業界最速かつ使いやすさを追求したサーマルプリントヘッド「TH3002-2P1W00A」を開発

製造や物流現場の生産性向上に貢献

<要旨>
ローム株式会社(本社:京都市)は、食品包装などの製品情報印字に最適な、業界最高の印字速度を実現するサーマルプリントヘッド「TH3002-2P1W00A」を開発しました。

TH3002-2P1W00Aは新材料と独自の新構造を採用することで、一般的に高速印字が難しいとされる耐擦過性(※1)に優れたインクリボンを用いた場合でも、解像度305dpi 時、1,000mm/秒の超高速印字に成功。転写性に優れたインクリボンの場合、1,500mm/秒で同解像度の印字が可能です。これにより、食品の加工現場や物流現場での生産性向上に貢献します。また、今後ますます需要が見込まれる、環境配慮型の包装材や複雑な物流管理に必要なデートコード情報(※2)での印字品質向上にも寄与します。

なお、本製品は、8月よりサンプル出荷(サンプル価格60,000円/個:税抜)を、10月より量産出荷を開始する予定です。

<背景>
近年、食品などの包装材では、トレーサビリティ確保のため、製造所固有記号や製造年月日、消費期限などのデートコード情報が重要視されています。栄養成分表示の義務化やアレルギー表示の変更といった新食品表示制度の導入により、今後ますます印字情報量は増加すると予想されています。また、消費者ニーズに合わせた物流規模の拡大により、荷札ラベルを大量に印刷する必要性も増えています。これらの市場背景から、高精細かつ高速印字が可能なプリントヘッドへの需要が高まっています。

一方、これまで高速印字には転写性に優れたワックス系インクリボン(※3)が使用されていましたが、環境負荷の少ない包装材にデートコード情報を印字する場合、擦れや周辺環境の影響によって剥離してしまう懸念があることから、耐擦過性に優れたレジン系インクリボン(※4)が注目されています。しかし、耐擦過性と印字速度は背反関係にあり、レジン系インクリボンは印字速度が課題とされてきました。

今回、ロームは構成材料と構造の抜本的な見直しを行うことで、レジン系インクリボンを使用した場合でも、超高速かつ高精細印字が可能なサーマルプリントヘッドの開発に成功。今後は、デートコード情報の印刷需要の伸びが期待される物流管理や無人レジで使用される電子タグなど向けに、高速・高精細印字の特長を活かした製品ラインアップを拡充していきます。


<新製品の特長>
今回新たに開発したTH3002-2P1W00Aの特長は以下の通りです。


1.幅広い印字媒体で、業界最高クラスの印字速度(解像度305dpi)を達成
TH3002-2P1W00Aは、高熱伝導材料の採用によりサーマルヘッドの放熱性を高め、独自の新構造により発熱体の劣化を起こりにくくすることで、高速連続印字の場合でも安定した印字品質を確保できます。
これにより、305dpiの解像度の場合、需要増が期待される耐擦過性に優れたレジン系インクリボンでも1,000mm/秒、高速転写性に優れたワックス系インクリボンでは1,500mm/秒での高精細かつ高速印字を実現。製造現場の生産性の向上に貢献します。また、高速でありながら印字品質を確保できるため、デートコード情報の小型・高密度印字にも寄与します。

2.サーマルヘッド取り付け時の印字許容角度の拡大により、メンテナンス時間の短縮化に貢献
一般的に、正常な印字を行うには、サーマルヘッドの取り付け位置を限りなく基準角度に近付ける必要があります。
TH3002-2P1W00Aは、サーマルヘッドの形状を見直すことで、印字許容角度を一般品比の約2倍に拡大。多岐に渡る利用シーンにおいて、お客様のメンテナンスに伴う動作停止時間の短縮化に貢献します。

3.耐腐食性の改善により、サーマルヘッドを長寿命化
従来、プリンターの使用環境や保存環境により、気中に含まれる塩分や水分がサーマルヘッドを保護している膜の内部に入り込み、発熱体を含む電極材料が腐食劣化するという課題がありました。
TH3002-2P1W00Aは、緻密かつ被覆性に優れた構造により、腐食成分の侵入を抑制でき、一般品に比べて高い腐食耐性が得られます。これにより、食品加工現場や物流倉庫といった特殊な環境下でも、長期間にわたり、安定してサーマルヘッドを使用できます。

<用語説明>
※1) 耐擦過性
印刷・印字面が擦れても色落ちや剥がれが発生し難くなる性質のこと。

※2) デートコード情報
包装材に対して印字される日付(賞味期限・消費期限等)情報のこと。

※3) ワックス系インクリボン
インクリボン層のバインダー主成分(結合剤)にワックスを用いているタイプのインクリボンのこと。転写性などに優れる。

※4) レジン系インクリボン
インクリボン層のバインダー主成分(結合剤)にレジン(樹脂)を用いているタイプのインクリボンのこと。耐熱性や耐擦過性などに優れる。

ロームは、1958年(昭和33年)設立の半導体・電子部品メーカーです。自動車・産業機器のほか、民生・通信など多様な市場に対し、品質と信頼性に優れたLSIやディスクリート、電子部品を供給するとともに、システム全体を最適化するソリューション提案を行っています。

本件に関するお問合わせ先
ローム株式会社 メディア企画部 広報課
〒615-8585 京都市右京区西院溝崎町21
TEL(075)311-2121、FAX(075)311-1317

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この企業の情報

組織名
ローム株式会社
ホームページ
https://www.rohm.co.jp/
代表者
松本 功
資本金
86,969,000,000 万円
上場
(旧)東証1部
所在地
〒615-8585 京都府京都市右京区西院溝崎町21
連絡先
075-311-2121

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