PDO製品の中でNo.1の売上、対日輸出量も前年比+11.5%増
パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会(CFPR:イタリア、レッジョ・エミリア市)は、2018年のマーケットデータを発表しました。生産量は前年比1.35%増の370万玉(約148万トン)で、このチーズの長い歴史の中で過去最高でした。パルミジャーノ・レッジャーノは、「世界で最も影響⼒のあるPDO製品」に選ばれただけでなく(出典:2018年IPSOS株式会社)、生産出荷高が14億ユーロと、PDO製品の中でNO.1でした。(出典:農業食品市場サービス振興会(ISMEA)) また、消費金額は24億ユーロで、このPDO(原産地呼称保護)製品は、ますます海外に進出しています。生産量は過去2年間で347万玉から370万玉と6.6%増加しており、新たな市場を開拓する必要があるからです。
価格に関しても、非常に良い時期を迎えています。 2016年の生産出荷平均価格(12ヶ月熟成のもの)は1kg当たり8.60ユーロでしたが、2018年の平均価格は16.3%増の10ユーロでした。(出典:Borsa Comprensoriale) また、輸出の比率も拡大し、前年比5.5%増の40%でした。フランスが最大の市場(11,333トン)であり、次にアメリカ(10,493トン)、ドイツ(9,471トン)、イギリス(6,940トン)そしてカナダ(3,030トン)が続き、日本へは前年比+11.5%増の919トンでした。フランスとイギリスはそれぞれ+ 12.6%、+ 2.2%増で、ドイツは類似製品との競合により減速しています(-4.4%)。一方、EU・カナダ包括的経済貿易協定(CETA)のお蔭でカナダへの輸出は+ 17.7%増加で、今後の通商機会の発展を裏付ける形となりました。
2019年は375万玉以上と、さらなる生産量の増加が見込まれていることから、この製品を市場において利益のある価格で位置づけることが協会の課題となっています。イタリア国内外の需要を増やすために、協会はPR予算を前年より150万ユーロ増やして合計2,400万ユーロを投資しています。
パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会のニコラ・ベルティネッリ会長は次のように述べました。「パルミジャーノ・レッジャーノは成長し続け、市場を拡大しています。 2018年も生産(+1.35%)、価格(+ 2%)、輸出量(+ 5.5%)ともに増えたプラスの年となりました。また海外市場はますます重要になっています。2018年の輸出割合は40%という過去最高のシェアを超えました。これは5年前の34%という数字を考えると驚くべき結果です。協会は、本物のパルミジャーノ・レッジャーノとまがい物のパルメザンの違いについて消費者を教育するキャンペーンを、特に新しい市場に焦点を当てながら、かなりの予算を投資してイタリア国内外でこのPDO(原産地呼称保護)チーズをプロモートしています。」
Qualivita財団のゼネラルディレクターであるマウロ・ロザーティ氏も下記のようにコメントしています。「2018年の肯定的なマーケットデータは、近年、パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会が実施してきたマーケティング戦略の結果でもあります。彼らは、拡大する世界市場において、素晴らしい製品を生産するだけでなく、特にブランド力のある製品名が真の付加価値を発揮する新しいデジタルチャネルにおいて、効果的に消費者とコミュニケーションを取ることが必要であることを示しています。
パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会は、調理済み食品または加工品に対する新しい方針も示しました。パルミジャーノ・レッジャーノを原料としての使用申請する食品会社の数は急増しています。それは、パルミジャーノ・レッジャーノPDOの名を加工品のラベルに使用すると、製品に付加価値が加わるからです。そこで協会は加工品に関しての方針を更新しました。加工品の製法の特徴や工程の厳しい管理について詳細な基準を設けた上で、新しいパルミジャーノ・レッジャーノの商標を加工品の包装に使用することができるようにしました。これは、トレード、フードサービス、食品業界、パルミジャーノ・レッジャーノを生産するサプライチェーンにとって、そして新しい市場へのアクセスを可能にする重要な新しい突破口になるでしょう。
数字で見るパルミジャーノ・レッジャーノ (2018年)
【生産量】約147,692トン(3,699,695ホール )*前年比1.35%増
【輸出量】54,360トン*前年比5.5%増
【輸出比率】40.1%
【対日輸出量】919トン*前年比11.5%増(2017年:824トン)
【生産地域】
5県にまたがる限定地域で飼料、牛乳、チーズの生産及び熟成、包装を行う
パルマ県、レッジョ・エミリア県、モデナ県の全域及び
ボローニャ県(レノ川左岸)、マントバ県(ポー川右岸)
【使用添加物】ゼロ
【サイレージ】ゼロ(発酵飼料は禁止されています。)
【チーズに使う牛乳の量】1玉520リットル / 1kgあたり13.5リットル
【サイズ】重量 平均39.9kg(最低30kg以上)
【生産者の数】
乳牛飼育場: 2,820 箇所 (2017年は2,893箇所)
乳牛: 265,000頭
チーズ製造所: 330軒 (2017年は335軒)
【専用の牛乳生産量】192万トン(イタリア全土の牛乳生産量の15.9%)
【チーズ売上高】14億ユーロ(生産出荷レベル推定) /24億ユーロ(消費レベル)
【サプライチェーン内で従事する人の数】50,000人
パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会とは?
1934年に設立されたこのチーズの全生産者が所属している非営利団体です。チーズの品質審査および本物の証としての押印を行い、世界中に広く出回る模倣品から本物を守り、正しい知識や認知度、そして消費量を向上させるための活動も行っています。
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