条件としています1。 anifrolumabの安全性は、これまでに行われた試験の安全性プロファイルと相違ありませんでした。 

TULIP 2試験は、中等症から重症の全身性エリテマトーデス(SLE)の成人患者さんを対象に、anifrolumabの安全性および有効性を評価する2つ目の第3相試験です。TULIP 2の良好なBICLA評価は、前回の第3相TULIP 1試験で事前に設定した解析と一致していました。なお、TULIP 1試験では、主要評価項目である12ヵ月時点のSLE反応指標(SRI4)は達成できませんでした。

バイオ医薬品研究開発担当エグゼクティブバイスプレジデントであるMene Pangalosは次のように述べています。「全身性エリテマトーデスは消耗性症状を伴う自己免疫疾患でありながら、承認された新薬はこの60年でわずか1つだけです。本試験の結果は重要であり、アストラゼネカは、今後、試験の詳細なデータを検証し、この新たな治療選択肢を患者さんにお届けできるよう、模索していきます」。

オーストリア・モナシュ大学教授であり、TULIP 2試験の治験責任医師であるEric F. Morandは次のように述べています。「私たち臨床医も、複雑で治療困難なこの疾患に対する新薬を必要としています。TULIP 2試験で得られた素晴らしい結果から、I型インターフェロン受容体を標的とするanifrolumabがSLE患者さんの疾患活動を減少させることが示されました」。

TULIP 1 試験およびTULIP 2試験のより詳しいデータは、今後の学会で発表される予定です。 なお、anifrolumabは本邦では未承認です。
以上

*****
Anifrolumabについて
Anifrolumab は、I型インターフェロン受容体のサブユニット1に結合する完全ヒトモノクローナル抗体であり、IFN-alpha、IFN-beta、IFN-omegaなど、全てのタイプ1インターフェロンの活動を阻害します2。I型インターフェロンは、炎症反応経路に関係するサイトカインです3。SLEの成人患者さんの60%~80%に、疾患活動性との相関性が明らかになっているI型インターフェロン遺伝子特性の増加が見られます3,4

第3相TULIPプログラムについて
TULIP (Treatment of Uncontrolled Lupus via the Interferon Pathway) は極めて重要なプログラムで、TULIP 1試験および TULIP 2試験という2つの第3相試験から成り立っています。これらの試験においては、標準治療を受けた中等症から重症の自己抗体陽性SLE患者さんに対し、プラセボ投与群と比較したanifrolumabの安全性・有効性を評価しました。TULIP 1試験 の結果は2018年8月のグローバルプレスリリースをご覧ください。

TULIP 2試験では、条件に該当する373人の患者さんを無作為化し(1:1)、300mgのanifrolumab投与群とプラセボ投与群に分け、4週間ごとに静脈注入を一定用量行いました。BICLAに基づいて疾患活動性の低下を測定することにより、anifrolumab の有効性を評価しました。BICLA はSLEの成人患者さんの疾患活動性の測定値として確立されたものであり5,6、TULIP 1試験の完全評価に続くTULIP 2試験の主要評価項目として選ばれました。

TULIP 1試験では、条件に該当する460人の患者さんを無作為化し(1:2:2)、150mg または300mgのanifrolumab投与群とプラセボ投与群に分け、4週間ごとに静脈注入を一定用量行いました。本試験では、SRI4で疾患活動性の低下を測定することによりanifrolumab の有効性を評価しました。

また、TULIPプログラムには、SLE患者さんに対する 第3相継続投与試験、およびループス腎炎患者さんに対する第2相試験が含まれます。

全身性エリテマトーデス(SLE)について
SLEは、免疫系が自身の正常な細胞や組織を攻撃してしまう自己免疫疾患です7。慢性的であり、さまざまな臨床症状を伴う複雑な疾患であるため、多くの臓器に影響を及ぼし、痛み、発疹、倦怠感、関節の腫れ、発熱など幅広い症状の原因となります8。さらには、感染症や心血管疾患などが原因の死亡リスク上昇にもつながります9。しかしながら、SLE治療薬として承認を受けた新薬は、この60年間で1つしかありません10

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1. Mikdashi J, Nived O. Measuring disease activity in adults with systemic lupus erythematosus: the challenges of administrative burden and responsiveness to patient concerns in clinical research. Arthritis Research & Therapy. 2015;17(1):183.
2. Furie, Khamashta M, Merrill J T, et al. Anifrolumab, an Anti–Interferon‐α Receptor Monoclonal Antibody, in Moderate‐to‐Severe Systemic Lupus Erythematosus. Arthritis & Rheumatology. 2017;69(2);376-386.
3. Lauwerys BR, Ducreux J, Houssiau FA. Type I interferon blockade in systemic lupus erythematosus: where do we stand?. Rheumatology. 2013;53(8);1369-1376.
4. Crow, M. K, Type I Interferon in the Pathogenesis of Lupus, The Journal of Immunology. 2014;192(12);5459-5468.
5. Wallace D. et al. Evaluation of treatment success in systemic lupus erythematosus clinical trials: development of the British Isles Lupus Assessment Group-based composite lupus assessment endpoint [poster]. Presented at: ACR/ARHP 2011 Annual Scientific Sessions; November 5-9, 2011; Chicago, IL. Poster 2265. https://acr.confex.com/acr/2011/webprogram/Paper23976.html. Accessed July 8, 2019.

6. Thanou A, Chackravarty E, James J et al. Which outcome measures in SLE clinical trials best reflect medical judgment? Lupus Science & Medicine. 2014;1:e000005.
7. The Lupus Foundation of America. Available at https://resources.lupus.org/entry/what-is-lupus?utm_source=lupusorg&utm_medium=answersFAQ. [Accessed June 2019]
8. ACR. Guidelines for referral and management of systemic lupus erythematosus in adults. American College of Rheumatology Ad Hoc Committee on Systemic Lupus Erythematosus Guidelines, Arthritis & Rheumatism. 1999; 42; 1785-1796.
9. Nossent J, Cikes N, Kiss E, et al. Current causes of death in systemic lupus erythematosus in Europe, 2000-2004: relation to disease activity and damage accrual. Lupus. 2007; 16:309-317.
10. Mahieu, M. A., Strand, V, Simon, Lee, S.S et al. A critical review of clinical trials in systemic lupus erythematosus. Lupus. 2016;25(10);1122–1140.
本件に関するお問合わせ先
アストラゼネカ株式会社
東京都千代田区丸の内1-8-3 丸の内トラストタワー本館
コーポレート・アフェアーズ統括本部 杉本
JPN.Ex.Comm@astrazeneca.com
Tel: 03-6268-2605

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この企業の情報

組織名
アストラゼネカ株式会社
ホームページ
http://www.astrazeneca.co.jp/
代表者
ステファン・ ヴォックスストラム
資本金
200,000 万円
上場
海外市場
所在地
〒530-0011 大阪府大阪市北区大深町3番1号グランフロント大阪タワーB
連絡先
06-4802-3600

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