民生機器の電流検出用途に最適で、アプリケーションの信頼性向上に貢献
<要旨>
ローム株式会社(本社:京都市)は、インバータエアコンの室外機や省エネ白物家電などの電流検出用途に最適な、10~910mΩの高電力長辺厚膜チップ抵抗器「LTR50低抵抗シリーズ(48抵抗値)」を新たにラインアップしました。
今回開発した新製品は、抵抗体材料の見直しにより、2550サイズ(縦2.5×横5.0×高さ0.58mm)と小型でありながら、従来の短辺電極タイプと比べて4倍の定格電力2Wを達成。アプリケーションの大電力化および省スペース化にも貢献します。また、素子構造の最適化により、長辺厚膜チップ抵抗器として業界トップクラスの抵抗温度係数(TCR)※1)を実現しました。これにより、温度変化による抵抗値変動が低減されるため、高精度な電流検出を可能にします。
なお、本シリーズは、4月より月産100万個の体制で量産を開始しております。生産拠点は、前工程、後工程ともに、ROHM Electronics Philippines, Inc.(フィリピン)となります。
<背景>
近年、あらゆるアプリケーションで、電子化、高機能化を実現するために多くの回路が搭載されるようになり、それらの電流制御、電流管理を行うために電流検出用の抵抗器が使用されています。また、搭載部品が増加の一途を辿っている中、小型かつ高電力な抵抗器への要求が高まっています。
一方、ロームは世界で初めてチップ型抵抗器を開発するなど、業界に先駆けた製品開発を進めてきました。また、信頼性が求められるアプリケーションに対しては、高電力、耐サージ、耐硫化といった特長のある特殊抵抗を提供し、高い評価を得ています。今回、新たに低抵抗製品をラインアップに追加することで、幅広いアプリケーションに対応できるようになります。
今後も、独自の技術を活かし、お客様のニーズにあった製品開発を進めるとともに、さらなるシリーズ拡充に努めてまいります。
<電流検出用低抵抗シリーズ ラインアップ>
<特長>
1. 優れた抵抗温度係数により、高精度な電流検出を実現
一般的に、抵抗値が低くなるほど抵抗温度係数は大きくなりますが、抵抗体素子構造の最適化により、業界トップクラスの抵抗温度係数を実現しました。例えば、100mΩの場合、LTR50シリーズは±100ppm/℃の抵抗温度係数を実現しており、安定した抵抗値で使用することが可能です。
2. 従来品比4倍の高定格電力で、省スペース化に貢献
抵抗体材料を見直したことにより、2550サイズ(縦2.5×横5.0×高さ0.58mm)と小型でありながら、従来品MCR50低抵抗シリーズ(0.5W)に比べて4倍の定格電力2Wを実現しています。これにより、従来に比べて小型サイズの製品へ置き換えが可能になります。
<ラインアップ>
※中にはサンプルオーダーから製品提供までに2~3ヶ月かかる製品もあります。各種製品の詳細についてはお問い合わせください。
<用語説明>
※1)抵抗温度係数:TCR(Temperature Coefficient of Resistance)
あらゆる物質は、温度変化によって内部の抵抗値が変化していく。その変化の割合を抵抗温度係数という。この値が低いほど周囲温度の変化に対する抵抗値変化が少なく、機器の動作ばらつきを抑えることができる。
ロームは、1958年(昭和33年)設立の半導体・電子部品メーカーです。自動車・産業機器のほか、民生・通信など多様な市場に対し、品質と信頼性に優れたLSIやディスクリート、電子部品を供給するとともに、システム全体を最適化するソリューション提案を行っています。
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ローム株式会社 メディア企画部 広報課
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