東京大学の藤田誠教授(工学系研究科応用化学専攻)が国際的に権威のあるウルフ賞の化学部門を受賞することが決定しました。



東京大学大学院工学系研究科応用化学専攻の藤田誠教授が、国際的に権威のあるウルフ賞の化学部門をOmar M. Yaghi教授(カリフォルニア大学バークレー校)と共同で受賞することが決定しました。




 2018年2月12日(月)、ウルフ財団(イスラエル)が2018年のウルフ賞受賞者を発表しました。今年は農業、化学、物理、数学、芸術の5つの部門から9名が受賞しました。化学部門では、東京大学大学院工学系研究科応用化学専攻の藤田誠教授とカリフォルニア大学バークレー校のOmar M. Yaghi教授が共同で受賞することが発表されました。

 ウルフ賞とは、1976年に設立されたウルフ財団が、1978年より化学、農業、数学、医学、物理と芸術(建築/音楽/絵画/彫刻で毎年持ち回る)の5~6部門で優れた業績をあげた科学者および芸術家に与える賞です。受賞者のうち約1/4が後日ノーベル賞を受賞しているため、ノーベル賞前哨戦ともいわれています。日本人では、野依良治名誉教授(名古屋大学)、小柴昌俊特別栄誉教授(東京大学)、南部陽一郎名誉教授(シカゴ大学)、山中伸弥教授(京都大学)がウルフ賞とノーベル賞を両方受賞しています。

 なお、ウルフ賞化学部門での日本人受賞者は、野依良治名誉教授(2001年)に続き藤田誠教授が史上2人目となります。

 今回、藤田教授は「金属が誘起する自己集合原理の創出と巨大中空物質構築への展開」の業績が認められ受賞に至りました。

 「金属が誘起する自己集合原理の創出と巨大中空物質構築への展開」とは、有機化合物と金属イオンが溶液中で精密な分子集合体へと自発的に組み上がる「自己集合」の現象を世界に先駆けて発見し、それを活用した新しいものづくりの方法論や応用手法を開拓してきた業績のことを指します。

 2018年5月末に授賞式がイスラエルにて開催される予定です。

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