車載向けストップランプなどの硫化対策に最適で、長期信頼性向上に貢献
(※2018年2月20日現在 ローム調べ)
<要旨>
ローム株式会社(本社:京都市)は、車載向けストップランプなど過酷な環境下で使用されるアプリケーションの信頼性向上に貢献する、赤色で業界初の完全銀レス高光度LED「SML-Y18U2T」を開発しました。
今回開発した製品は、従来銀が使用されていたダイボンディングペースト、フレームなどに金などの別材料を採用することで、完全銀レス化を実現しました。これにより、銀腐食が原因で起こるLEDの点灯不具合が解消され、アプリケーションの信頼性向上につながります。例えば、従来品と新製品をそれぞれ240時間(10日間)、硫化試験条件下で使用した場合、約40%光度残存率を改善することが可能です。
なお、本製品は、2月よりサンプル出荷(サンプル価格 200円/個:税抜)を開始し、2019月4月より月産100万個の体制で量産を開始する予定です。前工程はローム株式会社本社(京都市)、後工程はROHM Semiconductor (China) Co., Ltd.(中国)およびROHM-Wako Electronics(Malaysia) Sdn.Bhd.(マレーシア)となります。
また、3月6日(火)~9日(金)に東京ビッグサイトで開催される「LED NEXT STAGE」のロームブースでも展示する予定です。ぜひご来場ください。
ロームは今後もお客様のニーズにあった、使いやすい製品ラインアップを強化してまいります。
<背景>
近年LED化が進んでいる車載向けのストップランプでは、LEDの搭載数を減らすため、高光度製品に対するニーズが高まっています。一方、過酷な使用環境下で電子部品が使用される自動車や産業機器分野のアプリケーションにおいては、環境ストレスにより金属材料が腐食する硫化*1)が経年劣化の主な原因となっており、信頼性を確保するために硫化対策が必要不可欠となっています。
<製品の詳細>
赤色で業界初の銀レス化により、耐硫化性と高光度の両立を実現
これまで、素子ダイボンディング*2)に用いられるペースト部の黒変が、LEDの光度低下を招いていました。しかし、ロームは素子からパッケージングまでの一貫生産を強みに、ダイボンディングに金スズ(AuSu)、ワイヤーに金、そしてフレームに金パラジウム(AuPd)を採用し、完全銀レス化を実現しました。これにより、耐硫化性と高光度の両立が可能となります。
銀メッキフレームおよび銀ペーストを使用した従来品が、硫化試験において1サイクル(24時間)後に70%、10サイクル後に60%と時間が経つにつれて光度残存率が低下していくのに対し、新製品は10サイクル(240時間)後もほぼ100%の高い光度残存率を維持することができます。
<その他の製品仕様>
<技術用語>
*1) 硫化
銀などの金属の表面に、自動車や工場の排ガスにも含まれている空気中の硫黄水素が作用し、黒ずんでいくこと。
*2) ダイボンディング
個々の半導体素子を装置でピックアップし、銀ペーストなどの接着剤を塗布して、その上に固着すること。
ロームは、1958年(昭和33年)設立の半導体・電子部品メーカーです。自動車・産業機器のほか、民生・通信など多様な市場に対し、品質と信頼性に優れたLSIやディスクリート、電子部品を供給するとともに、システム全体を最適化するソリューション提案を行っています。
- 本件に関するお問合わせ先
-
<この件に関するお問合せ先>
ローム株式会社 メディア企画部 広報課
〒615-8585 京都市右京区西院溝崎町21
TEL(075)311-2121、FAX(075)311-1317