パルミジャーノ・レッジャーノの生産量・輸出量が過去最高を記録

生産量は365万玉(前年比+5.2%)、売上22億ユーロ、対日輸出量も前年比+3.6%


パルミジャーノ・レッジャーノ チーズ協会(CFPR:イタリア、レッジョ・エミリア市)は去る4月23日、イタリア証券取引所(イタリア、ミラノ市)にて同協会のニコラ・ベルティネッリ会長及びグリエルモ・ギャラニャーニ副会長、そしてイタリア農業食料森林省アンドレア・オリヴェロ副大臣同席の上、パルミジャーノ・レッジャーノの財務データを発表しました。

2017年はパルミジャーノ・レッジャーノの生産が前年比5.2%増を記録した年でした。パルミジャーノ・レッジャーノの長い歴史の中で最も多い365万玉以上(約147,000トン)のチーズが生産されました。このPDO(原産地呼称保護)製品の売上高は22億ユーロで、生産量の成長に伴い海外への輸出も年々増えています。過去3年間で生産量は330万玉から365万玉と10%と増加しています。価格に関してもパルミジャーノ・レッジャーノにとって良い傾向となっています。2016年のイタリア国内での卸値のキロ単価は8.60ユーロでしたが、2017年の平均キロ単価は14%増の9.81ユーロとなりました。(出典:Borsa Comprensoriale Parma bulletins)

イタリア国内での消費が62%、輸出量は全生産量の38%(前年比+3.9%増)の51,500トンとなっています。フランスが最も多い輸出先(9,800トン)で、次にドイツ(9,460トン)、アメリカ(9,075トン)、イギリス(6,163トン)、カナダ(2,380トン)と続き、日本へは前年比+3.6%増の824トンでした。フランス、ドイツ、カナダ、イギリス向けの輸出は前年比11.3%、3.2%、8.1%、6.6%増と拡大したのに対し、アメリカ向けはユーロとドルの為替レートや類似製品との競争により9.3%減となりました。一方、EU・カナダ包括的経済貿易協定(CETA)のお蔭でカナダへの輸出は増加し、今後の通商機会の発展を裏付ける形となりました。

この記者発表会は業界の概要を発表する機会でしたが、さらなる成長に向けて協会が請け負う活動を話し合う場でもありました。課題は、この製品を市場において利益率のある価格で位置づけることです。2018年は370万玉以上と、さらなる生産量の増加が見込まれています。イタリア国内外の需要を増やすために、協会はPR予算を前年より700万ユーロ増やして合計2,000万ユーロ(イタリア1,200万ユーロ、海外800万ユーロ)を投資しています。

協会の戦略には4つの柱があります。製品の独自性、輸入の拡大、模倣品との戦い、チーズ工房の直販の確立です。

最も重要な1つ目の柱が製品の独自性です。「350万世帯はパルミジャーノ・レッジャーノのロイヤルカスタマーです。390万世帯がグラナ・パダナーノの顧客であり、1,400万世帯が区別なくいずれかの製品を購入しています。販売量を増やすために、我々は、なぜパルミジャーノ・レッジャーノPDOが世界にただ一つだけのチーズなのかその利点を消費者に伝える目的でコミュニケーションを強化し、ブランドの再ポジショニングのための活動を実行しています。パルミジャーノ・レッジャーノが競合製品より際立っているのは、保存料や添加物を一切使わない完全ナチュラルな最高品質の製品であり、そして1,000年もの間変わらぬ製法を忠実に守り続けているからです。」とパルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会会長、ニコラ・ベルティネッリは述べました。

2つ目の柱は輸出です。協会は各ターゲット市場にプレスオフィスのネットワークを構築し、マーケテイング、PRともに海外市場への投資を増加させました。輸出は生産量を増大させる主な理由のひとつです。協会は、毎年輸出量を2-3%ずつ成長させ、2021年までに輸出量を160万玉にするという野心的な目標を設定しました。

3つ目の柱は模倣品との戦いです。それは実際面で、すべての消費者のためのより良い透明性に繋がります。2017年から協会は、消費者に製品の信憑性を保証するために、すべての粉チーズ製造会社と包装会社をカバーする模倣品のモニタリングプログラムを強化しています。

4つ目、そして最後の柱は、直販のサポートと促進です。チーズ工房は、農場併設ショップだけでなく、通販や小規模なスーパーマーケットチェーン、そしてフードサービスとの直接取引を通じて、より自発的により広く市場にアクセスする必要があります。目標は総生産量の1/3までチーズ工房からの直販のフェアを増やすことです。

職人技とパルミジャーノ・レッジャーノPDOの独自性の考慮から、興味深い事実が湧き上がりました。335軒のチーズ工房の内、実に137軒もの工房がPDO認証だけでなく、その他の認証も受けています。それは「オーガニック・パルミジャーノ・レッジャーノ」、「モデナの白牛」、「レッジョの赤牛」、「ブラウンスイス牛」、「山の製品」、「コーシャ(ユダヤ教徒に対応)」、「ハラル(イスラム教徒に対応)」、そしていわゆる「瞑想熟成」と呼ばれる超長期熟成があります。これらの36万玉以上のチーズの小売価格は着実に平均より高くなっています。協会の目的は、チーズ工房からの直販とともに、これらの新しいセグメントを促進することです。なぜならば、この市場は比較的、一般の経済状況に左右されることがなく生産者にリターンを生み出すからです。

「昨年はパルミジャーノ・レッジャーノにとって生産量、価格、輸出において記録的な年でした。これからの挑戦は、新しい市場を開くことによって製品の位置づけを決めることです。我々も目的を達成するために、規則に従わない者にはより厳しい罰則が必要なイタリア国内の政府や、イタリア製を模した製品と戦い、二国間協議の詳細を適切に定義するために、海外の政府に具体的な支援を求めています。」とパルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会のニコラ・ベルティネッリは締めくくりました。

また、副大臣のアンドレア・オリヴェロ氏は、「パルミジャーノ・レッジャーノの成功は、当然喜ばしいことで、機関と企業の結びつきを強めています。今日、私がこの場にいることは、このイタリア国内外の消費者に広く認められて受賞もしているPDO製品の成功を祝うだけでなく、このチーズ全体の生産チェーンが、優秀なイタリア製品の本質的な特徴を伝えるために行った仕事を高く評価するためでもあります。政府として我々は引き続き世界のイタリア製品の類似品と戦い、地理的表示制度が世界的価値となるように尽力してゆく所存です。」と述べました。

<問い合わせ先>
パルミジャーノ・レッジャーノ・インフォメーション・センター
(株)旭エージェンシー 内 釆女
Tel: 03-5574-7890 Fax: 03-5574-7887
E-mail: info@parmigianoreggiano.jp



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組織名
パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会
ホームページ
http://www.parmigianoreggiano.com/japanese/default.aspx
代表者
Alai Giuseppe
上場
非上場
所在地
〒107-6033 東京都港区赤坂1-12-32 アーク森ビル33F 株式会社 旭エージェンシー内
連絡先
03-5574-7890

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