成蹊大学(東京都武蔵野市) 理工学部 竹本 雅憲准教授のヒューマンファクター研究室では、卒業研究の一環で、東京武蔵野シティFC協力のもと、計測装置を用いたサッカー選手の視線分析を行っている。
11月下旬、竹本准教授のヒューマンファクター研究室が進めている視線分析の計測現場を見学すると、選手がスルーパスを出す場面の視線分析が行われていた。視線分析では、選手にアイトラッカーと呼ばれる視線計測装置をつけながらプレーをしてもらい、プレー中の選手の視線を計測・記録をする。視線の計測により、選手がボールを受ける前や後にフィールドのどこを見ていたのかを調べられる。そして、その準備がボールを蹴るプレーにどう影響したかの分析につなげる。竹本准教授によれば、サッカーなどのスポーツの場合、優秀な選手ほどボールを見ている時間が短いことがわかっているという。ボールを受け取る瞬間は、どうしても視線が自分の足元やボールに行き、一瞬ではあるが、周りが見えなくなる。そのわずかな時間に生じる周りの状況の変化にすばやく対応するための準備として、様々なポイントに視線を向け、状況予測に役立てているのだろう。
一連のプレーが終わると、観測者の学生が、アイトラッカーを着けた選手に、今のプレーでどこを見ていたのか、どんなプレーを思い描いていたかをヒアリングしていた。視線分析とあわせて実際に話を聞くことで、選手のプレー中の動作や視線に込められた意図を明確にすることができるという。
「今回の研究の意義は、ボールを扱うという動作面の技術を最大限に活かすために、通常では見ることのできない、『見る』『判断する』という認知的な技術を視線データによって明らかにすることにあります。このような研究は、サッカーやバレーなどの球技スポーツ初心者が、熟練した競技者と同じようなプレーができるための指導方法の提案に役立つと思います。」と竹本准教授は話す。今後の研究の進展に期待したい。
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