スターバックス コーヒー ジャパンは、スターバックス リザーブ(R) ロースタリー 東京のオープンを祝い、エルサルバドルから届いた、単一の農園で栽培された3つの品種「スターバックス(R) シングル オリジン シリーズ モンテカルロス エステート カトゥアイ/パカマラ/ブルボン」(
https://www.starbucks.co.jp/press_release/pr2018-2860.php?nid=nw_13_pc)の販売を記念して、3月13日(水)、スターバックス コーヒー 東京ミッドタウン店にて、「コーヒーの未来を考えるトークセッション」を開催しました。
トークセッションには、世界に4人しかいないスターバックスのグリーンコーヒー トレーダー(バイヤー)と、エルサルバドルのモンテカルロス 農園のファーマー(農園主)であるカルロス バトレス氏を招き実施しました。
トークショーでは、「スターバックス(R) シングルオリジンシリーズ モンテカルロス 農園 カトゥアイ/パカマラ/ブルボン」、「スターバックスのコーヒーバイヤーの仕事」、「コーヒーの現状と危機、未来を守るための活動」についてファーマー、バイヤーそれぞれの視点で、両者が熱く語りました。
左より)エリオット ベンゼン、カルロス バトレス氏、田原象二郎
■「スターバックス(R)シングルオリジンシリーズ モンテカルロス エステート カトゥアイ/パカマラ/ブルボン」について
モンテカルロス 農園(農園)について:
3種のコーヒーを栽培しているこの農園は、火山の斜面を取り囲むように位置している。微気候により高品質なコーヒーが収穫できる、標高1,200m~1,800mで栽培し、標高1,000m以下に位置する農場内の加工場でコーヒーチェリーを加工。山の斜面には、強風が吹きつけるためコーヒーの木を囲むように防風林を植えている(写真:格子状の部分)。
コーヒー豆について:
同一農園から同じタイミングで3つの異なる品種を販売することは、スターバックスで世界初の取組み。スターバックス リザーブ(R)ロースタリー 東京のオープンのタイミングで、品種の異なる3種類のコーヒーを楽しむことができる、成熟したマーケットである日本限定で発売することになった。今後、ワインのようにコーヒーも品種ごとに楽しんでほしいという想いも込められている。
■スターバックスのコーヒーバイヤーの仕事について
スターバックス コーヒー トレーディング カンパニー グリーンコーヒー トレーダー
エリオット ベンゼン(中央アメリカ、ブラジル担当)
コーヒー バイヤーにとって一番大切なものは、ファーマーとの信頼関係。コーヒーバイヤーの世界では「100万ドル失っても信用は失うな」という言葉があるくらい、強い人間関係・信頼関係が重要。カルロス氏とは、お互いが困ったときに頼りあえる強い信頼関係を築いている。
重要な仕事は、未来のコーヒー、品質の高いコーヒーを調達し続けること。今しか考えない調達では、未来に質の高いコーヒーは調達できない。将来その時に取り組んでも遅い。そのために、C.A.F.E.プラクティスを広げている。C.A.F.E.プラクティスとは、国際環境NGOのコンサベーション・インターナショナルの協力によって定めた、測定可能な購買ガイドラインのこと。ファーマー、カスタマー、地球環境、地域社会すべてが豊かになる倫理的な調達が可能になる。
C.A.F.E.プラクティスの導入により、生産量は約40%増えている。よりよい生産者を生むことが高品質なコーヒーを持続可能な形で調達を続けることにつながっている。
※C.A.F.E.プラクティス
https://www.starbucks.co.jp/responsibility/ethicalsourcing/cafe_practice.html
例えば、スターバックスはホンジュラスからほとんど調達していなかった。しかしどうすれば調達できるか、ファーマー、農学者と一体になり品質改善に取組み、高品質なコーヒーの収穫量を増やすことに成功し調達の量は増えている。
■コーヒーの現状と危機、未来を守るための活動について
気候変動、人口増加などさまざまな要因で、危機的な未来が訪れる可能性があるコーヒーの現状と、未来を守る活動をファーマー、バイヤーそれぞれの視点で話を聞いた。
気候変動による、さび病の広がりを感じることがある。さび病にかかるコーヒーの木の標高が高くなっている傾向にある。そのため、日陰をつくることが非常に重要になっている。シェードツリーを増やすことや、適切な農薬を使うことで、さび病の蔓延を防いでいる。
スターバックスでは、生産者の生活向上、高品質なコーヒー豆の継続的な供給を目的とし、土壌管理と農作物生産の専門家(アグロノミスト)を集めた技術支援センター「ファーマーサポートセンター」を世界8ヶ所に設立し、現地の生産者と直に接してコーヒー豆の品質向上に取り組んでいる。様々な研究の結果を、全世界のすべてのファーマーに対してオープンにしている。また、気候変動により増えているさび病に強く高品質で高収穫なコーヒーのハイブリッド種を研究している。苗は周辺の農家に無償で提供している。
また、コーヒーを世界初の真に持続可能な農作物にするための呼びかけ「サステナブル・コーヒー・チャレンジ」にも参画している。
https://www.conservation.org/global/japan/Pages/sustainable-coffee-challenge.aspx
■日本での取組み
スターバックス コーヒー ジャパン コーヒー スペシャリスト 田原 象二郎より。
想いを届けるのはバリスタの責任。毎月20日をEthically Connecting Dayにしている。スターバックスは、2013年に99%倫理的な調達を達成。9月9日を、お祝いの日として「99キャンペーン」を実施。昨年は震災被害のあったグアテマラ産のコーヒーをお客様と一緒に楽しみ、売り上げの一部を、エリオットを通じてコーヒーの苗で寄付をした。このように、日本でもお客様とコーヒーの世界を繋げている。今年も9月9日に「99の日」を開催する予定。
※店舗での取組み
https://www.starbucks.co.jp/responsibility/ethicalsourcing/store.html
【プロフィール】
カルロス バトレス
噴火口のそばまで山肌の斜面一帯に広がっている、エルサルバドル モンテカルロス農園の5代目オーナー。世界で初めてパカマラ種を商業用のコーヒーとして生産。ひとつひとつの品種を大切に栽培、手摘みし、家族で経営する水洗加工場で加工。このきめ細やかさによって、このコーヒーの個性が引き出されるだけでなく、ムラのない高品質のコーヒーを生産。
エリオット ベンゼン
スターバックス コーヒー トレーディング カンパニー(以下SCTC)
グリーン コーヒー トレーダー(中央アメリカ、ブラジル担当)
2015年よりSCTCに入社。前職では、アフリカのコーヒートレーディングに長年従事。SCTC入社後は中央アメリカを中心に、トレーディングを担当。
田原象二郎
2000年に入社。ストアマネージャーを経て、2006年からはコーヒースペシャリストとして活躍している。パートナー(従業員)のコーヒーに関する知識向上のための教育プログラムを開発し、パートナーからお客様へ分かりやすくコーヒーの魅力を紹介するしくみを考えて伝達している。また、コーヒーの生産地を実際に訪れた経験を活かして、同社の取り組みを社内外に伝えている。