ジャカルタ―アジア・パルプ・アンド・ペーパー・グループ(APP)は、事業活動をさらに進化させるために、保護価値の高い森林に関する新たな方針を発表しました。この中には、インドネシアで自社グループが所有するパルプ材コンセッション内での自然林伐採を直ちに中止することが含まれています。
APP は過去10 年の間に、インドネシアの貴重な天然資源、保護価値の高い地域、生物多様性などの重要な側面を守るために、多岐にわたる持続可能性戦略を立案し、実行してきました。今回APP は、国際的に認知された「保護価値の高い森林 (High Conservation Value Forests、以下HCVF)」の基準を採用することを発表します。当グループではこれを、持続的可能性戦略の「自然な流れでの次への進化」と呼んでいます。
このHCVF 方針は、以下のように速やかに実行されます。
1. インドネシアでAPP が所有する森林コンセッションに関して
a. 2012 年6 月1 日から、APP はHCVF 評価が行われている期間中、自然林の伐採を停止します。
b. HCV Resource Network の最善慣行に従ってHCVF 評価を実施するために、我々は信頼の高い専門家チームを起用しました。
c. 我々は、HCVF 評価の結果に基づき、特定されたすべての保護価値の高い地域を保護します。
2. インドネシアにおけるAPP の独立系パルプ材供給会社に関して
a. 当社のHCVF に対する確固たるコミットメントがなされたことを考慮し、独立系供給会社が2014 年12 月31 日までに、我々のHCVF 評価に対する要求に応じることを期待します。
b. APP は国際的なNGO パートナーと共に、独立系供給会社に対し、HCVF 評価を採用するように協働して行きます。
c. HCVF 評価が実施されない場合、我々は供給契約を再検討します。
APP の持続可能性・ステークホルダー担当役員のアイダ・グリーンベリーは次のように述べています。「環境と社会面で最高の基準と健全性を持つ製品を顧客に提供することを保証し、また、国際社会に対し共有のビジョンを示すことを確約するため、この画期的なプログラムを直ちに実行いたします。私たちはNGO との対話の中で提起された重要な問題に対して考慮しています。APP の方針の目的は、サプライチェーンからHCVF を排除することです」
APP の将来の拡張問題について、グリーンベリーは「企業として、我々は常に機会を求めて市場評価を行っています。しかし、今回の自然林保護方針はすべての現行及び将来の拡張計画に適用されます」と述べました。
シナルマス・フォレストリーのCEO ロビン・マイロアは次のように述べました。
「今回の方針を我々の事業に組み込むことについて確信を持っていますが、これを成功させるには、多くのステークホルダーの関与も必要であると認識してとしています。HCVF 原則による管理は、当社の所有するコンセッションの領域を超えて適用される手順であり、地域社会の構成員、政府、市民社会、そしてパルプ生産に携わるすべての人々により受け入れられ、理解されなければなりません」
APP のステークホルダーは、この発表を歓迎しています:
インドネシア林業省の森林・自然保護担当長官であるダロリ氏は次のように述べています。
「インドネシア政府は、自然林保護を国家方針の重要な要素として位置付けています。この方針を達成するためには、民間企業も法律が規定した以上の行動を主導的に取る必要があります。インドネシア政府は本日の発表を支持すると共に、他の企業もAPP の例にならってくれることを願っています」
国連グローバル・コンパクト・ネットワークのインドネシア支部代表理事 のY.W. Junardy氏は次のように述べています。「我々は森林保護を打ち出したAPP の戦略的ステップを歓迎します。国連グローバル・コンパクト活動に積極的な企業として、今回のステップは、特に環境面における国連グローバル・コンパクトの原則を実行しようとするAPP の誓約と努力を実証するものです」APP は、本日発表した誓約の進捗状況を、定期的なレポートとしてホームページ(www.asiapulppaper.com)で紹介していきます。
【APP インドネシアについて】
インドネシアに本社を置くAPPインドネシアは、アジア最大級の総合製紙メーカーで、世界120ヶ国を超える国々で製品を販売しています。インダ・キアット紙パルプ会社、ピンド・デリ紙パルプ会社、チウィ・キミア製紙会社、ロンター・パピルス紙パルプ会社、エカマス・フォルトゥナなど、インドネシアにある複数の工場で生産されている紙製品の総合ブランドでもあります。
APPの生産設備の大部分はLEIとPEFCによる加工・流通過程認証を取得しています。APPは、ギアム・シアク・ケチル-ブキット・バツにある17 万8,000 ヘクタールの生物圏保護区、10 万6,000 ヘクタールのセネピストラ保護区など、多くの大規模な環境保全取り組みを支援しています。この両保護区はスマトラ島リアウ州に位置しています。APPによる野生生物保全取り組みには、他にもカリマンタンでのクタイ・オランウータン・プログラムや、ウジュン・クロン国立公園でのジャワサイの保護への支援などがあります。
詳細についてはこちらをご参照ください:
http://www.asiapulppaper.com/
【APP 中国について】
APP 中国は、1994 年10 月にシンガポールで設立された世界有数の紙パルプ企業の一つで、アジアの主要な総合製紙会社として位置付けられています。1990 年代初めに中国への投資を開始して以来、APP は子会社やジョイント・ベンチャーを含む20 以上の紙パルプ工場を所有し、計300,000 ヘクタールに及ぶ森林植林地域を保有しています。APP 中国の従業員は38,900 名を超え、2010 年における年間生産能力は合計800 万トンでした。APP 中国は2010 年末までに環境保護設備に55 億人民元(8 億6,900 万米ドル)を投じ、6 億人民元(9,230 万米ドル)を全国の様々な地域開発プロジェクトや慈善活動などに投じています。
詳細についてはこちらをご参照ください:
http://www.app.com.cn/
APPジャパン株式会社は、世界トップ3に入る製紙企業であるAPPグループの日本における販売会社です。当社は過去15年間にわたり、日本市場のお客様のニーズを満たすため、印刷・情報用紙、板紙、コピー用紙、文房具、家庭用紙などの分野で、多様な紙製品を提供して参りました。このビジョンと使命を達成するため「高品質の紙製品の需要を満たす、優れた製紙企業グループの確立」、「大規模な植林事業の開発を推進する、優れた植林-パルプ事業の確立」、そして「植林からパルプ、紙製品の生産工程全体にわたる総合的な資源利用と産業チェーン全体にわたる好循環の形成」という開発戦略を導入しています。APPグループは、植林-パルプ-紙製品の一貫化を通じて、持続可能で環境にやさしい世界最大規模の循環型産業を構築するというビジョンと使命をもち、専門的な視点から紙製品に関するソリューションを提供して参ります。APPは今後も自然保護へのコミットメントを実行し、明日のためのより良い環境づくりに邁進します。世界は刻々と変化しています。APPは、今後10年、そして、さらにその先の将来にわたる企業の継続的な成長を可能にすべく躍進を続けます。
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エイピーピー・ジャパン株式会社
環境・PL 対策ユニット 寺崎 孝穂
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