＜要旨＞
　ロームグループのラピスセミコンダクタは、生活家電や白物家電、警報・防犯機器などの産業機器に向けて、オリジナルの16ビットCPUコアを搭載した汎用マイコン「ML62Q1300/1500/1700グループ」を開発しました。入出力ピン数やプログラム容量の違いで、120機種からなる業界トップクラスの商品ラインアップを取り揃えたことで、あらゆる家電から小型産業機器まで、幅広い用途に対応します。

　本商品は、ラピスセミコンダクタのノイズ耐性技術に加え、マイコン内部の故障を検知する自己診断など、家電の安全項目中（IEC60730規定）業界トップクラスの13項目に対応した"セーフティ"を特長とするマイコンです。近年、高機能/多機能化が進む家電分野や、ノイズや高温など厳しい環境でも安定した動作が求められる小型産業機器分野において、マイコンに生じる不測の事態から機器やシステムを守ることが可能です。また、家電の基板実装で使用されるフロー半田に対応したピン間0.65mm以上のパッケージを多数用意しており、高価な実装機器を必要としません。
　生産拠点は、前工程がラピスセミコンダクタ宮城株式会社（宮城県）、後工程がROHM Integrated Systems (Thailand) Co., Ltd. (タイ)です。
　今後もラピスセミコンダクタは、さまざまな電子機器の低消費電力化や高ノイズ耐性の要求にお応えすべく、“セーフティ”を特長としたシリーズ展開を図り、省エネと安全性で社会に貢献してまいります。


＜背景＞
　成長著しい中国・アジア向け家電製品などに搭載されるマイコンには、環境の変化や類似製品の開発に適応するため、ソフトウェア資産や基板設計の共通化も含めて、多種多様な用途に素早く対応できる商品ラインアップが求められます。一方、国内の家電製品（エアコン、洗濯機や電子レンジなど）は一層の高機能/多機能化が進み、制御用の入出力ピン数の拡張やメモリの大容量化に対応できる商品ラインアップが必要とされています。
　また、家電製品は私たちの身近で日々使用されているため安全性がますます重視されるようになり、家電の中核部品となるマイコンも、いかなる場合においてもシステムを安全に制御できる機能が要求されています。

＜新商品の詳細＞
１．家電から小型産業機器用途を網羅する120機種をラインアップ
　全120機種、ほぼ全ての家電から小型産業機器向けに十分なラインアップを用意

• プログラムROM容量：16KB～512KB
• パッケージ：プログラムROM容量に応じてSSOP, TSSOP, WQFN, QFP, TQFPのパッケージをラインアップ。フロー半田の基板実装に対応可能なピン間0.65mmピッチ以上のパッケージを多数用意
• 端子数：16ピン～100ピン
• 端子互換性：ピン数を変更しても端子の配置をほぼ同じにしたことでスケーラビリティを確保　
• タフネス ： タフマイコンの特長である高ノイズ耐性（間接放電試験で±30kV以上 ：ラピスセミコンダクタ調べ）や高温動作（105℃）を継承