出力監視機能搭載、超小型車載降圧DC/DCコンバータ「BD9Sシリーズ」を開発

小型・高効率・高信頼性で、センサやカメラなど安全運転支援モジュールの進化に貢献

<要旨>
ローム株式会社(本社:京都市)は、ADAS(先進運転支援システム)のセンサやカメラ、レーダーなど、小型化と省電力化、高信頼性を必要とする自動車の安全運転支援モジュールに向けて、車載セカンダリ*1降圧DC/DCコンバータ*2「BD9Sシリーズ」(BD9S400MUF-C、BD9S300MUF-C、BD9S200MUF-C、BD9S100NUX-C、BD9S000NUX-C)を開発しました。
「BD9Sシリーズ」は、システムの安全性向上に貢献する機能を搭載した、小型・高効率の車載電源ICです。システムの安全性向上に向けた、出力電圧監視機能と起動時立ち上がり時間調整機能(シーケンス制御)により、多様なマイコンやシステムと柔軟に情報共有することで、システムのさらなる高信頼化に貢献します。
また、小型・省スペースでは、業界最小クラスの2mm角と3mm角の製品を、最大4.0Aまでの出力電流に応じて幅広くラインアップし、高効率動作では業界トップクラス(入力電圧3.6V、出力電圧1.8V時90%)の電力変換効率を達成しています。さらに、周波数固定の電流モード制御で2.2MHz高周波動作を行うため、AMラジオ帯域不干渉と周辺部品の小型化を実現します。これらにより、安全運転支援モジュールの小型化、省電力化にも貢献します。
なお、本シリーズは2018年5月から月産50万個の体制で量産(サンプル価格300円/個:税抜)を開始しています。生産拠点は前工程がローム浜松株式会社、後工程がROHM Electronics Philippines, Inc.(フィリピン)となります。
今後もロームは、省電力化やシステムの高信頼化に貢献する製品を開発し、自動車の進化に貢献していきます。

<背景>
近年、自動車の事故防止対策や自動運転化が進むにつれて、安全に対する要求はますます高まっています。それに伴い、センサやカメラモジュールの搭載数はもちろん、搭載部品点数と消費電力も増えており、その一方で自動車の軽量化とデザイン性向上のために、モジュールを小型にすることが求められています。
それらに電力を供給する電源ICにおいては、LDOと比較して高効率かつ大電流供給が可能なDC/DCコンバータの採用が進むなかで、小型・省スペース化、シリーズ展開や外付け部品点数削減による扱いやすさが求められています。
ロームは、これら電源ICに対する要求特性に対して、一貫生産体制で長年培ってきた設計・製造技術を駆使することで、業界トップクラスの性能を実現。さらに、今後のトレンドである安全性向上にも貢献する電源ICを開発しました。




<特長の詳細>
1.出力電圧監視機能とシーケンス制御により、システムのさらなる高信頼化に貢献
自分自身が正常に動いているかどうかをシステムと共有するための出力電圧監視機能(パワーグッド機能)と、起動時の立ち上がり時間を自由に調整することで、システムの安定動作や電源ICの拡張に使うためのシーケンス制御を搭載。多様なシステムと柔軟に情報共有することで、システムのさらなる高信頼化に貢献します。

2.業界トップクラスの小型化、高効率化を実現
小型・省スペース、高効率動作が要求される車載セカンダリ降圧DC/DCコンバータにおいて、業界最小クラスの2mm角を実現し、高効率動作では機能同等品で業界トップクラス(入力電圧3.6V、出力電圧1.8V時90%)の電力変換効率を達成しています。
また、フィードバックループ制御方式に周波数変動のない電流モードを採用し、常時2.2MHzでスイッチング動作を行うため、周辺部品を小型化すると同時に、AMラジオ帯域(1.84MHz Max.)への干渉がありません。これらの高い基本性能で、安全運転支援モジュールの小型化、省電力化に貢献します。

3.最大4.0Aまでの出力電流対応品を幅広くラインアップ
超小型製品でありながら、0.6Aから4.0Aまでの幅広い出力電流対応品をラインアップしています。急なシステム変更やモデル最適化に貢献します。



<アプリケーション例>
◇ADASのセンサ、カメラ、レーダー
◇ドライブレコーダーなど自動車で小型化、高効率化、高信頼性が要求されるアプリケーション

<用語説明>
*1)セカンダリ(Secondary)
電源ICにおいては、バッテリーなどの電力源から見て1段目の変換を担当するものをプライマリと言い、その後の2段目の変換を担当するものをセカンダリと呼ぶ。
*2) DC/DCコンバータ、LDO (Low Drop Out レギュレータ / 低飽和レギュレータ)
どちらも電源ICの一種で直流(DC)から直流へ電圧を変換する機能を持つ。
DC/DCコンバータは、スイッチングレギュータとも呼ばれ、スイッチングにより出力電圧を生成する。一般的に電力変換効率に優れ、電圧を下げる“降圧”、電圧を上げる“昇圧”が存在する。
一方LDOは、リニアレギュレータと言われる区分に該当し、抵抗の分圧により出力電圧を生成する。DC/DCコンバータなどのスイッチングレギュレータと比較して、降圧のみだが回路構成が簡単でノイズが少ないなどの特徴を持つ。

ロームは、1958年(昭和33年)設立の半導体・電子部品メーカーです。自動車・産業機器のほか、民生・通信など多様な市場に対し、品質と信頼性に優れたLSIやディスクリート、電子部品を供給するとともに、システム全体を最適化するソリューション提案を行っています。

本件に関するお問合わせ先
<この件に関するお問合せ先>
ローム株式会社 メディア企画部 広報課
〒615-8585 京都市右京区西院溝崎町21
TEL(075)311-2121、FAX(075)311-1317

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この企業の情報

組織名
ローム株式会社
ホームページ
https://www.rohm.co.jp/
代表者
松本 功
資本金
86,969,000,000 万円
上場
(旧)東証1部
所在地
〒615-8585 京都府京都市右京区西院溝崎町21
連絡先
075-311-2121

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